/ Domino City side
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2枚の石盤。そのうちの“王女と
「(千年アイテム、……王の魂に献上するまでは、命に替えてでも守らなくてはならないと言われてきた、私たち墓守の一族の
マリク、あなたは墓守の一族という宿命を与えたのが、この失われた王だと信じて復讐をしようとしている。ですが、それは間違い……
墓守の一族を生み出した本当の存在、この2枚の記憶の石盤に王の記憶を封印し、その存在を失ったのは、……王自身ではないのです。王の記憶はあくまで鍵。本当の“闇の力”を封じた扉を開くための、最後のパズルのピース。
千年アイテムを守るために、我が一族は多くの犠牲を払ってきました。この呪われた運命にマリク、あなたが終止符を打つために、その禁断の扉を破るというのなら……
長いローブの裾。それを払い退けるイシズの腕には、デュエルディスクが嵌められていた。
***
「『神のカードが王を指し示すものになるならば、全てのカードを手にしたこの僕が! 新たなる
その3枚の神のカードを探し当てるため、僕はグールズを結成した。そして2枚のカードは既に手に入れてある。……最後の1枚は、この町にある。このバトルシティにな!』」
「(もう1人の僕がこの町でなにを追い求めていたのか、はっきり分かった…… それは失われた記憶!)」
「『3枚のカードを手に入れ、遊戯、貴様を亡き者にすれば、僕は運命の呪縛から解き放たれ、全てを手に入れることができる!』」
「(神のカードも、失われた記憶も手に入れなければ、もう1人の僕は─── 僕は彼とずっと一緒にいられる。……でもそれじゃいけないんだ。もう1人の僕は、心から知りたがっているはずだ。
大切な記憶を)」
僕たちは常に未来に向かってる。それは過去の記憶の積み重ねがあるからなんだ。
でも過去を知らないもう1人の僕は、ずっと立ち止まったまま───
だったら、そんな悲しい事はない。たとえ過去の記憶を取り戻した末に僕らが離れ離れになってしまうとしても、追い求めなくちゃいけないものがある!
「マリク! お前にもう1人の僕の命は奪わせはしない! 僕たちは戦う!」
「『フン、器の分際で随分イキがるね。そのときはお前も死ぬことになる。……まぁいい、また会おう。遊戯……』」
ウジャド眼の消えたパンドラがその場に倒れる。咄嗟に支えた遊戯の背後で、海馬がドアを蹴破った。
「遊戯!」
同時になだれ込んでくる杏子や、モクバと名前、祖父の姿まで目にした遊戯がパッと顔を明るくした。
「みんな!」
「よかった、怪我してない?」
「心配したぞい」
杏子と双六に囲まれる中で、その隙間から名前と目が合う。ホッと息をついて微笑む名前に、遊戯は目が離せなかった。
「遊戯」
威圧的な声に名前から視線を奪われる。海馬の訝しんだ顔を見上げると、遊戯は息を飲んだ。
「このデュエルリングは何だ」
「……グールズが用意した、死のゲーム。僕もこの人も、あと少しで命を落とすところだったんだ」
「なに」
全員が異様なフィールドを見渡す。もう動いてはいないが、あの音の正体がこの回転鋸のものだったと知った全員の背中に冷たいものが走った。
「デュエルに命を賭けるだと、……グールズという連中は、いったい何を企んでいる」
顔を顰める海馬に、名前は表の人格である遊戯に再び目を向けた。なにか意思を固めたようなその口元に、千年秤が僅かに傾いた。
「(……闘いの理由を知ったのね、遊戯)」
***
「待っていろ。小賢しい器もろともお前の魂を闇に葬ってやる」
側に控えていたリシドが顔を上げた。
「神のカードはどうなさいます?」
「海馬瀬人か…… 神のカードには神のカード……だがあの男には相応しい苦痛と死を用意しなければ、僕の気が済まない。
新たなる
「はい」
フードの奥でマリクは目を細めて笑う。
「(まったく、連中は楽しませてくれそうだよ。……僕の
僕が背中に受けた刻印に誓って、貴様らを倒す!)」