王国編 /1
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デュエルフィールドから、舞のハーピーレディが全滅し、彼女のライフは尽きる。対峙する大男がアンティのスターチップを強要すると、舞は顔をしかめて8個すべてのチップをデスクに落とした。
そこに遊戯や城之内に続いて、名前も走り寄って来た。
「舞さん!!!」
「無事か?!舞!」
「遊戯…」
大男はあざ笑うように遊戯達を見下ろした。
「ほっほー、これは手間が省けた。獲物の方からノコノコとやって来てくれたぜぇ!」
「気をつけて!コイツは島を徘徊してスターチップを奪うプレイヤーキラーよ!」
「プレイヤーキラー?!」
舞が遊戯達に勧告している所に男が歩み寄ると、舞のグローブをしている方の腕を掴んで持ち上げた。
「遊戯!貴様もこの女同様 失格者にしてやる! オレと勝負しろ!」
「失格…? まさか」
「遊戯、私はこれまでだよ。あんたと戦う夢は、叶わなかった…」
舞が悔しそうに、どこか諦めた顔を背ける。舞のグローブからはスターチップがなくなっていた。
「プレイヤー・キラー」
後ろで聞いていた名前が口を開き、遊戯達が視線を送る。
「…貴方、ペガサスの差し金ではないわね。」
「…!? 差し金ではない…?」
腕を組んだ名前が男を睨みつけるが、遊戯が名前の言動に反応する。
「ふっふ。クイーンがなぜこんな連中と同行しているんだ。貴様、ペガサス様を裏切るわけではあるまいな。」
「ペガサスを裏切るって…?」
遊戯が名前を見ると、本田が名前から半歩程引き下がった。
「お前!やっぱりペガサスの仲間だったのか…?!」
「チッ だがプレイヤーキラーが遊戯と戦うなどペガサスの意向に反するわ。」
腕を振り下ろして男に食って掛かる。
「ああ。俺たちはお前と違ってペガサス様の命ではなく、インダストリアル・イリュージョン社の意向で放たれている。たかが子供の貴様らに ペガサス様のお手を煩わせるわけにはいかない。それに、ノコノコと仲間ごっこにいそしむクイーンなど、こちらももう用済みというもの。」
「貴様ァ! 」
名前が眉間にしわを寄せて反吐が出ると言いたげな険しい顔で拳に力を入れる。紫の瞳が赤みを帯び、ブラック・マジシャンが現れて名前の後ろに構える。
「私を怒らせた事後悔させてやるわ。」
「さっ名前?!」
「な、っなに!?」
城之内や杏子、本田、舞がモンスターが現れた事に驚き、遊戯がハッとして名前の前に駆け寄ると手を広げて制止した。
「ま!まって名前、ブラック・マジシャン!コイツを倒すのは僕がやる! 本田君も城之内君も誤解しないで!名前は僕たちの仲間だ。デュエルモンスターズの魔術師達に本当に愛されている名前が、こんな汚い奴らと仲間のわけが無いだろう!」
遊戯が必死に名前をかばうのを見て、城之内や本田、名前も少し力を抜く。
「遊戯…」
「遊戯、…どうして。私は貴方からブラック・マジシャンを奪おうとした事だってあるのよ」
名前が少し困惑した顔で、目の前に居る表の人格の遊戯を見る。ブラック・マジシャンも戦闘態勢は解いたものの、名前の後ろに寄り添って立った。遊戯はそれを見て笑って、名前に向き直った。
「もう1人の僕が、君の事をとても心配していたんだ。それは僕も同じさ。君は千年アイテムの力を使った時、とても苦しそうにしていたし、いつも体力を消費していたね。それは君に、闇の人格どころか、闇の力が無い事を意味するんじゃないかな。」
遊戯が名前を見上げて微笑むと、険しかった名前の顔からは既に毒気が抜け、すこし驚いたような顔をしていた。遊戯はキッと相手の大男に向き直ると、歩み寄っていく。
遊戯の千年パズルが光り、闇の人格が現れて男と対峙する。
「安心しな、舞!このデカイヤツを倒して、スターチップを奪い返してやるぜ!」
遊戯がデュエルフィールドにあがると、城之内達が応援の声をかける。相手の大男も不適な笑い声を上げながらデュエルフィールドに上がってくると、遊戯を一瞥する。
