王国編 /2
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「(僕が表に出ている間に作戦を考えて!)」
ペガサスの目を気にするように、表の人格の遊戯がリングに立つ。
「(マインド・シャッフル……また私に悟られぬようマインドを入れ替えましたか。…しかし、もう1人の遊戯ボーイの精神力では、この戦いに堪えるのは、無理のようデスね)」
遊戯が闇の中へ精神を置いた瞬間から、ドッと冷や汗が溢れ呼吸も重苦しくなる。
「(くっ…どうしたんだ…胸が、苦しい…!)」
それを心の中で闇の人格の遊戯が感じ取り、もう1人の自分を見て焦りを感じた。
「(モンスターの実体化は、表に出ているもう1人のオレの精神力を急激に削っていく!)」
しかし、息を荒げる表の遊戯に頼るしかない状況で、彼もまた耐えるしかない。
「(堪えてくれ…… もう1人のオレよ!)」
「(やはりもう1人の遊戯は常人に過ぎまセ〜ン。すぐに力尽きることでしょう。)」
***
名前は千年錠を首から下げた男と対峙していた。
「……シャーディー。」
跪いて垂れる首から、千年錠が揺れる。
「古 の石板に標されたひとり、13の魔導士に選ばれし者よ。…魂に刻み残された望みが、今生で果たされようとしている。」
「…!私の望みは、今この島で起きてる事が平和に片付くことよ。これ以上、何が起こるっていうの?」
名前が食ってかかるように口答えすると、シャーディーは顔を上げてその目をジッと見つめる。名前はその目に耐えられず、胸が詰まって黙り込んだ。
「貴女はブラック・マジシャンの“器 ”のカードを手に入れ、結ばれた。…しかし所詮は器の繋がり。今は心が離れ、本当の運命が貴女の心を奪った。これは前世で歩んだ、そのままの道。だがここから先は、前世の貴女が望んだ通りになるか、それは貴女が選ぶ事になる。」
「やめて、あなたはそうやって 前にも私に運命を告げたわ。だけど、ブラック・マジシャンから生身の人間に心を変えたのは、今の私の選択よ。それなのに、これも前世からの決まりごとだったって言うの?シャーディー、お願いだから教えて。私は誰なの?石板って何のこと?」
シャーディーは顔を背けて口を閉ざした。まだ教えるつもりはないという事だろう。ジンジンと痛む傷に耐え、ゆっくりと息を吸ってから、千年秤を引き抜く。
「あなたから渡されたこの千年秤のことも、まだ何もわからない。千年アイテムの闇の力は知っていたけど、人格を変える力があるなんて……」
「恐ろしく思う必要はない。貴女に闇の人格は存在しない。」
「……でも、私じゃない誰かが、確かに存在しているわ。」
「今はその存在を探求する時ではない。……今まさに、新たなる闇の鼓動が目覚めようとしている。私は貴女と、もう1人……王の魂を探さなくてはならない。」
脳裏に闇の人格の遊戯がよぎる。あの時の繋がりのような、魂の交差が体を震わせるので、名前は遊戯の名前を口にすることができなかった。
シャーディーは話を終わらせるように、名前の背後にあるテーブルを指差した。
「……貴女の探している囚われた魂はそこにある。千年秤が示すようにすれば、彼らの魂は戻るだろう。」
「……!」
振り返ってテーブルに寄ると、確かに魂の牢獄のカードが3枚並んで置かれていた。そして囚われた3人の顔から目を背けると、シャーディーは既にいなくなっていた。
「……」
***
「私は…1枚場にカードを伏せてターン終了。」
一見優雅に、ゆったりとフェイズを進めるペガサスだが、そうしている間にも面の人格の遊戯には大きな負担がのしかかっていた。
息を荒げて耐えるしかない遊戯に、闇の人格の遊戯は焦りを隠せない。
「(もう1人のオレの精神力には限界がある!この戦いを長引かせるわけにはいかない!)」
遊戯の人格が入れ替わり、ペガサスの前には闇の人格の遊戯が立ちはだかる。表の人格の遊戯を匿うように、遊戯は焦りからか攻撃の手を緩めなかった。
「オレのターンで“カース・オブ・ドラゴン”の攻撃!」
その攻撃宣言を冷静に聞いていたペガサスは、静かに顔を上げて笑った。
「(フフフフ……かかりマシたね。もう1人の遊戯を庇うために勝負を急ぐ…それが私の狙い!)」
邪眼から赤紫の光が放たれ、攻撃に転じていたカース・オブ・ドラゴンを包み込む。
「“ダークアイズ・イリュージョニスト”の特殊能力発動!
