王国編 /2
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「さてと、手強いモンスターが居なくなったところで、そろそろ反撃させて貰おうかな。」
御伽は手札の1枚を見て口の端を吊り上げる。
「僕はカードを1枚伏せ…… さらに、“スパイク・ヘッド”を召喚!」
“スパイク・ヘッド”(攻/1800 守/1700)
「バトルだ!」
“猛進する剣角獣”を破壊され、やっと城之内が焦り始める。
「がんばってよ城之内!」
「お前! 負けたら御伽の言いなりだぞ! わかってんのか!」
調子に乗っていた城之内に痺れを切らした杏子と本田が檄を飛ばす。
「ゲェ! そうだったぜ! ぐ……そろそろ本気出していくぜ!」
城之内はカードをドローすると、また調子のいい態度に戻る。
「おっしゃあ! この超強力カードで、そんなモンスターイチコロだぜ!」
城之内は“ゴブリン突撃部隊”を召喚、“スパイク・ヘッド”の撃破で御伽のライフを50まで削り追い込む。
「よ〜し御伽! これでテメェのライフはスズメの涙だぜ!」
「いやーん、御伽クーン」と御伽ファンのチアガールズが声を揃えて泣き出す。城之内のフィールドの“ゴブリン突撃部隊”は効果で守備表示に変更された。
「アイツら攻撃が終わると次のターンまで守備表示になっちまうのが欠点だぜ…… だが御伽の残りのライフはたったの50。オレの勝ちは決まりだ! 覚悟しとけ〜! 城之内ガールズ!」
「いや〜! 御伽くんがんばって〜!」
女の子たちは抱き合って城之内を嫌がる。一方で当の御伽は、少しも焦る様子もなく涼しい顔をしていた。遊戯はその冷静さに何かあると直感したが、城之内の目は女の子に向くだけで少しもその違和感に気付けていない。
「城之内君! 油断しないで! 勝負はこれから───
「もう勝負は決まったも同然だぜ!」
───ダメだ……」
城之内は自分を応援する城之内ガールズの妄想に夢中で少しも遊戯の声は届かない。流石に頭を抱える遊戯に、杏子と本田も呆れてものが言えない。
「僕のターンだ。」
***
「大したカードは無さそうだ。」
「じゃあなんで来たの。」
お高そうなカフェから街に出たと思ったら、今度はその辺に見つけたカードショップ。
ショーウィンドウに並ぶレベルのカードだって海馬なら収集済みだろうに、わざわざ来て鼻で笑う趣味があるなら相当いい性格してる。
名前はため息まじりに海馬を横切り、新しいカードパックを手に取る。デッキテーマが固定されているとはいえ、魔法使い族が当たりやすいパックなら面白いカードに出会えるかもしれない。
「どれにし……
「店主。このパックを箱でよこせ。」
「ハイ、毎度あり」
……。」
せっかく買おうと思ったものを横取りされて、海馬は涼しい顔で箱買いしていく。文句くらい言わなければ気が済まないと振り向けば、海馬は精算を済ませた箱を磯野に持たせて名前を見下ろしていた。
「あとで貴様の家に届けさせる。」
「……え?」
「行くぞ。」
「ちょっと待って、え? なにを届けるって?」
「だから、そのカードをだ。」
「箱で???」
「なにか問題でもあるのか。」
……ボックスとカートンの単位の違いわかってる? 喉元まで迫る言葉を飲み込む。プレゼントのつもりなのだろうか。ここまで来ると目眩すら起こしそうになる。
「(カードは自分で買いたいんだけど。)」
「行くぞ。」
今度はどこへ連れて行こうと言うのか。お店の前に停められた車に乗り込むと、もうどうにでもしてくれと諦めるしかなかった。
***
「“超時空戦闘機 ビッグ・バイパー”を攻撃表示で召喚!」
“超時空戦闘機 ビッグ・バイパー”(攻/1200 守/800)
「へ! まだまだ余裕だぜ!」
おそらく本心だろう、城之内はまだ甘く見積もって鼻で笑う。だが御伽は伏せていたカードをめくった。
「魔法カード“リミッター解除”! ビッグ・バイパーをパワーアップ!」
“超時空戦闘機 ビッグ・バイパー”(攻/2400 守/800)
「ゲッ 攻撃力2400…… ゴブリン達が守備表示で助かったぜ!」
「さらに装備魔法“メテオ・ストライク”!」
さらに驚いて後ずさる城之内だったが、聴き慣れない装備魔法に呆けた顔を向ける。
「……って、それはどんな効果のカードなんだ?」
これには御伽も小馬鹿にせざるをえない。
「そんなことも知らないでよく準優勝できたね。……さっき君が使った“猛進する剣角獣”の、魔法カードバージョンさ。」
「それじゃあ……!?」
やっと城之内の態度も一変した。しかしなにもかもが遅い。
「守備モンスターを攻撃したとき、このカードを装備したモンスターの
攻撃力が守備モンスターの守備力を超えていれば、その数値だけ相手のライフポイントにダメージを与えることができるのさ!」
