王国編 /2
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「(ワープホール…… とにかく守りを固めるしかない)」
もう一つのワープホール召喚を許せば御伽のモンスターの大群が攻め入ってくる。少しずつでも状況を変えようと、遊戯はダイスを握った。
「ダイスロール!」
レベル3の召喚クレストが揃う。遊戯は残り少ない自陣に“速攻のブラック・ニンジャ レベル3”をディメンション・ダイスする。
「フン…… ブラック・ニンジャ、いいモンスターだ。しかし僕のレア・ブラック・コンボのスピードに勝てるかな?」
御伽は自分のターンに弾き出されたダイスを手に取って見る。途端に口元を釣り上げた。
「出た……! 黒のダイスだ。これがディメンションすればレア・ブラック・コンボが完成する!」
「(まずい! レア・ブラック・コンボが完成したら───!)」
しかし御伽がその召喚クレストを揃える事はできなかった。思わず舌打ちする御伽。……土壇場での引きの運は遊戯に味方した。
遊戯のターン、弾き出されたダイスの中に御伽の言う“黒いダイス”が含まれていたのだ。
「御伽、ひとつだけ見落としてることがあったな。オレの手の中にもあるんだ ───レア・ブラック!」
「なんだと?!」
御伽のコンボは完全に逆手にとられた。遊戯がワープホール召喚に成功させ、ブラック・ニンジャの特殊効果を利用した速攻で御伽の“ガーゴイル”が破壊される。
「(僕がワープのクレストを場に出す前にワープホールを使われてしまった……! ブラック・ニンジャは敏捷性に長けた速攻モンスターだ。進行クレスト1つで3マス移動する。次のターンで僕は確実に攻撃されてしまう……!)」
しかし御伽はここで壁モンスターの召喚に失敗した。流れは完全に遊戯へ傾いている。遊戯は進行クレストを3つ引き当てたのだ。
「ブラック・ニンジャ! ダンジョン・マスター御伽を攻撃だ!」
御伽は“ゴッド・オーガス”を召喚して“ブラック・ニンジャ”を攻撃した。だがそれをもブラック・ニンジャの特殊能力を瞬時に理解し尽くした遊戯によって躱されてしまう。
追い詰められ続けることによって、次第に御伽の中でも遊戯の見方が変わりつつあった。
「(これが初めてDDMをやる人間とは思えない。武藤遊戯…… ひょっとしてこの男なら、イカサマなんか使わずにペガサスを倒せたのかも……)」
「オレのターンだ!」
御伽の思惑の隙間で、遊戯はまたも御伽への直接攻撃に成功する。ライフは逆転した。あと一回の攻撃で遊戯の勝利だ。
「(遊戯! お前の好きにはさせない! この闘いは失いかけた夢をもう一度掴むための闘いなんだ!)」
御伽のターン、ゴッド・オーガスからの攻撃を躱せるクレストプールのストックは無い。遊戯は止むを得ずブラック・ニンジャの撃破を許してしまう。
目の前の驚異が去った事に、冷や汗を流しながらも御伽はやっと息をついた。
「(唯一敵陣に攻め込んでいたモンスターがやられた。敵は3体のモンスターと、正体不明の謎のアイテム。こちらは3体のモンスターのみ…… どうすればいいんだ)」
「僕のターンだよ。間に合うかな遊戯君、僕の攻めは早いよ!」
ゴッド・オーガスの進行先にはあのワープホールがあった。遊戯が最も恐れていたことがついに起こる。
遊戯のモンスター陣の前に、ワープホールを抜けたゴッド・オーガスが立ちはだかった。
「来た! このままではオレの陣地がゴッド・オーガスに制圧されてしまう!」
遊戯のターン、全てのモンスターを集結させてダンジョン・マスターである遊戯の前に並べた。
「モンスターの壁くらいでゴッド・オーガスを防ぐことなんて出来ないよ! 僕のターンだ!」
御伽はゴッド・オーガスの特殊能力により、魔法クレスト2個で攻撃力を4わへアップさせ、遊戯の鉄球魔神ゴロゴーンを撃破する。
