王国編 /1
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「(ついに来たぞ…ペガサスの城に!)」
孔雀舞を加えた遊戯達一行は、城門を経て庭園を真っ直ぐ進み、ついに猿渡のいる扉の前にやって来た。遊戯と城之内、そして舞が出て猿渡の前に立つ。
「貴様ら…スターチップを集めてきたのか?」
「そうよ!」
猿渡は6人全員を見回す。
「だが優勝決定戦に出られるのは、残り3人だぞ。」
舞をはじめ遊戯と城之内が、自身のグローブをした手を掲げる。
「私達がその3人よ!」
「俺たちは条件を守った!文句は無いはずだぜ?」
そう言った城之内を先頭に3人は猿渡を横切って扉の前へと歩みを進める。
「失礼するわね。」
舞も颯爽と進むのを猿渡が目で追うが、後ろの3人までもが自分を横切って行くのを慌てて引き止める。
「待て!なんだお前達は?!」
「はあ?」
本田は明らかに喧嘩腰の顔をするが、杏子は女の子らしく可愛い顔でおねだりするような声で応える。
「私たちは、応援の者で〜す!」
獏良も照れたような顔を指で掻いている。
だが猿渡は動じない。
「駄目だ駄目だ!そんな者を城に入れるわけにはいかん!…だいたい貴様ら、どうやってこの島に…」
「ほんなカタい事言わないで、大目に見てあげなよ。」
猿渡の言葉を遮るように舞が口を出したので、猿渡は振り返って彼女を見る。
「ね?」
視線が合うと、舞はとびきりの色気でウィンクをかました。猿渡はつい口元を緩ませ、サングラス越しでも分かるほど頬を赤らめる。
その隙を本田らに目配せすると、3人はサッと中へ入っていった。
「い、いや駄目だ!これは規則だ!…ってお前ら!!あぁコラ!!!」
追い掛けようと踏み出す猿渡に、舞はその長い脚を掛けて転ばせると、自身も走り出して扉の中へと急いだ。
「貴様ら…!!!」
しかし急いで起き上がるのも虚しく、扉は固く閉ざされて猿渡は締め出されてしまった。
「へへ、ザマァ見ろ!」
城之内は扉の鍵を掛けると、少し清々したのか口元に笑みを浮かべた。向こうで猿渡が鉄の扉を叩いて何か言っているのが聞こえる。
「さぁ行こう!」
一行は長く続く廊下を進んで行った。
***
名前は閉じ込められた部屋のドアの前に椅子を置き、脚を組んでじっと扉を睨みつけていた。
そこへやっと鍵を開ける音がして、クロケッツが現れる。
クロケッツはいきなり名前が待ち構えているとは思わなかったらしく、少し驚いた様子を見せはしたが、すぐに通常の礼儀正しい態度で名前に向き合った。
「ペガサス様と海馬瀬人のデュエルが始まります。ペガサス様から御覧になるか伺うようにと…」
「…!行くわ!」
名前はクロケッツの言葉も遮ってすぐに立ち上がった。
「左様ですか。では…」
クロケッツは顔を後ろに向けて黒服の男達に目で合図すると、2人の男達が部屋に入ってきて名前を挟むように立つ。
「…!、な、なによ…」
名前は警戒して左右の男達を交互に見ながら一歩下がろうとする。だが瞬間 背後からスタンガンが彼女の首筋に押しやられた。
「アがっ…!」
バチッと言う独特の嫌な音が名前の脳天に突き上げた。
目を見開いて倒れ込むのを男達が腕を取って支える。そのまま一度椅子に座らせると、男達は慣れた手つきで彼女を後ろ手に縛りあげた。
クロケッツは淡々とその様子を見ると、懐から携帯を出してダイヤルする。
「ペガサス様、クイーンのご準備が整いました。」
***
「あれは…」
遊戯達一行が進んで行くと、城之内はその先で手摺に寄り掛かかる男を見つける。
「バンデット・キース!」
キースはようやく城之内らに気付き、そちらに身体を向けた。
「おやおや、こりゃ驚いた。お前らが城に辿り着けるとはよ。」
白々しくも飄々とするキースに、城之内は苛立つ。
「キース!テメェよくも俺たちを洞窟に閉じ込めてくれたな!」
いきなり握り拳を向ける城之内をヒラヒラと躱し、キースはその拳を捕まえる。
「そうカッカするな。テメェの相手は後だ、後!」
「なんだと?!」
「これから面白い余興が始まるところだぜ。あれを見な!」
キースが顔を向けた先に全員の目が集中する。
廊下から繋がった通路からは、どこまで底があるかわからない空洞のような空間がひらけ、その中心に一本の通路が掛けられている。