御伽はもういちいち城之内の反応を待ってくれたりはしなかった。“ゴブリン突撃部隊”を撃破され、このターンで城之内のライフは尽きる。
「フフ……」
御伽は手札の1枚を見て口の端を吊り上げる。
「僕はカードを1枚伏せ…… さらに、“スパイク・ヘッド”を召喚!」
“スパイク・ヘッド”(攻/1800 守/1700)
「バトルだ!」
“猛進する剣角獣”を破壊され、やっと城之内が焦り始める。
「がんばってよ城之内!」
「お前! 負けたら御伽の言いなりだぞ! わかってんのか!」
調子に乗っていた城之内に痺れを切らした杏子と本田が檄を飛ばす。
「ゲェ! そうだったぜ! ぐ……そろそろ本気出していくぜ!」
城之内はカードをドローすると、また調子のいい態度に戻る。
「おっしゃあ! この超強力カードで、そんなモンスターイチコロだぜ!」
城之内は“ゴブリン突撃部隊”を召喚、“スパイク・ヘッド”の撃破で御伽のライフを50まで削り追い込む。
「よ〜し御伽! これでテメェのライフはスズメの涙だぜ!」
「いやーん、御伽クーン」と御伽ファンのチアガールズが声を揃えて泣き出す。城之内のフィールドの“ゴブリン突撃部隊”は効果で守備表示に変更された。
「アイツら攻撃が終わると次のターンまで守備表示になっちまうのが欠点だぜ…… だが御伽の残りのライフはたったの50。オレの勝ちは決まりだ! 覚悟しとけ〜! 城之内ガールズ!」
「いや〜! 御伽くんがんばって〜!」
女の子たちは抱き合って城之内を嫌がる。一方で当の御伽は、少しも焦る様子もなく涼しい顔をしていた。遊戯はその冷静さに何かあると直感したが、城之内の目は女の子に向くだけで少しもその違和感に気付けていない。
「城之内君! 油断しないで! 勝負はこれから───
「もう勝負は決まったも同然だぜ!」
───ダメだ……」
城之内は自分を応援する城之内ガールズの妄想に夢中で少しも遊戯の声は届かない。流石に頭を抱える遊戯に、杏子と本田も呆れてものが言えない。
「僕のターンだ。」
***
「大したカードは無さそうだ。」
「じゃあなんで来たの。」
お高そうなカフェから街に出たと思ったら、今度はその辺に見つけたカードショップ。
ショーウィンドウに並ぶレベルのカードだって海馬なら収集済みだろうに、わざわざ来て鼻で笑う趣味があるなら相当いい性格してる。
名前はため息まじりに海馬を横切り、新しいカードパックを手に取る。デッキテーマが固定されているとはいえ、魔法使い族が当たりやすいパックなら面白いカードに出会えるかもしれない。
「どれにし……
「店主。このパックを箱でよこせ。」
「ハイ、毎度あり」
……。」
せっかく買おうと思ったものを横取りされて、海馬は涼しい顔で箱買いしていく。文句くらい言わなければ気が済まないと振り向けば、海馬は精算を済ませた箱を磯野に持たせて名前を見下ろしていた。
「あとで貴様の家に届けさせる。」
「……え?」
「行くぞ。」
「ちょっと待って、え? なにを届けるって?」
「だから、そのカードをだ。」
「箱で???」
「なにか問題でもあるのか。」
……ボックスとカートンの単位の違いわかってる? 喉元まで迫る言葉を飲み込む。プレゼントのつもりなのだろうか。ここまで来ると目眩すら起こしそうになる。
「(カードは自分で買いたいんだけど。)」
「行くぞ。」
今度はどこへ連れて行こうと言うのか。お店の前に停められた車に乗り込むと、もうどうにでもしてくれと諦めるしかなかった。
***
「“超時空戦闘機 ビッグ・バイパー”を攻撃表示で召喚!」
“超時空戦闘機 ビッグ・バイパー”(攻/1200 守/800)
「へ! まだまだ余裕だぜ!」
おそらく本心だろう、城之内はまだ甘く見積もって鼻で笑う。だが御伽は伏せていたカードをめくった。
「魔法カード“リミッター解除”! ビッグ・バイパーをパワーアップ!」
“超時空戦闘機 ビッグ・バイパー”(攻/2400 守/800)
「ゲッ 攻撃力2400…… ゴブリン達が守備表示で助かったぜ!」
「さらに装備魔法“メテオ・ストライク”!」
さらに驚いて後ずさる城之内だったが、聴き慣れない装備魔法に呆けた顔を向ける。
「……って、それはどんな効果のカードなんだ?」
これには御伽も小馬鹿にせざるをえない。
「そんなことも知らないでよく準優勝できたね。……さっき君が使った“猛進する剣角獣”の、魔法カードバージョンさ。」
「それじゃあ……!?」
やっと城之内の態度も一変した。しかしなにもかもが遅い。
「守備モンスターを攻撃したとき、このカードを装備したモンスターの
攻撃力が守備モンスターの守備力を超えていれば、その数値だけ相手のライフポイントにダメージを与えることができるのさ!」
御伽はもういちいち城之内の反応を待ってくれたりはしなかった。“ゴブリン突撃部隊”を撃破され、このターンで城之内のライフは尽きる。
「フフ……」