王国編 /1
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ペガサスはカードを一枚伏せると、“ドラゴン・エッガー”を守備表示に出し、“弓を引くマーメイド”も守備に変更してターン終了した。
“ドラゴン・エッガー”(攻/2200 守/2600)
***
石壁の向こうで何人もの追っ手の陰が迫り来る。それは行く手にも現れ、男の声や複数の足音とともに次第に追い詰められていった。
「こっちもダメか…どうする?」
名前は息を整えながら前後を見回す。
「(フフフ…私の手のひらの中でもがく小動物のように哀れな遊戯ボーイ!私にはユーの手札が…手に取るように分かるのデ〜ス!)」
野獣の眼光のように鋭い金色の光が、ペガサスの銀の髪をはためかせてついに現れる。
「(マインド・スキャン!!!)」
ペガサスにはそのミレニアム・アイを通して遊戯の手札が全てさらけ出されていた。それらをぐるりと見渡すと、ペガサスは小さく鼻で笑う。
「(そして今引き当てたカードは…“デーモンの召喚”ですか!)」
その視線に気付かないほど、遊戯の危機察知能力は低くなかった。
「(カードを射抜かれるような鋭い視線…この感覚は気のせいなんかじゃない!!!)」
遊戯は確信していた。自分の心が読まれ、手札も策略も全てペガサスの手の上だと。だが、それをどうする事もできないのも、遊戯は理解していた。
「(フフフフフ……ハハハハハハ!!!!!)」
***
「遊戯!ペガサスのペースに巻き込まれちゃダメよ!」
「慎重に行け!遊戯!」
応援の声を上げる2人の横で、獏良の目はクロケッツに向いていた。
「なに?!モクバは契約に必要な書類の入った保管室の鍵を隠し持ってるんだ!なんとしても苗字名前を捕まえろ!もし取り逃がしモクバを連れ去られるような事があれば、ペガサス様にになんと報告すればよいか…」
獏良の目は鋭くなっていた。そして「フッ」と笑うと、踵を返して観覧テラスを後にする。
「ん?おい獏良、どこ行くんだ?」
城之内が呼び止めると、獏良は振り返らずに返す。
「ちょっと本田君たちを探してくるよ。」
「お願いね、獏良くん」
杏子も獏良の方に顔を向けて見送ると、その陰にある獏良の顔付きは既にいつものものではなくなっていた。
***
「(フフフ…遊戯ボーイ、ユーのターンでの戦略が読めマシた。ユーは罠カード“六芒星の呪縛”を場に伏せ、“デーモンの召喚”を守備表示で出してくるはず…私のモンスターの攻撃を誘うためにね。)」
「オレのターン!」
遊戯はペガサスの予想通りの動きを見せた。場にカードを一枚伏せ、デーモンの召喚を守備表示で召喚する。
“デーモンの召喚”(攻/2500 守/1200)
「オーケー!私のターン!」
ペガサスは堪え切れない笑いを嚙み潰しながら、カードに手を伸ばした。
「(いいでしょう…ユーの罠に足を踏み入れてあげましょう。…果たして最後に罠におちるのはどちらか…)」
***
獏良は千年リングの鉤が指し示すままに足を進める。そして突き当たった分かれ道で、千年リングは光り輝くと左の道を指す。
「フフ…」
***
遊戯はペガサスの仕掛けたさらなる罠に陥っていた。ペガサスが伏せていた罠カード“罠移し”によって、六芒星の呪縛がデーモンの召喚に移され、破壊されたのだ。
遊戯 LP:1400
「(完全に戦略が読まれている!!!…いったいどう戦えば…!)」
***
遊戯が窮地に追い込まれているとき、本田と名前も劣勢に陥っていた。
一本の通路で黒服の男に挟まれ、進退極まっていたのだ。
「チッ」
「フフフ…さぁ牢屋に逆戻りだ。」
そこへ名前がハッとして振り返るのとほぼ同時に、鈴のような冷たい金属音が一定間隔で響き渡り始める。それに呼応するように、名前の千年秤のウジャド眼から光が溢れ始めた。
「なんの音だ?!」
そう叫ぶ黒服の男の背後から、音の正体…千年リングの持ち主である獏良が現れる。
「獏良!何しに来やがった!?」
本田はこれ以上他人を庇う余裕はないと言いたげにそう叫ぶが、名前はその見覚えのある目付きに千年秤へ手を伸ばす。
「千年リング…」
