王国編 /2
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彼女との出逢いは14年前───… 私の父がラスベガスでカジノを経営する資産家だったこともあり、夜ともなれば各界の著名人を集めてのパーティーが開かれていました。
そこで出逢ったのが、父の友人の令嬢、…シンディアだった。
いつしか私たちは、互いに惹かれあっていきました。
私たちはいつも夢を語り合っていた。私が画家として有名になりたいことや、見知らぬ異国を旅してみたいこと。───私たちは生涯を共に生きることを誓い合った。
私が18になって間もなく、シンディアは病でこの世を去った。……それからは何をする気も起こらず、何ヶ月もの間…心の真っ白なキャンバスを見つめていた。そんなとき、古代エジプトでは “ 現世の人の魂は未来へと引き継がれる ”という話しを聞いたのです。
……古代エジプトから伝わる術を使えば、シンディアに会えるかもしれない。ただその一心で、私はエジプトを訪れた。
エジプトのとある村で、私は1人の少年に会った。……不思議なことに、彼は私の願いを知っていた。そして言われてしまった。
『異国の人よ。この地から早く立ち去るが良い。ここにお前の求めているものはない。……愛する者を喪った悲しみが癒される場所など。』
もう一度……未練だろうが、もう一度シンディアに会いたい! 私はこの時受けた古代エジプトの壁画のインスピレーションから、デュエルモンスターズというカードゲームを生み出し…… シンディアのカードを作って側に置いた。せめてこのゲームの世界で、シンディアが息づいてくれることを願って。
デュエルモンスターズが世界的に広がり始めた頃、私はデュエルモンスターズの大会で頭角を現し始めていた名前に出会った。カードに宿る魂を信じ、同調してくれた名前こそ、真のデュエリストクイーンに相応しいと……
同じ頃、海馬コーポレーションのバーチャルシミュレーションシステムを知った。シンディアのカードを実体化できるかもしれないと思い立った私は、大会で海馬を倒したことがある名前を思い出した。
彼女に“ブラック・マジシャン”のカードを与えることで、私と同じ目的を持たせることに成功し、名前を海馬瀬人に差し向けるはずだった……なんとしても海馬コーポレーションを我が物にするために。だが名前は海馬コーポレーションが絡むと身を引き、私の前から姿を消した。
しかし海馬瀬人は自ら私にチャンスを与えた。武藤遊戯に敗北するという、私が名前を使ってやろうとしていた形で。そこで私は…プライベート・アイランドを使った、このデュエリスト・キングダムの大会を計画した。
海馬を倒した名前と遊戯を倒せば、海馬コーポレーションとその技術を我が物にできる。なんとしても、シンディアに会うために───》」
杏子は日記を閉じた。
「ペガサスは、亡くなった恋人と会いたい一心で、こんなことをしていたのね……」
「男の純情ってやつか…… 名前が言っていたペガサスの目的の裏に、こんな事があったんだな。」
本田は城之内が口にした名前の名前に立ち上がる。
「そういや、結局名前が見つかってねぇぜ! 獏良とモクバもほっといたままだしよ。」
「海馬もきになるしな。」
椅子に腰掛けてしまっていた城之内も立ち上がる。
「行きましょ!」
杏子と本田が階段の方へかけていくと、城之内も後に続いた。
遊戯だけは、まだシンディアのカードを見つめて立ち尽くしていたが、城之内に呼ばれて現実に引き戻される。
「遊戯!なにやってんだ、行くぞ!」
「あ、……うん!今いくよ!」
遊戯がシンディアのカードをテーブルの上に戻すと、1人残された部屋から階下へ続く階段を降りかける。
そこには、白い麻の民族衣装をまとった見知らぬ男が立っていた。
「君は……?」
遊戯の問いかけにもかかわらず、その男……シャーディーは遊戯の首から下げられた千年パズルに息を飲んだ。
「(まさか……千年パズルをこのような少年が持っているとは! ……この者か? ペガサスから千年眼を奪ったのも……!)」
その視線と、黙ったままの男の様子に、遊戯は違和感を感じ、ほんの少しだけ足が後退する。
男は遊戯の目を見ると、口を閉ざしたまま階段を上り、己の首から下げられた千年錠に手をやる。
「えっ……なに?」
