王国編 /1
名前変換
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名前はペガサスのVIPゲストとして、少し早く船のロイヤルスイートルームに入っていた。
ジャグジー付きのお風呂に浸かり、サイドにはココナツウォーターと千年秤が置いてある。カードはベッドの上でケースの中に入っていたが、ブラック・マジシャンのカードだけはテーブルに出してあった。名前は海馬が掴んだあたりをなでると、まだ胸がドキドキとして息苦しくなった。すると千年秤のウジャト眼が光り、青いブラック・マジシャンが現れる。
「・・・ッ」
ブラック・マジシャンが、名前を包み込むように後ろから抱き締めると、実態でない彼は感触を残すでも無く消えていった。
「ブラック・マジシャン・・・、あなたは、・・・私のなんだったの・・・・?」
そっと自分で自分を抱くようにうずくまると、お湯に鼻まで浸かって息を吐き、ぷくぷくと泡がはじけるのをまぶたに感じた。
「・・・海馬瀬人・・・せと・・・。」
ぼんやりと青い服の男が思い浮かぶ。ブラック・マジシャンも青い服だが、この脳裏に霞む男は違う男のようだ。
「セト・・・・、不思議、ずっと前から…まるで、」
天秤が、音も立てずに傾いた。
***
遊戯と城之内がなんとか船に乗り、杏や本田も密航し、隠れて様子をうかがっていると、杏が白い髪の少年を見つけた。
「ねぇ、いまの、獏良くんじゃない?」
本田はこんな所に居るわけが無いとあしらったが、杏がまた振り返った時には居なかった。
***
名前はスイートルームのデッキでぼんやりとしていると、腰のベルトに付けていた千年秤のウジャト眼が光って震えた。名前が振り返ると、そこには獏良が立っていた。
「・・・あなた、遊戯のクラスの・・・。どうしてここに?この部屋はロックされて・・・」
獏良が不適に笑うと、千年リングが現れる。
「オレ様は獏良ってんだ。遊戯を追って来たら、お前も持っていたとはな。」
「・・・千年アイテム!!!」
「どうやら、お前には闇の人格が無いみたいだな。これは好都合だ。」
千年リングが光ると、名前の体に衝撃が走り、後ろの柵に叩き付けられて座り込む。
「う・・・・っ」
「なっ、魂が剥がれないだと」
千年秤が光ってブラック・マジシャンが現れると、獏良の前に立ちふさがった。さらにその背後にそれぞれが一冊ずつ魔導書を持った7人の魔術師が現れた。ピンクの髪に純白の服をまとった『魔導法士ジュノン』が、開かれた魔導書を手で仰いで翳すと、青緑に光る輝きが名前を覆うように降り捧いだ。
「私に、千年アイテムの力は通じない。」
名前がゆっくり立ち上がり、紫に光る瞳で獏良を捉えた。赤灰色の長い髪が潮風になびき、月明かりが怪しく輝かせる。
「けっ、予定が狂っちまったぜ。次に会う時はデュエルで決着をつけてやる。それまでてめぇの自慢のモンスターはしまっておくんだな。」
獏良は少し焦った様子で去っていった。
「・・・」
名前がふっと息をつくと膝をついた。
8人の魔術師はそれぞれ主人の身を心配するように名前を見る。ブラック・マジシャンが名前の顔を覗き込むと、名前は大丈夫よ、ありがとう とだけ言って、立ち上がってベッドに向かった。
魔術師達が消えるのを見ると、名前はサイドテーブルに置いておいたブラック・マジシャンのカードを手に取る。
「・・・千年アイテムの闇の力、」
(わからない・・・私は一体なんだったというの・・・。)
ペガサスの言葉を思い出す。私が彼に従わざるを得なかったか、そのキッカケとなった言葉を。
ーーーなぜあなたにブラック・マジシャンのカードをプレゼントしたかお教えしましょう。それはあなたの過去に関係しマース。