「今この島では、俺たちプレイヤー・キラーがデュエリスト達を探している。武藤遊戯、お前を捜す事が最優先指令なのでな。…まったくオレは運がいいぜェ」
「フン。怪しげなモノマネ師が現れた時から、そんな事は分かっていた。お前達の汚いやり口にはうんざりだぜ!」
大男が遊戯に指を指して笑う。
「だが貴様はこれで終わりだ!」
「その言葉、そのまま返してやるぜ! 」
遊戯は冷静に腕を組んだまま男に向かい合う。
「オレは負けない! ペガサスを倒すのはこのオレだ!」
「粋がるのも今のうちだ。貴様はオレには勝てぬわ!」
城之内達の後ろで、名前が腕を組んで遊戯を見上げる。ブラック・マジシャンも名前の体内に戻り消えていた。
「…この闇がある限りな」
男がニタニタと嫌な含み笑いを顔に下げ、闇夜に包まれる。
「…! 闇?」
遊戯が一瞬困惑する。舞が乗り出して声を上げた。
「遊戯!気をつけて、そいつは…!」
「フッヒヒ…この島ではな、闇夜はデュエリストに、安息をもたらすものではない。油断すれば闇が容赦なく襲いかかるのだ。…そしてあの女のように、惨めに敗退していくのさ ひっひひひ…」
舞が悔しそうにデュエルフィールド上の男を睨む。
後ろで腕を組んでみていた名前が鼻で笑うと、大男が見た。
「ふん、暗闇にまぎれて不意打ちを掛けるのは臆病者のする事よ。プレイヤー・キラーが聞いて飽きれるわ!」
「そうさ。そんなヤツが、デュエリストの誇りに傷をつけたらどうなるか、オレが思い知らせてやる!」
「なんだと…! くっ、クイーンがいい気になりやがって。武藤遊戯を倒したら、次はお前だからな!苗字名前」
小馬鹿にされて声を荒げる大男に、名前はさらに鼻で笑いながら続ける。
「お前では私に勝てない。そして遊戯にもね。」
「そうさ! 言っただろ、貴様を倒すのはオレだ!!!」
遊戯はグローブをした手を握りしめる。
「オレはこの勝負、スターチップ6個を全賭けするぜ!」
「ふざけるな! あの女から奪ったスターチップは8つ。オレはそれを全部賭ける。」
「なに…?!」
大男のデュエルテーブルから引き出し上に収納されたスイッチが自動で出てくると、男はためらい無くそれを押した。
「足りない2個分は…、コイツで補ってもらうぜ!」
遊戯の足下にかせのようなマシーンが現れると、その足をがっちりと掴んだ。それと同時に火炎放射器が遊戯の両サイドから出現し、遊戯を少し外して炎が放たれる。
「なに?!」
「遊戯!!!」
「デュエルフィールドにこんな仕掛けが…!」
「下衆が!」
城之内、舞、名前が声を荒げる。
「ふはははは! これで対等だ。このデュウルに負けた時、地獄の闇から炎が襲いかかるのだ!」
炎が途切れると、遊戯が体制を体直す。
「おおっと、今のは狙いを外してやっただけだ。オレはいつでもお前を葬る事が出来るのだ。逃げたりなんて考えない方がいいぜ!」
杏子や城之内、本田がさらに乗り出して声を荒げた。
「そんなのめちゃくちゃだわ!」
「冗談じゃないぜ! 遊戯! そんな条件、受けるこたァねぇぜ!」
「そうだ遊戯! こんなのデュエルじゃねぇ!!」
遊戯は決意の固い目で男を睨んでいる。
「いいだろぅ!受けてやるぜ!!!」
「「「!!!!」」」
「…遊戯」
「オレは貴様に勝つ! そして貴様の薄汚れた心をたたき直してやるぜ!」
「ふっはははは! 御託を並べるのは勝ってからにするんだな! …いくぞ遊戯」
「「デュエル!!!」」
「遊戯…」
「(これはデュエリストの誇りに賭けた戦い…。頑張って、…闇の人格の遊戯)」
先攻の男が手札に手を伸ばす。
「闇の恐ろしさ、思い知らせてやるぜ。オレのカード…」
闇晦ましの城!(攻920/守1930)
「さらに闇のフィールドソースでパワーアップ!(攻1196/守2509)
「こ、これは…!」
遊戯の目の前が黒く霞んでゆく。男は闇にまぎれて姿を消した。
「さーぁ、闇が訪れるぞぉ。…このカードは闇を生み出すのだ。さぁ、どうする??」