遊戯はそれを望む手摺から身を乗り出して、その 底の知れぬ暗闇が足元を支配する通路を進む海馬の姿を見た。
「あれは…海馬くん!」
「今から始まるぜ。」
その声にまた全員の視線がキースへ向けられる。
「海馬とペガサスのデュエルがよ。」
キースは口元に不敵な笑みを浮かべながら、腕を組んで壁にもたれかかるようにしていた。
「海馬とペガサスのデュエルだと…!」
「左様。」
突然の背後からの新たな声に、その場の全員が振り返った。
そこにはクロケッツが現れ、彼は廊下から手摺の走る通路へ出てきて全員を見渡した。
「優勝決定戦の、4人の参加者諸君。ペガサス城へようこそ。…何人か余計な者まで紛れ込んでいるようだが、まあ大目に見ましょう。」
サングラスの向こうで光る目に、本田や杏子、獏良の目が少し泳ぐ。
「これよりデュエリスト・キングダムの闘いを勝ち抜いた誇りある諸君へ、ペガサス様から祝福と歓迎の意を込めて…特別試合をお目にかけるよう仰せつかっております。」
「少しは手の内を見せてやるって言い草ね。」
舞は悪態を吐くように目を細めるが、やはりクロケッツは動じずに淡々としている。
「さぁ…そうかもしれません。では、ごゆっくりご観戦を。」
クロケッツは一礼して去って行く。
その背中を目で追う中で、遊戯がハッとして海馬の方を見回した。
「そういえば、名前の姿がない…!」
城之内や杏子も「そういえば!」と見回した。だが目立つ存在の彼女の気配は一向にない。
遊戯は嫌な予感を感じながら、そのまま海馬に視線を集中させた。
───
「(モクバ、名前…!待ってろ、必ずペガサスを倒し、お前達を取り戻す!)」
長く続く通路を半分も進んだ所で、海馬の前にペガサスが黒服の男2人を連れ立って現われた。
「ペガサス…!」
「ウェルカ〜ム!私の城にようこそ、海馬ボーイ。」
ペガサスはそのまま降りて来て通路を進み、両手を広げたまま海馬へ歩み寄っていく。
「このデュエリストキングダムで、ユーのような誇り高きデュエリストと闘える日を 待ち望んでいたのデ〜ス。…心配には及びませんね海馬ボーイ。私とのデュエルに勝てば、モクバボーイはちゃんと元に戻してあげマ〜ス。」
ペガサスの長い前髪の隙間から、黄金に光るミレニアムアイが覗く。
「さぁ、海馬ボーイ…最高のデュエルを楽しみまショウ!」
孔雀舞を加えた遊戯達一行は、城門を経て庭園を真っ直ぐ進み、ついに猿渡のいる扉の前にやって来た。遊戯と城之内、そして舞が出て猿渡の前に立つ。
「貴様ら…スターチップを集めてきたのか?」
「そうよ!」
猿渡は6人全員を見回す。
「だが優勝決定戦に出られるのは、残り3人だぞ。」
舞をはじめ遊戯と城之内が、自身のグローブをした手を掲げる。
「私達がその3人よ!」
「俺たちは条件を守った!文句は無いはずだぜ?」
そう言った城之内を先頭に3人は猿渡を横切って扉の前へと歩みを進める。
「失礼するわね。」
舞も颯爽と進むのを猿渡が目で追うが、後ろの3人までもが自分を横切って行くのを慌てて引き止める。
「待て!なんだお前達は?!」
「はあ?」
本田は明らかに喧嘩腰の顔をするが、杏子は女の子らしく可愛い顔でおねだりするような声で応える。
「私たちは、応援の者で〜す!」
獏良も照れたような顔を指で掻いている。
だが猿渡は動じない。
「駄目だ駄目だ!そんな者を城に入れるわけにはいかん!…だいたい貴様ら、どうやってこの島に…」
「ほんなカタい事言わないで、大目に見てあげなよ。」
猿渡の言葉を遮るように舞が口を出したので、猿渡は振り返って彼女を見る。
「ね?」
視線が合うと、舞はとびきりの色気でウィンクをかました。猿渡はつい口元を緩ませ、サングラス越しでも分かるほど頬を赤らめる。
その隙を本田らに目配せすると、3人はサッと中へ入っていった。
「い、いや駄目だ!これは規則だ!…ってお前ら!!あぁコラ!!!」
追い掛けようと踏み出す猿渡に、舞はその長い脚を掛けて転ばせると、自身も走り出して扉の中へと急いだ。
「貴様ら…!!!」
しかし急いで起き上がるのも虚しく、扉は固く閉ざされて猿渡は締め出されてしまった。
「へへ、ザマァ見ろ!」
城之内は扉の鍵を掛けると、少し清々したのか口元に笑みを浮かべた。向こうで猿渡が鉄の扉を叩いて何か言っているのが聞こえる。
「さぁ行こう!」
一行は長く続く廊下を進んで行った。