「くっ……」
「ま……こんなところかな、遊戯君。」
段々と調子を取り戻し始める御伽に、遊戯は事実追い詰められていた。さっきのワープホール、そしてブラック・ニンジャをディメンションした事で、遊戯の陣地にはもうモンスターを召喚できるスペースは残されていない。
「遊戯君。君のモンスターは残りあと2体だよ。もう召喚できない…… 始めてゲームをした割には頑張ったと褒めてあげるよ。しかしあのデュエル・クイーンですら膝を折った偉大なるデュエリスト、ペガサスにはとても敵わない。」
「(名前……!)」
遊戯が顔を上げる。ふと、放課後に見た彼女の顔が思い出された。
『間に合いそうだったら行きたいけど、……なんて言うか、別の予定もあって。』
ちらりと外野陣を見回す。御伽のファンクラブによるチアガールズ、犬の着ぐるみを着せられた城之内、そして遊戯の側で応援する本田と杏子───…… どう顔を見回しても、そこに一番側にいて欲しい彼女の姿は無い。
「余裕を見せてるんじゃない! まだ終わったわけじゃないぜ! 発明者のくせに忘れたか。リトル・ウィザードは2マス離れた敵にも攻撃できるぜ!」
「特殊魔法攻撃には防御のクレストだ!」
ゴッド・オーガスの守備発動により、リトル・ウィザードの攻撃は跳ね返される。さらに追い込むように、次のターン御伽は魔法クレストを6個も使い、攻撃力を70にまで上げたゴッド・オーガスでリトル・ウィザードを攻撃する。防御クレストを使っても防ぎきれないその攻撃に、遊戯はまたもやなす術なく壁モンスターを撃破たれた。
残る遊戯のモンスターは1体。ゴッド・オーガスを防ぐ手段は残されていない。
「(どうすればいいんだ、このままじゃゲームを通してヤツを納得させる事なんてできない。それどころかもう1人のオレから、デュエルモンスターズを奪ってしまうことになる……!)」
遊戯はダイスを取ることもできず手をつく。その様に御伽は前髪を指に絡めながら腕を組んだ。
もう一つのワープホール召喚を許せば御伽のモンスターの大群が攻め入ってくる。少しずつでも状況を変えようと、遊戯はダイスを握った。
「ダイスロール!」
レベル3の召喚クレストが揃う。遊戯は残り少ない自陣に“速攻のブラック・ニンジャ レベル3”をディメンション・ダイスする。
「フン…… ブラック・ニンジャ、いいモンスターだ。しかし僕のレア・ブラック・コンボのスピードに勝てるかな?」
御伽は自分のターンに弾き出されたダイスを手に取って見る。途端に口元を釣り上げた。
「出た……! 黒のダイスだ。これがディメンションすればレア・ブラック・コンボが完成する!」
「(まずい! レア・ブラック・コンボが完成したら───!)」
しかし御伽がその召喚クレストを揃える事はできなかった。思わず舌打ちする御伽。……土壇場での引きの運は遊戯に味方した。
遊戯のターン、弾き出されたダイスの中に御伽の言う“黒いダイス”が含まれていたのだ。
「御伽、ひとつだけ見落としてることがあったな。オレの手の中にもあるんだ ───レア・ブラック!」
「なんだと?!」
御伽のコンボは完全に逆手にとられた。遊戯がワープホール召喚に成功させ、ブラック・ニンジャの特殊効果を利用した速攻で御伽の“ガーゴイル”が破壊される。
「(僕がワープのクレストを場に出す前にワープホールを使われてしまった……! ブラック・ニンジャは敏捷性に長けた速攻モンスターだ。進行クレスト1つで3マス移動する。次のターンで僕は確実に攻撃されてしまう……!)」
しかし御伽はここで壁モンスターの召喚に失敗した。流れは完全に遊戯へ傾いている。遊戯は進行クレストを3つ引き当てたのだ。
「ブラック・ニンジャ! ダンジョン・マスター御伽を攻撃だ!」