男のフィールドは闇で覆われ、何が出されているかも分からなくなってしまう。
「これじゃあ、敵のカードも、モンスターさえ見る事が出来ない…」
男の不適な笑いだけがこだまする。
「遊戯きをつけて! 私のハーピィもその闇にやられたのよ!!!」
「なんだって」
舞が遊戯に勧告するが、遊戯にも解決策が見えずに居た。
遊戯は慎重に、エルフの剣士を守備表示で召喚する。
エルフの剣士(攻1400/守1200)
男がカードを出してもそれがなんなのか見えない。そしてその動向や戦略すら読めずに居た。
男のターン、新しくモンスターを召喚し、エルフの剣士は闇に飲まれて撃破されてしまう。
「…遊戯ィ。」
「チクショウ、あんな攻撃、汚すぎるぜ」
「…みんな、遊戯を信じるしか無いわ。いまはそれしか。」
名前が静かに言うと、本田や城之内が食って掛かる。
「わかってるけどよォ」
「だいたいおめぇがまだあっちの仲間じゃねぇかもわからねェのに」
杏子が名前と本田の間に割り込む。
「ちょっと! 名前ちゃんは私たちの仲間よ! 遊戯だってそう言ってたじゃない」
「フン。いいのよ、真崎さん。私は疑われて当然の事しか貴方達にして来なかった。でも、そっちが本当に遊戯の親友なら、外野で遊戯に指図してないでだまって信じてあげるのが当然じゃないかしら。」
「んだとてぇんめぇー!」
「城之内!!!」
食って掛かりそうになる城之内を杏子と本田がなだめると、名前は鼻で笑ってそっぽを向いた。
「で、でも名前ちゃんの言う通りだよ。今は遊戯君を信じよう」
獏良が遊戯に視線を送る。
遊戯は険しい顔で相手のフィールドに目を凝らしていた。
遊戯は砦を守る翼竜を守備表示で召喚するが、男は攻撃をせずにもう一体のモンスターを闇の中に召喚する。
「暗闇なら照らせばいい…よし、一か八かだ!」
遊戯は砦を守る翼竜を攻撃表示にすると、闇に向かって炎を吐かせた。
「火球の礫!!!」
暗闇の所為で目標が定まらずに外したものの、光でモンスターが照らされてその姿が一瞬現れた。
「見えた!」
「ふっはっはっは!残念だったな!闇雲に攻撃しても、オレのモンスターは倒せんぞ!」
ダーク・アブソリュート!
そこに遊戯や城之内に続いて、名前も走り寄って来た。
「舞さん!!!」
「無事か?!舞!」
「遊戯…」
大男はあざ笑うように遊戯達を見下ろした。
「ほっほー、これは手間が省けた。獲物の方からノコノコとやって来てくれたぜぇ!」
「気をつけて!コイツは島を徘徊してスターチップを奪うプレイヤーキラーよ!」
「プレイヤーキラー?!」
舞が遊戯達に勧告している所に男が歩み寄ると、舞のグローブをしている方の腕を掴んで持ち上げた。
「遊戯!貴様もこの女同様 失格者にしてやる! オレと勝負しろ!」
「失格…? まさか」
「遊戯、私はこれまでだよ。あんたと戦う夢は、叶わなかった…」
舞が悔しそうに、どこか諦めた顔を背ける。舞のグローブからはスターチップがなくなっていた。
「プレイヤー・キラー」
後ろで聞いていた名前が口を開き、遊戯達が視線を送る。
「…貴方、ペガサスの差し金ではないわね。」
「…!? 差し金ではない…?」
腕を組んだ名前が男を睨みつけるが、遊戯が名前の言動に反応する。
「ふっふ。クイーンがなぜこんな連中と同行しているんだ。貴様、ペガサス様を裏切るわけではあるまいな。」
「ペガサスを裏切るって…?」
遊戯が名前を見ると、本田が名前から半歩程引き下がった。
「お前!やっぱりペガサスの仲間だったのか…?!」
「チッ だがプレイヤーキラーが遊戯と戦うなどペガサスの意向に反するわ。」
腕を振り下ろして男に食って掛かる。
「ああ。俺たちはお前と違ってペガサス様の命ではなく、インダストリアル・イリュージョン社の意向で放たれている。たかが子供の貴様らに ペガサス様のお手を煩わせるわけにはいかない。それに、ノコノコと仲間ごっこにいそしむクイーンなど、こちらももう用済みというもの。」
「貴様ァ! 」