「(確かめねば、……この少年の正体を! この千年錠を使って、この少年の心の中へ入り込む!)」
「なにするの……!」
遊戯の額に千年錠が向けられた瞬間、その視界は暗転した。
そこで出逢ったのが、父の友人の令嬢、…シンディアだった。
いつしか私たちは、互いに惹かれあっていきました。
私たちはいつも夢を語り合っていた。私が画家として有名になりたいことや、見知らぬ異国を旅してみたいこと。───私たちは生涯を共に生きることを誓い合った。
私が18になって間もなく、シンディアは病でこの世を去った。……それからは何をする気も起こらず、何ヶ月もの間…心の真っ白なキャンバスを見つめていた。そんなとき、古代エジプトでは “ 現世の人の魂は未来へと引き継がれる ”という話しを聞いたのです。
……古代エジプトから伝わる術を使えば、シンディアに会えるかもしれない。ただその一心で、私はエジプトを訪れた。
エジプトのとある村で、私は1人の少年に会った。……不思議なことに、彼は私の願いを知っていた。そして言われてしまった。
『異国の人よ。この地から早く立ち去るが良い。ここにお前の求めているものはない。……愛する者を喪った悲しみが癒される場所など。』
もう一度……未練だろうが、もう一度シンディアに会いたい! 私はこの時受けた古代エジプトの壁画のインスピレーションから、デュエルモンスターズというカードゲームを生み出し…… シンディアのカードを作って側に置いた。せめてこのゲームの世界で、シンディアが息づいてくれることを願って。
デュエルモンスターズが世界的に広がり始めた頃、私はデュエルモンスターズの大会で頭角を現し始めていた名前に出会った。カードに宿る魂を信じ、同調してくれた名前こそ、真のデュエリストクイーンに相応しいと……
同じ頃、海馬コーポレーションのバーチャルシミュレーションシステムを知った。シンディアのカードを実体化できるかもしれないと思い立った私は、大会で海馬を倒したことがある名前を思い出した。
彼女に“ブラック・マジシャン”のカードを与えることで、私と同じ目的を持たせることに成功し、名前を海馬瀬人に差し向けるはずだった……なんとしても海馬コーポレーションを我が物にするために。だが名前は海馬コーポレーションが絡むと身を引き、私の前から姿を消した。
しかし海馬瀬人は自ら私にチャンスを与えた。武藤遊戯に敗北するという、私が名前を使ってやろうとしていた形で。そこで私は…プライベート・アイランドを使った、このデュエリスト・キングダムの大会を計画した。
海馬を倒した名前と遊戯を倒せば、海馬コーポレーションとその技術を我が物にできる。なんとしても、シンディアに会うために───》」
杏子は日記を閉じた。
「ペガサスは、亡くなった恋人と会いたい一心で、こんなことをしていたのね……」
「男の純情ってやつか…… 名前が言っていたペガサスの目的の裏に、こんな事があったんだな。」
本田は城之内が口にした名前の名前に立ち上がる。
「そういや、結局名前が見つかってねぇぜ! 獏良とモクバもほっといたままだしよ。」
「海馬もきになるしな。」
椅子に腰掛けてしまっていた城之内も立ち上がる。
「行きましょ!」
杏子と本田が階段の方へかけていくと、城之内も後に続いた。
遊戯だけは、まだシンディアのカードを見つめて立ち尽くしていたが、城之内に呼ばれて現実に引き戻される。
「遊戯!なにやってんだ、行くぞ!」
「あ、……うん!今いくよ!」
遊戯がシンディアのカードをテーブルの上に戻すと、1人残された部屋から階下へ続く階段を降りかける。
そこには、白い麻の民族衣装をまとった見知らぬ男が立っていた。
「君は……?」
遊戯の問いかけにもかかわらず、その男……シャーディーは遊戯の首から下げられた千年パズルに息を飲んだ。
「(まさか……千年パズルをこのような少年が持っているとは! ……この者か? ペガサスから千年眼を奪ったのも……!)」
その視線と、黙ったままの男の様子に、遊戯は違和感を感じ、ほんの少しだけ足が後退する。
男は遊戯の目を見ると、口を閉ざしたまま階段を上り、己の首から下げられた千年錠に手をやる。
「えっ……なに?」
「(確かめねば、……この少年の正体を! この千年錠を使って、この少年の心の中へ入り込む!)」
「なにするの……!」
遊戯の額に千年錠が向けられた瞬間、その視界は暗転した。