ダークアイズ・マジック!」
「なんだ?!」
カース・オブ・ドラゴンの胸には眩い光とともにウジャド眼が表れ、ダークアイズ・イリュージョニストはそれに呼応するように顔を回してみせる。
「幻想モンスターは攻撃力、守備力が低い代わりに、特殊能力を備えていマ〜ス!ダークアイズ・イリュージョニストは邪眼の魔力で敵の能力を奪うのデ〜ス!……だが、幻想モンスターの真の恐ろしさはこれりからデ〜ス」
ペガサスが手札に手をやると、警戒と焦りを隠せない闇の人格の遊戯が目で追う。
「“イリュージョンの儀式”!このカードに“ダークアイズ・イリュージョニスト”を生贄に捧げマ〜ス!」
ウジャド眼が象徴的にあしらわれた壺にペガサスのダークアイズ・イリュージョニストが吸収される。すると紫炎が上がってフィールドに巨体が現れた。
「幻想モンスター……“サクリファイス”召喚!!!」
ペガサスの目を気にするように、表の人格の遊戯がリングに立つ。
「(マインド・シャッフル……また私に悟られぬようマインドを入れ替えましたか。…しかし、もう1人の遊戯ボーイの精神力では、この戦いに堪えるのは、無理のようデスね)」
遊戯が闇の中へ精神を置いた瞬間から、ドッと冷や汗が溢れ呼吸も重苦しくなる。
「(くっ…どうしたんだ…胸が、苦しい…!)」
それを心の中で闇の人格の遊戯が感じ取り、もう1人の自分を見て焦りを感じた。
「(モンスターの実体化は、表に出ているもう1人のオレの精神力を急激に削っていく!)」
しかし、息を荒げる表の遊戯に頼るしかない状況で、彼もまた耐えるしかない。
「(堪えてくれ…… もう1人のオレよ!)」
「(やはりもう1人の遊戯は常人に過ぎまセ〜ン。すぐに力尽きることでしょう。)」
***
名前は千年錠を首から下げた男と対峙していた。
「……シャーディー。」
跪いて垂れる首から、千年錠が揺れる。
「
「…!私の望みは、今この島で起きてる事が平和に片付くことよ。これ以上、何が起こるっていうの?」
名前が食ってかかるように口答えすると、シャーディーは顔を上げてその目をジッと見つめる。名前はその目に耐えられず、胸が詰まって黙り込んだ。
「貴女はブラック・マジシャンの“
「やめて、あなたはそうやって 前にも私に運命を告げたわ。だけど、ブラック・マジシャンから生身の人間に心を変えたのは、今の私の選択よ。それなのに、これも前世からの決まりごとだったって言うの?シャーディー、お願いだから教えて。私は誰なの?石板って何のこと?」
シャーディーは顔を背けて口を閉ざした。まだ教えるつもりはないという事だろう。ジンジンと痛む傷に耐え、ゆっくりと息を吸ってから、千年秤を引き抜く。
「あなたから渡されたこの千年秤のことも、まだ何もわからない。千年アイテムの闇の力は知っていたけど、人格を変える力があるなんて……」
「恐ろしく思う必要はない。貴女に闇の人格は存在しない。」
「……でも、私じゃない誰かが、確かに存在しているわ。」
「今はその存在を探求する時ではない。……今まさに、新たなる闇の鼓動が目覚めようとしている。私は貴女と、もう1人……王の魂を探さなくてはならない。」
脳裏に闇の人格の遊戯がよぎる。あの時の繋がりのような、魂の交差が体を震わせるので、名前は遊戯の名前を口にすることができなかった。
シャーディーは話を終わらせるように、名前の背後にあるテーブルを指差した。
「……貴女の探している囚われた魂はそこにある。千年秤が示すようにすれば、彼らの魂は戻るだろう。」
「……!」
振り返ってテーブルに寄ると、確かに魂の牢獄のカードが3枚並んで置かれていた。そして囚われた3人の顔から目を背けると、シャーディーは既にいなくなっていた。
「……」
***
「私は…1枚場にカードを伏せてターン終了。」
一見優雅に、ゆったりとフェイズを進めるペガサスだが、そうしている間にも面の人格の遊戯には大きな負担がのしかかっていた。
息を荒げて耐えるしかない遊戯に、闇の人格の遊戯は焦りを隠せない。
「(もう1人のオレの精神力には限界がある!この戦いを長引かせるわけにはいかない!)」
遊戯の人格が入れ替わり、ペガサスの前には闇の人格の遊戯が立ちはだかる。表の人格の遊戯を匿うように、遊戯は焦りからか攻撃の手を緩めなかった。
「オレのターンで“カース・オブ・ドラゴン”の攻撃!」
その攻撃宣言を冷静に聞いていたペガサスは、静かに顔を上げて笑った。
「(フフフフ……かかりマシたね。もう1人の遊戯を庇うために勝負を急ぐ…それが私の狙い!)」
邪眼から赤紫の光が放たれ、攻撃に転じていたカース・オブ・ドラゴンを包み込む。
「“ダークアイズ・イリュージョニスト”の特殊能力発動!
ダークアイズ・マジック!」
「なんだ?!」
カース・オブ・ドラゴンの胸には眩い光とともにウジャド眼が表れ、ダークアイズ・イリュージョニストはそれに呼応するように顔を回してみせる。
「幻想モンスターは攻撃力、守備力が低い代わりに、特殊能力を備えていマ〜ス!ダークアイズ・イリュージョニストは邪眼の魔力で敵の能力を奪うのデ〜ス!……だが、幻想モンスターの真の恐ろしさはこれりからデ〜ス」
ペガサスが手札に手をやると、警戒と焦りを隠せない闇の人格の遊戯が目で追う。
「“イリュージョンの儀式”!このカードに“ダークアイズ・イリュージョニスト”を生贄に捧げマ〜ス!」
ウジャド眼が象徴的にあしらわれた壺にペガサスのダークアイズ・イリュージョニストが吸収される。すると紫炎が上がってフィールドに巨体が現れた。
「幻想モンスター……“サクリファイス”召喚!!!」