/ Battle Ship side
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「(応えろ、……私だけの魔導デッキ!!! ただひとつ残された私のプライド!!!)」
目を閉じて集中し、デッキに手をやって2枚ドローする。デュエルディスクから延びるドローカードの軌跡、そして意を決してドローカードを自分の目に映せば、自然と笑みが頬を鷲掴みした。
「……!」
「私がドローしたのは2枚とも魔導書と名のつく魔法カード!」(手札0→2)
ゲーム上の開示義務によりその2枚をリシドとジャッジの磯野に向けるが、すぐに使う名前にとっては関係ない。
「やったぜ!」とはしゃぐ城之内や御伽達を背に、遊戯も「うん」と静かに微笑む。ただ1人、マリクだけが眉間にシワを寄せた。
「
ゲームから除外されていた《ネクロの魔導書》を手札に加え、そのまま発動!(手札2→1)
墓地の《魔導召喚士テンペル》をゲームから除外して、私は墓地の《魔導法士ジュノン》を特殊召喚!!!」
《魔導法士ジュノン》(★7→11・攻/ 2500)
「甘い!!! 私は伏せていた速攻魔法《サイクロン》を発動! 《ネクロの魔導書》を破壊する。さぁ墓地へ戻るがいい!」
「……あ!」と外野から声が上がる中で、《魔導法士ジュノン》に装備されていた《ネクロの魔導書》が破壊される。だが、フィールドに《魔導法士ジュノン》は残っていた。
「な、なぜだ……!」
「《ネクロの魔導書》は、墓地のモンスターを蘇生させた上で、あとはレベルを上げる“ただの装備カード”となるものよ。だから《サイクロン》で《ネクロの魔導書》を破壊したところで、私の《魔導法士ジュノン》のレベルが元に戻るだけで、道連れにはならない!」
《魔導法士ジュノン》(★11→7)
「くぅ……!」
「《魔導法士ジュノン》のモンスター効果発動! 墓地から《グリモの魔導書》を除外して、フィールド上のカードを1枚破壊する。私は《苦紋様の土偶》を破壊!!!」
「……ッ」
効果で破壊され、土煙をリシドが腕で遮る。
「まだよ! 私は手札から《ヒュグロの魔導書》を発動! 自分フィールドの魔法使い族モンスターの攻撃力を、ターンの終わり前まで1000ポイントアップさせる!(手札1→0)
私は《魔導法士ジュノン》を選択!」
《魔導法士ジュノン》(攻/ 2500→3500)
「だがお前の《一時休戦》の効果で、私へのダメージはゼロになる」
「それでもモンスターは破壊できる! まずは《魔導書士バテル》の攻撃!!!」
守備モンスター、《王家の守護者》の守備力はゼロ。攻撃目的でない魔導書士バテルでも破壊できる。ぐっと耐えるリシドには、《エンド・オブ・アヌビス》だけが残った。
「《魔導法士ジュノン》の攻撃!!!」
「くっ……!!!」
ついにリシドのフィールド上からモンスターが全て取り除かれた。《一時休戦》の効果でダメージは無かったものの、仕留め損ねてすぐに形勢を逆転してきた名前に焦りが滲む。
これで布石は揃った。脳裏にあるのは、まだ一度も使ったことのない《魔導書》最強のカード。ずっとセパレーターに挟んでデッキケースの端に隔離していた2枚のカードのうちの1枚。決勝トーナメントに挑む直前に、名前はその2枚をデッキに入れた。
「(まさかこんな早くに出すことになるなんてね…… でも、強者を前に出し惜しみはしない!)」
マリク。千年秤を奪った相手、千年秤によって仲間や、私自身を利用して海馬を傷付けた相手。だがそれも今ではどうでも良かった。
神のカードなど使わずとも彼は強い。遊戯や海馬とも違う、異色の強敵。デュエリストとして、ただこの相手を倒したい……!!!
「《ヒュグロの魔導書》の効果! このカードの効果を受けたジュノンで相手モンスターを破壊したことにより、私はデッキから『魔導書と名のつく魔法カード』を手札に加える」(手札0→1)
デュエルディスクが弾き出すその1枚をドローした。千年秤を失ったいま、裁きは自分自身の裁量によって下される。
「私は速攻魔法───《魔導書の神判》を発動!!!」
「……! 魔導書の神判?!」
「(そんなカード、この者の記録には……)」という言葉を飲み込む。
咄嗟に警戒するリシドの表情に、彼のデュエリストとしての勘が鋭い事を察する。だが名前にとって、このカードの発動を許した時点でその警戒心は抵抗になり得ないと分かっていた。
「《魔導書の神判》、……これはエンドフェイズでのみ発動可能な速攻魔法。このターンで発動した
「な…… お前が発動した
「いいえ。あなたが発動した《サイクロン》も対象。よって私がデッキから手札に加える枚数は、8枚!」(手札0→8)
デッキの半分が魔導書の魔法カードで構築されているとは言え、これでデッキから魔導書のほとんどが無くなる。まさに総力戦とも言える手札増強に、リシドはやっと表情を強張らせた。
「そしてレベル8以下の魔法使い族を特殊召喚する! 私が呼び戻すのは───!!!」
フィールドに青白い
「───