/ Domino City side
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「いくぜ! オレの先行だ!
(手札5→6)
場にカードを1枚伏せ
さらに《磁石の戦士α 》(★4・攻/1400 守/1700)守備表示!
(手札6→4)
ターン終了」
「私のターン!
(手札5→6)
《魔道化リジョン》(★4・攻/1300 守/1500)を守備表示!
(手札6→5)
ターンエンドです!」
ポーカーフェイスすら取らないパンドラの顔に、遊戯が目を光らせる。パンドラは既に手にしているブラック・マジシャンをもう一度見て、またその口角を深く上げた。
「(あともう一枚モンスターを場に出せば、生贄召喚によりブラック・マジシャンを召喚できる!)」
「……」
遊戯はそのパンドラの笑みに隠されたカードコントロールの汚いやり口に目を細める。
「オレのターン!」(手札4→5)
ドローしたカードを一瞥すると、遊戯はジッとパンドラのマスクに覆われた眼球を見つめた。なにか企んでいる、……もしくは、もうその企みの一部は達成されている。「フン」と鼻で笑うと、遊戯はドローしたカードを手札に加えることなくディスクに向かわせた。
「魔法 カード《手札抹殺》! プレイヤーは全ての手札を捨てて、捨てた枚数デッキからドローする!
(手札5→4)
アンタもだぜパンドラ!」
「全ての手札を……?!」
明らかに動揺して手札の一点を見つめるパンドラに、遊戯は「やはりな」と吐き捨てるようにに笑った。
「手札にブラック・マジシャンが入ってたようだな。奇術師と聞いて、イカサマを警戒するのは当然のこと。ましてやショットガンシャッフルを平気でかますようなヤツが、カードを大切にするとは思えない。
カードを切り刻むことなど平気でやりそうだと思ったぜ!」
「くっ…… まさかそれを承知で私の仕掛けに乗ってきたのか?!」
震えるパンドラに構うことなく遊戯は手札を墓地に捨てて、デッキから同じ枚数をドローした。そして手加減も待ったもすることなく、ただ鋭い眼光でパンドラを射抜く。
「まだオレのターンは終わっちゃいないぜ! 伏せカードオープン! 《洗脳 -ブレイン・コントロール-》!
《磁石の戦士α 》と《魔道化リジョン》を生け贄に捧げ───
《ブラック・マジシャン》召喚!」
(手札4→3)
「(くっ……! ブラック・マジシャンを先に召喚されてしまったか!)」
壁も伏せカードもない状態で、遊戯の紫の衣のブラック・マジシャンを前にパンドラが目を見張った。
「身を刻まれたカードの痛みを、教えてやろうかパンドラ!」
遊戯の言葉に共鳴するような回転カッターの駆動音がパンドラに襲いかかる。
「危険なゲームを仕掛けてくるなら受けてやるぜ! だがそれ相応の痛みは覚悟しておくんだな。
ブラック・マジシャン! プレイヤーへのダイレクト・アタック!」
***
「うわぁ───!」
今度は膝を折るでは済まされなかった。ダイレクト・アタックに突き飛ばされて尻餅をつく青年を、名前の青い衣の《ブラック・マジシャン》ともう1体の象徴である《魔導法士ジュノン》が見下ろしている。それどころか2体のドルイド達……盾 と矛 が名前を囲むように立っていた。
名前は宣言通り3ターンで青年を倒した。だが青年は先程よりも晴々とした顔で立ち上がり、大きく息を吸う。
「やっぱり強いや、……」
そうこぼした青年がぼろっと涙を落とす。流石に名前もギョッとして駆け寄ると、青年はすぐに袖で拭ってカードを差し出した。
「あなた、……どうして再戦に挑んでくれたの?」
負けるとわかっていて。そう言いかけたがそれは削除した。
「いいんです、負けるってわかってた。それでも僕は挑みたかった。デュエリストの頂点と闘える機会なんてないから……」
青年はなかなかカードを受け取らない名前に、もう一度カードを突き出す。意を決したように2枚のレアカードと1枚のパズルカードを受け取ると、顔を上げて青年の目を見た。
「私が使うかどうかはわからない。でも、大切にするのは約束できる。……いつか取り返しに来てくれること、楽しみに待ってるわ」
これまで何度もクイーンの座について問われてきた。そして遊戯に王座を明け渡した。でもそれが今は正しい事だったと胸を張って言える。
全てのデュエリストと平等なスタートラインに立っているはずなのに、気持ちだけは平等というものを知らなかった。でも、トーナメントでのくじ引きとかそういうのじゃない、この街で誰とでも自由に闘える場を得て、名前は初めて頂点の重みを知ることができた。
遊戯は最初からそれを知っていた。彼が王座に相応しい男だったのだと、王座を明け渡しす運命だったのだと思えてくる。
いつか私も、その高みに返り咲きたい。
名前は4枚になったパズルカードに小さく笑った。
***
遊戯(LP:4000)
パンドラ(LP:1500)
「ぐうぅ───!!! ……ッ! な、ななかなやりますねぇ……!」
マスクの下で目を剥き、荒い息を吐くパンドラに、失ったライフポイントの分だけカッターの刃が死の足を進める。だがパンドラはそれに恐れるでもなく、脂汗を流しながら狂気に笑って見せた。
「でも本当のショーはこれからです!」
(手札5→6)
場にカードを1枚伏せ
さらに《
(手札6→4)
ターン終了」
「私のターン!
