王国編 /2
名前変換
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城内に入り、ただ暗闇だけが広がる中を4人は進んでいた。
そこに突然天井がひらけ、亜空間のような切れ目から眩い光と共にブルーアイズが頭を覗かせる。
「ブルーアイズ!」
名前が一目散に駆け寄ると、そこに海馬とモクバが飛び降りた。
「海馬! モクバ! 無事だったのか!」
遊戯もそれを見て駆け寄った。だが海馬はまず目の前に立つ名前を、まるで品定めするかのような目で見る。
「なんだその格好は。」
「は? え、…………ハッ!」
忘れていた。それなりに露出度の高い格好だということを。名前は突然張り詰めていた緊張感を崩して我に返り、しゃがみ込むなりマントで体を覆った。
「ち、違うの! 好きでこんな格好してるわけじゃ……」
「フン、べつに悪くはない。」
「はァ?! 趣味悪いんじゃないの?!」
涙目であたふたする名前を、舞がニヤニヤ笑って眺めている。城之内も恥ずかしいような気まずいような顔で頭を掻いているが、遊戯だけはふてくされた様に口を曲げていた。
「そこの負け犬衣装よりはマシだ。」
「ンだとテメェ! 誰のおかげで……!」
話を逸らすように海馬が城之内をあしらうと、城之内の反論より先に地の底から男達の笑い声が響きはじめた。
警戒するように名前も立ち上がると、海馬以外の5人は辺りを見回す。だが海馬だけはしっかりと前を見据え堂々としていた。
「フフフ…… よくぞここまで来たな。」
「フッ… オレを生け贄にする事は失敗した!」
「海馬瀬人! ……な、なぜここに!」
ビッグ5の笑い声は途切れ、1人の声が狼狽える。
「これで“ファイブ・ゴッド・ドラゴン”が復活する事はない! このゲームはここでクリアだ!」
だがその海馬の強気な声に、ビッグ5の声がハイそうですと応えるはずもなかった。1人の声が喉の奥で笑うと、城内の石柱が並ぶ空間は電子板に挟まれたようなフィールドへと変化した。
「なに?!」
「そうはさせませんよ」
「その通り!」
突然のフィールド変化に驚く中で、さらに驚くべき事が目の前に広がった。
ビッグ5ら自らが生け贄となり、その5つの首をもつドラゴンは遊戯達の前に召喚されたのだ。
「ちょっと! 儀式魔法が必要なはずよ!」
「そんなもの、私たちが開発したゲーム世界で守る必要があるとでも思っていたのか!」
ドラゴンの首のひとつがそう答えた。ビッグ5はまさに一心同体となって海馬に立ちはだかる。名前が険しい顔でデッキの残数を視界にとらえる中で、舞が先手を取ろうとした。
だが召喚したハーピィ・レディースは動きが止められ、飛行モンスターである彼女達ですら地面に伏した。
「フフフ……愚かな! お前達の足元を見るがいい!」
「…! これは、“ロード・オブ・ドラゴン”!」
遊戯が言う通り、フィールドにはロード・オブ・ドラゴンが浮かび上がっていた。ビッグ5がこれから言わんとしていることをその場の全員が悟る。
「そう! ここはドラゴンの聖域。ドラゴン族以外のモンスターが闘うことは出来ないのです! ……おや、クイーンは顔色が悪いようですねぇ。」
遊戯がハッとして名前を見ると、確かに名前は青ざめた顔を顰めていた。まさかと思う中で、ビッグ5は勝ち誇ったようにさらに笑い合う。
「そう! 苗字名前はドラゴン族1枚持っていない! ハハハ、傑作じゃないか! デュエルクイーンが今ではただのお荷物ときた!」
薄い皮膚に食い込むほど名前は唇を噛んだ。ゲーム世界で血が流れることはないが、それでもデュエルディスクに触れる手は震える。
「フフフ…… ハハハハハハッ!」
突然高らかに笑い出す海馬に、名前は驚いて振り向く。
「ドラゴン族でオレと勝負すると言うのか。ならば名前の手助けなど端から不要! 貴様らのその意気込みだけ褒めてやる!」
「海馬……」
「いでよ! “青眼の白龍 ”!」
海馬は名前が何か言うのを遮るように、ブルーアイズを召喚した。
「おっしゃあオレもいくぜ! “レッドアイズ”!」
続くように城之内がレッドアイズを、舞が“ハーピィズ・ペット・ドラゴン”、遊戯が“カース・オブ・ドラゴン”をそれぞれ召喚する。ファイブ・ゴッド・ドラゴンの前には、4体のドラゴンが並んだ。
“青眼の白龍 ”(攻/3000 守/2500)
“真紅眼の黒龍 ”(攻/2400 守/2000)
“ハーピィズ・ペット・ドラゴン”(攻/2000 守/2500)
“カース・オブ・ドラゴン”(攻/2000 守/1500)
「「「いくぜ!」」」いくわよ!」
一斉に攻撃を向けたところで、ファイブ・ゴッド・ドラゴンの4つの首も応戦するとこの攻撃はかき消されてしまう。あの5つの首がそれぞれに独立していると分かったときには、ビッグ5の笑い声はすでに狙いを定めていた。
「フフフフフ…… まだ一体こちらの攻撃が残っているぞ!」
「まずは見せしめだ!」