バルコニーから入る潮風に少し身を震わせ、名前は窓を閉めた。
ジャグジー付きのお風呂に浸かり、サイドにはココナツウォーターと千年秤が置いてある。カードはベッドの上でケースの中に入っていたが、ブラック・マジシャンのカードだけはテーブルに出してあった。名前は海馬が掴んだあたりをなでると、まだ胸がドキドキとして息苦しくなった。すると千年秤のウジャト眼が光り、青いブラック・マジシャンが現れる。
「・・・ッ」
ブラック・マジシャンが、名前を包み込むように後ろから抱き締めると、実態でない彼は感触を残すでも無く消えていった。
「ブラック・マジシャン・・・、あなたは、・・・私のなんだったの・・・・?」
そっと自分で自分を抱くようにうずくまると、お湯に鼻まで浸かって息を吐き、ぷくぷくと泡がはじけるのをまぶたに感じた。
「・・・海馬瀬人・・・せと・・・。」
ぼんやりと青い服の男が思い浮かぶ。ブラック・マジシャンも青い服だが、この脳裏に霞む男は違う男のようだ。
「セト・・・・、不思議、ずっと前から…まるで、」
天秤が、音も立てずに傾いた。
***
遊戯と城之内がなんとか船に乗り、杏や本田も密航し、隠れて様子をうかがっていると、杏が白い髪の少年を見つけた。
「ねぇ、いまの、獏良くんじゃない?」
本田はこんな所に居るわけが無いとあしらったが、杏がまた振り返った時には居なかった。
***
名前はスイートルームのデッキでぼんやりとしていると、腰のベルトに付けていた千年秤のウジャト眼が光って震えた。名前が振り返ると、そこには獏良が立っていた。
「・・・あなた、遊戯のクラスの・・・。どうしてここに?この部屋はロックされて・・・」
獏良が不適に笑うと、千年リングが現れる。
「オレ様は獏良ってんだ。遊戯を追って来たら、お前も持っていたとはな。」
「・・・千年アイテム!!!」
「どうやら、お前には闇の人格が無いみたいだな。これは好都合だ。」
千年リングが光ると、名前の体に衝撃が走り、後ろの柵に叩き付けられて座り込む。
「う・・・・っ」
「なっ、魂が剥がれないだと」
千年秤が光ってブラック・マジシャンが現れると、獏良の前に立ちふさがった。さらにその背後にそれぞれが一冊ずつ魔導書を持った7人の魔術師が現れた。ピンクの髪に純白の服をまとった『魔導法士ジュノン』が、開かれた魔導書を手で仰いで翳すと、青緑に光る輝きが名前を覆うように降り捧いだ。
「私に、千年アイテムの力は通じない。」
名前がゆっくり立ち上がり、紫に光る瞳で獏良を捉えた。赤灰色の長い髪が潮風になびき、月明かりが怪しく輝かせる。
「けっ、予定が狂っちまったぜ。次に会う時はデュエルで決着をつけてやる。それまでてめぇの自慢のモンスターはしまっておくんだな。」
獏良は少し焦った様子で去っていった。
「・・・」
名前がふっと息をつくと膝をついた。
8人の魔術師はそれぞれ主人の身を心配するように名前を見る。ブラック・マジシャンが名前の顔を覗き込むと、名前は大丈夫よ、ありがとう とだけ言って、立ち上がってベッドに向かった。
魔術師達が消えるのを見ると、名前はサイドテーブルに置いておいたブラック・マジシャンのカードを手に取る。
「・・・千年アイテムの闇の力、」
(わからない・・・私は一体なんだったというの・・・。)
ペガサスの言葉を思い出す。私が彼に従わざるを得なかったか、そのキッカケとなった言葉を。
ーーーなぜあなたにブラック・マジシャンのカードをプレゼントしたかお教えしましょう。それはあなたの過去に関係しマース。
バルコニーから入る潮風に少し身を震わせ、名前は窓を閉めた。