(手札5→6)
《魔道化リジョン》(★4・攻/1300 守/1500)を守備表示!
(手札6→5)
ターンエンドです!」
ポーカーフェイスすら取らないパンドラの顔に、遊戯が目を光らせる。パンドラは既に手にしているブラック・マジシャンをもう一度見て、またその口角を深く上げた。
「(あともう一枚モンスターを場に出せば、生贄召喚によりブラック・マジシャンを召喚できる!)」
「……」
遊戯はそのパンドラの笑みに隠されたカードコントロールの汚いやり口に目を細める。
「オレのターン!」(手札4→5)
ドローしたカードを一瞥すると、遊戯はジッとパンドラのマスクに覆われた眼球を見つめた。なにか企んでいる、……もしくは、もうその企みの一部は達成されている。「フン」と鼻で笑うと、遊戯はドローしたカードを手札に加えることなくディスクに向かわせた。
「
(手札5→4)
アンタもだぜパンドラ!」
「全ての手札を……?!」
明らかに動揺して手札の一点を見つめるパンドラに、遊戯は「やはりな」と吐き捨てるようにに笑った。
「手札にブラック・マジシャンが入ってたようだな。奇術師と聞いて、イカサマを警戒するのは当然のこと。ましてやショットガンシャッフルを平気でかますようなヤツが、カードを大切にするとは思えない。
カードを切り刻むことなど平気でやりそうだと思ったぜ!」
「くっ…… まさかそれを承知で私の仕掛けに乗ってきたのか?!」
震えるパンドラに構うことなく遊戯は手札を墓地に捨てて、デッキから同じ枚数をドローした。そして手加減も待ったもすることなく、ただ鋭い眼光でパンドラを射抜く。
「まだオレのターンは終わっちゃいないぜ! 伏せカードオープン! 《洗脳 -ブレイン・コントロール-》!
《
《ブラック・マジシャン》召喚!」
(手札4→3)
「(くっ……! ブラック・マジシャンを先に召喚されてしまったか!)」
壁も伏せカードもない状態で、遊戯の紫の衣のブラック・マジシャンを前にパンドラが目を見張った。
「身を刻まれたカードの痛みを、教えてやろうかパンドラ!」
遊戯の言葉に共鳴するような回転カッターの駆動音がパンドラに襲いかかる。
「危険なゲームを仕掛けてくるなら受けてやるぜ! だがそれ相応の痛みは覚悟しておくんだな。
ブラック・マジシャン! プレイヤーへのダイレクト・アタック!」
***
「うわぁ───!」
今度は膝を折るでは済まされなかった。ダイレクト・アタックに突き飛ばされて尻餅をつく青年を、名前の青い衣の《ブラック・マジシャン》ともう1体の象徴である《魔導法士ジュノン》が見下ろしている。それどころか2体のドルイド達……
名前は宣言通り3ターンで青年を倒した。だが青年は先程よりも晴々とした顔で立ち上がり、大きく息を吸う。
「やっぱり強いや、……」
そうこぼした青年がぼろっと涙を落とす。流石に名前もギョッとして駆け寄ると、青年はすぐに袖で拭ってカードを差し出した。
「あなた、……どうして再戦に挑んでくれたの?」
負けるとわかっていて。そう言いかけたがそれは削除した。
「いいんです、負けるってわかってた。それでも僕は挑みたかった。デュエリストの頂点と闘える機会なんてないから……」
青年はなかなかカードを受け取らない名前に、もう一度カードを突き出す。意を決したように2枚のレアカードと1枚のパズルカードを受け取ると、顔を上げて青年の目を見た。
「私が使うかどうかはわからない。でも、大切にするのは約束できる。……いつか取り返しに来てくれること、楽しみに待ってるわ」
これまで何度もクイーンの座について問われてきた。そして遊戯に王座を明け渡した。でもそれが今は正しい事だったと胸を張って言える。
全てのデュエリストと平等なスタートラインに立っているはずなのに、気持ちだけは平等というものを知らなかった。でも、トーナメントでのくじ引きとかそういうのじゃない、この街で誰とでも自由に闘える場を得て、名前は初めて頂点の重みを知ることができた。
遊戯は最初からそれを知っていた。彼が王座に相応しい男だったのだと、王座を明け渡しす運命だったのだと思えてくる。
いつか私も、その高みに返り咲きたい。
名前は4枚になったパズルカードに小さく笑った。
***
遊戯(LP:4000)
パンドラ(LP:1500)
「ぐうぅ───!!! ……ッ! な、ななかなやりますねぇ……!」
マスクの下で目を剥き、荒い息を吐くパンドラに、失ったライフポイントの分だけカッターの刃が死の足を進める。だがパンドラはそれに恐れるでもなく、脂汗を流しながら狂気に笑って見せた。
「でも本当のショーはこれからです!」