名前が眉間にしわを寄せて反吐が出ると言いたげな険しい顔で拳に力を入れる。紫の瞳が赤みを帯び、ブラック・マジシャンが現れて名前の後ろに構える。
「私を怒らせた事後悔させてやるわ。」
「さっ名前?!」
「な、っなに!?」
城之内や杏子、本田、舞がモンスターが現れた事に驚き、遊戯がハッとして名前の前に駆け寄ると手を広げて制止した。
「ま!まって名前、ブラック・マジシャン!コイツを倒すのは僕がやる! 本田君も城之内君も誤解しないで!名前は僕たちの仲間だ。デュエルモンスターズの魔術師達に本当に愛されている名前が、こんな汚い奴らと仲間のわけが無いだろう!」
遊戯が必死に名前をかばうのを見て、城之内や本田、名前も少し力を抜く。
「遊戯…」
「遊戯、…どうして。私は貴方からブラック・マジシャンを奪おうとした事だってあるのよ」
名前が少し困惑した顔で、目の前に居る表の人格の遊戯を見る。ブラック・マジシャンも戦闘態勢は解いたものの、名前の後ろに寄り添って立った。遊戯はそれを見て笑って、名前に向き直った。
「もう1人の僕が、君の事をとても心配していたんだ。それは僕も同じさ。君は千年アイテムの力を使った時、とても苦しそうにしていたし、いつも体力を消費していたね。それは君に、闇の人格どころか、闇の力が無い事を意味するんじゃないかな。」
遊戯が名前を見上げて微笑むと、険しかった名前の顔からは既に毒気が抜け、すこし驚いたような顔をしていた。遊戯はキッと相手の大男に向き直ると、歩み寄っていく。
遊戯の千年パズルが光り、闇の人格が現れて男と対峙する。
「安心しな、舞!このデカイヤツを倒して、スターチップを奪い返してやるぜ!」
遊戯がデュエルフィールドにあがると、城之内達が応援の声をかける。相手の大男も不適な笑い声を上げながらデュエルフィールドに上がってくると、遊戯を一瞥する。
「今この島では、俺たちプレイヤー・キラーがデュエリスト達を探している。武藤遊戯、お前を捜す事が最優先指令なのでな。…まったくオレは運がいいぜェ」
「フン。怪しげなモノマネ師が現れた時から、そんな事は分かっていた。お前達の汚いやり口にはうんざりだぜ!」
大男が遊戯に指を指して笑う。
「だが貴様はこれで終わりだ!」
「その言葉、そのまま返してやるぜ! 」
遊戯は冷静に腕を組んだまま男に向かい合う。
「オレは負けない! ペガサスを倒すのはこのオレだ!」
「粋がるのも今のうちだ。貴様はオレには勝てぬわ!」
城之内達の後ろで、名前が腕を組んで遊戯を見上げる。ブラック・マジシャンも名前の体内に戻り消えていた。
「…この闇がある限りな」
男がニタニタと嫌な含み笑いを顔に下げ、闇夜に包まれる。
「…! 闇?」
遊戯が一瞬困惑する。舞が乗り出して声を上げた。
「遊戯!気をつけて、そいつは…!」
「フッヒヒ…この島ではな、闇夜はデュエリストに、安息をもたらすものではない。油断すれば闇が容赦なく襲いかかるのだ。…そしてあの女のように、惨めに敗退していくのさ ひっひひひ…」
舞が悔しそうにデュエルフィールド上の男を睨む。
後ろで腕を組んでみていた名前が鼻で笑うと、大男が見た。
「ふん、暗闇にまぎれて不意打ちを掛けるのは臆病者のする事よ。プレイヤー・キラーが聞いて飽きれるわ!」
「そうさ。そんなヤツが、デュエリストの誇りに傷をつけたらどうなるか、オレが思い知らせてやる!」
「なんだと…! くっ、クイーンがいい気になりやがって。武藤遊戯を倒したら、次はお前だからな!苗字名前」
小馬鹿にされて声を荒げる大男に、名前はさらに鼻で笑いながら続ける。
「お前では私に勝てない。そして遊戯にもね。」
「そうさ! 言っただろ、貴様を倒すのはオレだ!!!」
遊戯はグローブをした手を握りしめる。
「オレはこの勝負、スターチップ6個を全賭けするぜ!」
「ふざけるな! あの女から奪ったスターチップは8つ。オレはそれを全部賭ける。」
「なに…?!」
大男のデュエルテーブルから引き出し上に収納されたスイッチが自動で出てくると、男はためらい無くそれを押した。