視線の先に、4人が背中に庇っていた名前とモクバが映っている。どちらを選ぶにせよ2人に壁モンスターはいない。だがビッグ5は非情にもモクバを選んだ。
「ハハハハハハ! 消えろ、モクバ!!!」
そこに突然天井がひらけ、亜空間のような切れ目から眩い光と共にブルーアイズが頭を覗かせる。
「ブルーアイズ!」
名前が一目散に駆け寄ると、そこに海馬とモクバが飛び降りた。
「海馬! モクバ! 無事だったのか!」
遊戯もそれを見て駆け寄った。だが海馬はまず目の前に立つ名前を、まるで品定めするかのような目で見る。
「なんだその格好は。」
「は? え、…………ハッ!」
忘れていた。それなりに露出度の高い格好だということを。名前は突然張り詰めていた緊張感を崩して我に返り、しゃがみ込むなりマントで体を覆った。
「ち、違うの! 好きでこんな格好してるわけじゃ……」
「フン、べつに悪くはない。」
「はァ?! 趣味悪いんじゃないの?!」
涙目であたふたする名前を、舞がニヤニヤ笑って眺めている。城之内も恥ずかしいような気まずいような顔で頭を掻いているが、遊戯だけはふてくされた様に口を曲げていた。
「そこの負け犬衣装よりはマシだ。」
「ンだとテメェ! 誰のおかげで……!」
話を逸らすように海馬が城之内をあしらうと、城之内の反論より先に地の底から男達の笑い声が響きはじめた。
警戒するように名前も立ち上がると、海馬以外の5人は辺りを見回す。だが海馬だけはしっかりと前を見据え堂々としていた。
「フフフ…… よくぞここまで来たな。」
「フッ… オレを生け贄にする事は失敗した!」
「海馬瀬人! ……な、なぜここに!」
ビッグ5の笑い声は途切れ、1人の声が狼狽える。
「これで“ファイブ・ゴッド・ドラゴン”が復活する事はない! このゲームはここでクリアだ!」
だがその海馬の強気な声に、ビッグ5の声がハイそうですと応えるはずもなかった。1人の声が喉の奥で笑うと、城内の石柱が並ぶ空間は電子板に挟まれたようなフィールドへと変化した。
「なに?!」
「そうはさせませんよ」
「その通り!」
突然のフィールド変化に驚く中で、さらに驚くべき事が目の前に広がった。
ビッグ5ら自らが生け贄となり、その5つの首をもつドラゴンは遊戯達の前に召喚されたのだ。
「ちょっと! 儀式魔法が必要なはずよ!」
「そんなもの、私たちが開発したゲーム世界で守る必要があるとでも思っていたのか!」
ドラゴンの首のひとつがそう答えた。ビッグ5はまさに一心同体となって海馬に立ちはだかる。名前が険しい顔でデッキの残数を視界にとらえる中で、舞が先手を取ろうとした。
だが召喚したハーピィ・レディースは動きが止められ、飛行モンスターである彼女達ですら地面に伏した。
「フフフ……愚かな! お前達の足元を見るがいい!」
「…! これは、“ロード・オブ・ドラゴン”!」
遊戯が言う通り、フィールドにはロード・オブ・ドラゴンが浮かび上がっていた。ビッグ5がこれから言わんとしていることをその場の全員が悟る。
「そう! ここはドラゴンの聖域。ドラゴン族以外のモンスターが闘うことは出来ないのです! ……おや、クイーンは顔色が悪いようですねぇ。」
遊戯がハッとして名前を見ると、確かに名前は青ざめた顔を顰めていた。まさかと思う中で、ビッグ5は勝ち誇ったようにさらに笑い合う。
「そう! 苗字名前はドラゴン族1枚持っていない! ハハハ、傑作じゃないか! デュエルクイーンが今ではただのお荷物ときた!」
薄い皮膚に食い込むほど名前は唇を噛んだ。ゲーム世界で血が流れることはないが、それでもデュエルディスクに触れる手は震える。
「フフフ…… ハハハハハハッ!」
突然高らかに笑い出す海馬に、名前は驚いて振り向く。
「ドラゴン族でオレと勝負すると言うのか。ならば名前の手助けなど端から不要! 貴様らのその意気込みだけ褒めてやる!」
「海馬……」
「いでよ! “
海馬は名前が何か言うのを遮るように、ブルーアイズを召喚した。
「おっしゃあオレもいくぜ! “レッドアイズ”!」
続くように城之内がレッドアイズを、舞が“ハーピィズ・ペット・ドラゴン”、遊戯が“カース・オブ・ドラゴン”をそれぞれ召喚する。ファイブ・ゴッド・ドラゴンの前には、4体のドラゴンが並んだ。
“
“
“ハーピィズ・ペット・ドラゴン”(攻/2000 守/2500)
“カース・オブ・ドラゴン”(攻/2000 守/1500)
「「「いくぜ!」」」いくわよ!」
一斉に攻撃を向けたところで、ファイブ・ゴッド・ドラゴンの4つの首も応戦するとこの攻撃はかき消されてしまう。あの5つの首がそれぞれに独立していると分かったときには、ビッグ5の笑い声はすでに狙いを定めていた。
「フフフフフ…… まだ一体こちらの攻撃が残っているぞ!」
「まずは見せしめだ!」
視線の先に、4人が背中に庇っていた名前とモクバが映っている。どちらを選ぶにせよ2人に壁モンスターはいない。だがビッグ5は非情にもモクバを選んだ。
「ハハハハハハ! 消えろ、モクバ!!!」