***
名前は閉じ込められた部屋のドアの前に椅子を置き、脚を組んでじっと扉を睨みつけていた。
そこへやっと鍵を開ける音がして、クロケッツが現れる。
クロケッツはいきなり名前が待ち構えているとは思わなかったらしく、少し驚いた様子を見せはしたが、すぐに通常の礼儀正しい態度で名前に向き合った。
「ペガサス様と海馬瀬人のデュエルが始まります。ペガサス様から御覧になるか伺うようにと…」
「…!行くわ!」
名前はクロケッツの言葉も遮ってすぐに立ち上がった。
「左様ですか。では…」
クロケッツは顔を後ろに向けて黒服の男達に目で合図すると、2人の男達が部屋に入ってきて名前を挟むように立つ。
「…!、な、なによ…」
名前は警戒して左右の男達を交互に見ながら一歩下がろうとする。だが瞬間 背後からスタンガンが彼女の首筋に押しやられた。
「アがっ…!」
バチッと言う独特の嫌な音が名前の脳天に突き上げた。
目を見開いて倒れ込むのを男達が腕を取って支える。そのまま一度椅子に座らせると、男達は慣れた手つきで彼女を後ろ手に縛りあげた。
クロケッツは淡々とその様子を見ると、懐から携帯を出してダイヤルする。
「ペガサス様、クイーンのご準備が整いました。」
***
「あれは…」
遊戯達一行が進んで行くと、城之内はその先で手摺に寄り掛かかる男を見つける。
「バンデット・キース!」
キースはようやく城之内らに気付き、そちらに身体を向けた。
「おやおや、こりゃ驚いた。お前らが城に辿り着けるとはよ。」
白々しくも飄々とするキースに、城之内は苛立つ。
「キース!テメェよくも俺たちを洞窟に閉じ込めてくれたな!」
いきなり握り拳を向ける城之内をヒラヒラと躱し、キースはその拳を捕まえる。
「そうカッカするな。テメェの相手は後だ、後!」
「なんだと?!」
「これから面白い余興が始まるところだぜ。あれを見な!」
キースが顔を向けた先に全員の目が集中する。
廊下から繋がった通路からは、どこまで底があるかわからない空洞のような空間がひらけ、その中心に一本の通路が掛けられている。
遊戯はそれを望む手摺から身を乗り出して、その 底の知れぬ暗闇が足元を支配する通路を進む海馬の姿を見た。
「あれは…海馬くん!」
「今から始まるぜ。」
その声にまた全員の視線がキースへ向けられる。
「海馬とペガサスのデュエルがよ。」
キースは口元に不敵な笑みを浮かべながら、腕を組んで壁にもたれかかるようにしていた。
「海馬とペガサスのデュエルだと…!」
「左様。」
突然の背後からの新たな声に、その場の全員が振り返った。
そこにはクロケッツが現れ、彼は廊下から手摺の走る通路へ出てきて全員を見渡した。
「優勝決定戦の、4人の参加者諸君。ペガサス城へようこそ。…何人か余計な者まで紛れ込んでいるようだが、まあ大目に見ましょう。」
サングラスの向こうで光る目に、本田や杏子、獏良の目が少し泳ぐ。
「これよりデュエリスト・キングダムの闘いを勝ち抜いた誇りある諸君へ、ペガサス様から祝福と歓迎の意を込めて…特別試合をお目にかけるよう仰せつかっております。」
「少しは手の内を見せてやるって言い草ね。」
舞は悪態を吐くように目を細めるが、やはりクロケッツは動じずに淡々としている。
「さぁ…そうかもしれません。では、ごゆっくりご観戦を。」
クロケッツは一礼して去って行く。
その背中を目で追う中で、遊戯がハッとして海馬の方を見回した。
「そういえば、名前の姿がない…!」
城之内や杏子も「そういえば!」と見回した。だが目立つ存在の彼女の気配は一向にない。
遊戯は嫌な予感を感じながら、そのまま海馬に視線を集中させた。
───
「(モクバ、名前…!待ってろ、必ずペガサスを倒し、お前達を取り戻す!)」
長く続く通路を半分も進んだ所で、海馬の前にペガサスが黒服の男2人を連れ立って現われた。
「ペガサス…!」
「ウェルカ〜ム!私の城にようこそ、海馬ボーイ。」
ペガサスはそのまま降りて来て通路を進み、両手を広げたまま海馬へ歩み寄っていく。
「このデュエリストキングダムで、ユーのような誇り高きデュエリストと闘える日を 待ち望んでいたのデ〜ス。…心配には及びませんね海馬ボーイ。私とのデュエルに勝てば、モクバボーイはちゃんと元に戻してあげマ〜ス。」
ペガサスの長い前髪の隙間から、黄金に光るミレニアムアイが覗く。
「さぁ、海馬ボーイ…最高のデュエルを楽しみまショウ!」