「足りない2個分は…、コイツで補ってもらうぜ!」
遊戯の足下にかせのようなマシーンが現れると、その足をがっちりと掴んだ。それと同時に火炎放射器が遊戯の両サイドから出現し、遊戯を少し外して炎が放たれる。
「なに?!」
「遊戯!!!」
「デュエルフィールドにこんな仕掛けが…!」
「下衆が!」
城之内、舞、名前が声を荒げる。
「ふはははは! これで対等だ。このデュウルに負けた時、地獄の闇から炎が襲いかかるのだ!」
炎が途切れると、遊戯が体制を体直す。
「おおっと、今のは狙いを外してやっただけだ。オレはいつでもお前を葬る事が出来るのだ。逃げたりなんて考えない方がいいぜ!」
杏子や城之内、本田がさらに乗り出して声を荒げた。
「そんなのめちゃくちゃだわ!」
「冗談じゃないぜ! 遊戯! そんな条件、受けるこたァねぇぜ!」
「そうだ遊戯! こんなのデュエルじゃねぇ!!」
遊戯は決意の固い目で男を睨んでいる。
「いいだろぅ!受けてやるぜ!!!」
「「「!!!!」」」
「…遊戯」
「オレは貴様に勝つ! そして貴様の薄汚れた心をたたき直してやるぜ!」
「ふっはははは! 御託を並べるのは勝ってからにするんだな! …いくぞ遊戯」
「「デュエル!!!」」
「遊戯…」
「(これはデュエリストの誇りに賭けた戦い…。頑張って、…闇の人格の遊戯)」
先攻の男が手札に手を伸ばす。
「闇の恐ろしさ、思い知らせてやるぜ。オレのカード…」
闇晦ましの城!(攻920/守1930)
「さらに闇のフィールドソースでパワーアップ!(攻1196/守2509)
「こ、これは…!」
遊戯の目の前が黒く霞んでゆく。男は闇にまぎれて姿を消した。
「さーぁ、闇が訪れるぞぉ。…このカードは闇を生み出すのだ。さぁ、どうする??」
男のフィールドは闇で覆われ、何が出されているかも分からなくなってしまう。
「これじゃあ、敵のカードも、モンスターさえ見る事が出来ない…」
男の不適な笑いだけがこだまする。
「遊戯きをつけて! 私のハーピィもその闇にやられたのよ!!!」
「なんだって」
舞が遊戯に勧告するが、遊戯にも解決策が見えずに居た。
遊戯は慎重に、エルフの剣士を守備表示で召喚する。
エルフの剣士(攻1400/守1200)
男がカードを出してもそれがなんなのか見えない。そしてその動向や戦略すら読めずに居た。
男のターン、新しくモンスターを召喚し、エルフの剣士は闇に飲まれて撃破されてしまう。
「…遊戯ィ。」
「チクショウ、あんな攻撃、汚すぎるぜ」
「…みんな、遊戯を信じるしか無いわ。いまはそれしか。」
名前が静かに言うと、本田や城之内が食って掛かる。
「わかってるけどよォ」
「だいたいおめぇがまだあっちの仲間じゃねぇかもわからねェのに」
杏子が名前と本田の間に割り込む。
「ちょっと! 名前ちゃんは私たちの仲間よ! 遊戯だってそう言ってたじゃない」
「フン。いいのよ、真崎さん。私は疑われて当然の事しか貴方達にして来なかった。でも、そっちが本当に遊戯の親友なら、外野で遊戯に指図してないでだまって信じてあげるのが当然じゃないかしら。」
「んだとてぇんめぇー!」
「城之内!!!」
食って掛かりそうになる城之内を杏子と本田がなだめると、名前は鼻で笑ってそっぽを向いた。
「で、でも名前ちゃんの言う通りだよ。今は遊戯君を信じよう」
獏良が遊戯に視線を送る。
遊戯は険しい顔で相手のフィールドに目を凝らしていた。
遊戯は砦を守る翼竜を守備表示で召喚するが、男は攻撃をせずにもう一体のモンスターを闇の中に召喚する。
「暗闇なら照らせばいい…よし、一か八かだ!」
遊戯は砦を守る翼竜を攻撃表示にすると、闇に向かって炎を吐かせた。
「火球の礫!!!」
暗闇の所為で目標が定まらずに外したものの、光でモンスターが照らされてその姿が一瞬現れた。
「見えた!」
「ふっはっはっは!残念だったな!闇雲に攻撃しても、オレのモンスターは倒せんぞ!」
ダーク・アブソリュート!