王国編 /1
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「海馬君!危険なマネはやめて!」
「あのヤロー…海馬!テメェきたねぇぞ!」
杏子の声を皮切りに、城之内も加勢して海馬にくらいつく。
「そんなハッタリで遊戯に最後の攻撃をさせねぇつもりか?!」
城之内がムキになってでも噛み付くが、隣の獏良は冷静にそれを見ていた。
「でも、もしハッタリじゃなかったら…」
「そ、そんな、まさか…」
獏良の言葉に城之内や杏子、本田が動揺する。それをさらに煽るように、名前の青ざめた視線が3人に現実味を持たせるのだ。
「(もう1人の遊戯は…、鋭い目の遊戯は、勝つためならひょっとして…!)」
杏子はまだ不確定ながら、遊戯のもう1人の人格に対して抱く気持ちは、海馬側に立ち海馬を想う名前の気持ちのそれと同じであった。
それ故に今闘いに立つ遊戯への選択への不安が杏子を畏れさせる。
「遊戯、次のターンで貴様のデュエリストとしての真価が問われる。…ゲームとは合わせ鏡のようなものだ。自分の攻め手を、自分ならどうかわすか。…更に先を読みどう追い詰めるか。相手に成り替わり、己を見切った時 勝利を手にする。このデュエルで俺が貴様なら、何の躊躇もせず俺を谷底に突き落とすだろう。」
海馬の淡々とした物言いが、遊戯達の目に映る、海馬の背後に迫る死の誘いを現実味あるものにしていく。
「だがデュエルはまだ終わったわけではない。このターンでカードを引かせてもらうぞ。」
名前は諦めずにそのカードを注視していた。…名前にとって、最早海馬の勝利だけが救いである。
海馬を失う事を心に恐れているのだ。
海馬は引いたカードを一瞥するなり、また淡々とそれを開いた。…その様子は、まるで様々な感情を抑えているようにも見える。
「俺の引いたカードは、…“死者蘇生”!このカードでさっき葬られたブルーアイズの首を1つ、蘇生させる!」
「なに!ブルーアイズの首を?!」
遊戯の顔色は一瞬にして変わった。…デュエリストの性とも言えるだろう。海馬が死を賭けた事よりも、自身を確実に敗北へ追いやるキーカードとなった事に対してその動揺の幅は大きい。
腐敗が進み切り、あとわずかで崩れ去りそうなほど痛々しい姿で尚立ち続けるアルティメットドラゴンの真ん中の首から、白く輝くブルーアイズの首が生え出でる。
腐敗の影響を受けていない神々しい姿のままのその首が、攻撃力の劣りを見せない絶対的な存在である事を見せつけた。
遊戯のターンで他の首を落とさなければ、その次の海馬のターンに攻撃をされ敗北する。
「遊戯!貴様のカードで俺の首を掻き切れ!!!」
これがまさしくデュエリストの真価を問われていると言う事か。
運命は過酷にも“死者蘇生”のカードを海馬のデッキの一番上に置いた。だが過酷に思わせるのは遊戯に対してであり、海馬と名前にとっては、これ以上無い最後の救いのカードである。
今2つの正義が対峙する中で、最早外野である名前も杏子も、そして城之内らもただ黙して遊戯の選択に視線を集めていた。
確かに海馬のハッタリの可能性もあるだろう。…遊戯にも闘いに負けられない理由があるのだ。
──遊戯の脳裏に、囚われた表の遊戯の祖父 双六が過ぎる。
「(俺は…俺は負けられない!)」
遊戯の意を決した目に、杏子が真っ先に反応した。
「(あの表情!もう1人の遊戯なら、海馬君を突き落としてでも勝ちを選ぶ!)」
杏子の反応に早いか否か、遊戯の鋭い声が全員の意識を支配した。
「いくぜ海馬!“エルフの剣士”!!!」
「あのヤロー…海馬!テメェきたねぇぞ!」
杏子の声を皮切りに、城之内も加勢して海馬にくらいつく。
「そんなハッタリで遊戯に最後の攻撃をさせねぇつもりか?!」
城之内がムキになってでも噛み付くが、隣の獏良は冷静にそれを見ていた。
「でも、もしハッタリじゃなかったら…」
「そ、そんな、まさか…」
獏良の言葉に城之内や杏子、本田が動揺する。それをさらに煽るように、名前の青ざめた視線が3人に現実味を持たせるのだ。
「(もう1人の遊戯は…、鋭い目の遊戯は、勝つためならひょっとして…!)」
杏子はまだ不確定ながら、遊戯のもう1人の人格に対して抱く気持ちは、海馬側に立ち海馬を想う名前の気持ちのそれと同じであった。
それ故に今闘いに立つ遊戯への選択への不安が杏子を畏れさせる。
「遊戯、次のターンで貴様のデュエリストとしての真価が問われる。…ゲームとは合わせ鏡のようなものだ。自分の攻め手を、自分ならどうかわすか。…更に先を読みどう追い詰めるか。相手に成り替わり、己を見切った時 勝利を手にする。このデュエルで俺が貴様なら、何の躊躇もせず俺を谷底に突き落とすだろう。」
海馬の淡々とした物言いが、遊戯達の目に映る、海馬の背後に迫る死の誘いを現実味あるものにしていく。
「だがデュエルはまだ終わったわけではない。このターンでカードを引かせてもらうぞ。」
名前は諦めずにそのカードを注視していた。…名前にとって、最早海馬の勝利だけが救いである。
海馬を失う事を心に恐れているのだ。
海馬は引いたカードを一瞥するなり、また淡々とそれを開いた。…その様子は、まるで様々な感情を抑えているようにも見える。
「俺の引いたカードは、…“死者蘇生”!このカードでさっき葬られたブルーアイズの首を1つ、蘇生させる!」
「なに!ブルーアイズの首を?!」
遊戯の顔色は一瞬にして変わった。…デュエリストの性とも言えるだろう。海馬が死を賭けた事よりも、自身を確実に敗北へ追いやるキーカードとなった事に対してその動揺の幅は大きい。
腐敗が進み切り、あとわずかで崩れ去りそうなほど痛々しい姿で尚立ち続けるアルティメットドラゴンの真ん中の首から、白く輝くブルーアイズの首が生え出でる。
腐敗の影響を受けていない神々しい姿のままのその首が、攻撃力の劣りを見せない絶対的な存在である事を見せつけた。
遊戯のターンで他の首を落とさなければ、その次の海馬のターンに攻撃をされ敗北する。
「遊戯!貴様のカードで俺の首を掻き切れ!!!」
これがまさしくデュエリストの真価を問われていると言う事か。
運命は過酷にも“死者蘇生”のカードを海馬のデッキの一番上に置いた。だが過酷に思わせるのは遊戯に対してであり、海馬と名前にとっては、これ以上無い最後の救いのカードである。
今2つの正義が対峙する中で、最早外野である名前も杏子も、そして城之内らもただ黙して遊戯の選択に視線を集めていた。
確かに海馬のハッタリの可能性もあるだろう。…遊戯にも闘いに負けられない理由があるのだ。
──遊戯の脳裏に、囚われた表の遊戯の祖父 双六が過ぎる。
「(俺は…俺は負けられない!)」
遊戯の意を決した目に、杏子が真っ先に反応した。
「(あの表情!もう1人の遊戯なら、海馬君を突き落としてでも勝ちを選ぶ!)」
杏子の反応に早いか否か、遊戯の鋭い声が全員の意識を支配した。
「いくぜ海馬!“エルフの剣士”!!!」