御伽は“ゴッド・オーガス”を召喚して“ブラック・ニンジャ”を攻撃した。だがそれをもブラック・ニンジャの特殊能力を瞬時に理解し尽くした遊戯によって躱されてしまう。
追い詰められ続けることによって、次第に御伽の中でも遊戯の見方が変わりつつあった。
「(これが初めてDDMをやる人間とは思えない。武藤遊戯…… ひょっとしてこの男なら、イカサマなんか使わずにペガサスを倒せたのかも……)」
「オレのターンだ!」
御伽の思惑の隙間で、遊戯はまたも御伽への直接攻撃に成功する。ライフは逆転した。あと一回の攻撃で遊戯の勝利だ。
「(遊戯! お前の好きにはさせない! この闘いは失いかけた夢をもう一度掴むための闘いなんだ!)」
御伽のターン、ゴッド・オーガスからの攻撃を躱せるクレストプールのストックは無い。遊戯は止むを得ずブラック・ニンジャの撃破を許してしまう。
目の前の驚異が去った事に、冷や汗を流しながらも御伽はやっと息をついた。
「(唯一敵陣に攻め込んでいたモンスターがやられた。敵は3体のモンスターと、正体不明の謎のアイテム。こちらは3体のモンスターのみ…… どうすればいいんだ)」
「僕のターンだよ。間に合うかな遊戯君、僕の攻めは早いよ!」
ゴッド・オーガスの進行先にはあのワープホールがあった。遊戯が最も恐れていたことがついに起こる。
遊戯のモンスター陣の前に、ワープホールを抜けたゴッド・オーガスが立ちはだかった。
「来た! このままではオレの陣地がゴッド・オーガスに制圧されてしまう!」
遊戯のターン、全てのモンスターを集結させてダンジョン・マスターである遊戯の前に並べた。
「モンスターの壁くらいでゴッド・オーガスを防ぐことなんて出来ないよ! 僕のターンだ!」
御伽はゴッド・オーガスの特殊能力により、魔法クレスト2個で攻撃力を4わへアップさせ、遊戯の鉄球魔神ゴロゴーンを撃破する。
「くっ……」
「ま……こんなところかな、遊戯君。」
段々と調子を取り戻し始める御伽に、遊戯は事実追い詰められていた。さっきのワープホール、そしてブラック・ニンジャをディメンションした事で、遊戯の陣地にはもうモンスターを召喚できるスペースは残されていない。
「遊戯君。君のモンスターは残りあと2体だよ。もう召喚できない…… 始めてゲームをした割には頑張ったと褒めてあげるよ。しかしあのデュエル・クイーンですら膝を折った偉大なるデュエリスト、ペガサスにはとても敵わない。」
「(名前……!)」
遊戯が顔を上げる。ふと、放課後に見た彼女の顔が思い出された。
『間に合いそうだったら行きたいけど、……なんて言うか、別の予定もあって。』
ちらりと外野陣を見回す。御伽のファンクラブによるチアガールズ、犬の着ぐるみを着せられた城之内、そして遊戯の側で応援する本田と杏子───…… どう顔を見回しても、そこに一番側にいて欲しい彼女の姿は無い。
「余裕を見せてるんじゃない! まだ終わったわけじゃないぜ! 発明者のくせに忘れたか。リトル・ウィザードは2マス離れた敵にも攻撃できるぜ!」
「特殊魔法攻撃には防御のクレストだ!」
ゴッド・オーガスの守備発動により、リトル・ウィザードの攻撃は跳ね返される。さらに追い込むように、次のターン御伽は魔法クレストを6個も使い、攻撃力を70にまで上げたゴッド・オーガスでリトル・ウィザードを攻撃する。防御クレストを使っても防ぎきれないその攻撃に、遊戯はまたもやなす術なく壁モンスターを撃破たれた。
残る遊戯のモンスターは1体。ゴッド・オーガスを防ぐ手段は残されていない。
「(どうすればいいんだ、このままじゃゲームを通してヤツを納得させる事なんてできない。それどころかもう1人のオレから、デュエルモンスターズを奪ってしまうことになる……!)」
遊戯はダイスを取ることもできず手をつく。その様に御伽は前髪を指に絡めながら腕を組んだ。