固唾を飲む音が自分の耳に振動する。たった一度千年秤の力を使っただけで、正直名前の心への負担は大きく掛かった後だ。彼女からしたら、出来る事なら闇の力での干渉は避けたい。…特に、遊戯やペガサスよりも強い闇の力を秘めた、この獏良相手には。
「なんだ貴様は!」
「獏良!オレたちに構うな!さっさと逃げやがれ!!!」
銃を取り出した黒服に本田が鬼気迫る警告をするが、獏良は鼻で笑って返した。
「面白れぇじゃねぇか…おとなしくしないとどうなるんだ?」
「貴様!」
あきらかに相手を挑発する獏良に、黒服は青筋を立てる。
「フッ、ならオレの武器はこれだ。“魔力の枷”!!!」
獏良が取り出したデュエルモンスターズの魔法カードに、黒服たちは「ふざけるな!」と凄む。それを獲物を見るような目で獏良は笑った。
「オイオイ…甘く見んなよ?そこのクイーンだって、オレと同じことが出来るんだぜ?」
名前はハッとしてその胸を抑える。それとほぼ同じくして、囲んでいた黒服達に何かが巻きつき、その動きは封じられた。
「うっ!なんなんだこれは?!」
「くそッ!体が…!」
「ば、獏良?!こいつは…」
狼狽える本田をよそに、獏良はカードを戻してその横を走り去る。
「さ、今のうちに逃げるぜ!!!」
「あ、お、おう!」
名前も一瞬戸惑ったが、今は逃げることを選んで後に続く。
「クッソ〜!待たんか!!!」
「なんなんだコレは!!!」
“ドラゴン・エッガー”(攻/2200 守/2600)
***
石壁の向こうで何人もの追っ手の陰が迫り来る。それは行く手にも現れ、男の声や複数の足音とともに次第に追い詰められていった。
「こっちもダメか…どうする?」
名前は息を整えながら前後を見回す。
「(フフフ…私の手のひらの中でもがく小動物のように哀れな遊戯ボーイ!私にはユーの手札が…手に取るように分かるのデ〜ス!)」
野獣の眼光のように鋭い金色の光が、ペガサスの銀の髪をはためかせてついに現れる。
「(マインド・スキャン!!!)」
ペガサスにはそのミレニアム・アイを通して遊戯の手札が全てさらけ出されていた。それらをぐるりと見渡すと、ペガサスは小さく鼻で笑う。
「(そして今引き当てたカードは…“デーモンの召喚”ですか!)」
その視線に気付かないほど、遊戯の危機察知能力は低くなかった。
「(カードを射抜かれるような鋭い視線…この感覚は気のせいなんかじゃない!!!)」
遊戯は確信していた。自分の心が読まれ、手札も策略も全てペガサスの手の上だと。だが、それをどうする事もできないのも、遊戯は理解していた。
「(フフフフフ……ハハハハハハ!!!!!)」
***
「遊戯!ペガサスのペースに巻き込まれちゃダメよ!」
「慎重に行け!遊戯!」
応援の声を上げる2人の横で、獏良の目はクロケッツに向いていた。
「なに?!モクバは契約に必要な書類の入った保管室の鍵を隠し持ってるんだ!なんとしても苗字名前を捕まえろ!もし取り逃がしモクバを連れ去られるような事があれば、ペガサス様にになんと報告すればよいか…」
獏良の目は鋭くなっていた。そして「フッ」と笑うと、踵を返して観覧テラスを後にする。
「ん?おい獏良、どこ行くんだ?」
城之内が呼び止めると、獏良は振り返らずに返す。
「ちょっと本田君たちを探してくるよ。」
「お願いね、獏良くん」
杏子も獏良の方に顔を向けて見送ると、その陰にある獏良の顔付きは既にいつものものではなくなっていた。
***
「(フフフ…遊戯ボーイ、ユーのターンでの戦略が読めマシた。ユーは罠カード“六芒星の呪縛”を場に伏せ、“デーモンの召喚”を守備表示で出してくるはず…私のモンスターの攻撃を誘うためにね。)」
「オレのターン!」
遊戯はペガサスの予想通りの動きを見せた。場にカードを一枚伏せ、デーモンの召喚を守備表示で召喚する。
“デーモンの召喚”(攻/2500 守/1200)
「オーケー!私のターン!」
ペガサスは堪え切れない笑いを嚙み潰しながら、カードに手を伸ばした。
「(いいでしょう…ユーの罠に足を踏み入れてあげましょう。…果たして最後に罠におちるのはどちらか…)」
***
獏良は千年リングの鉤が指し示すままに足を進める。そして突き当たった分かれ道で、千年リングは光り輝くと左の道を指す。
「フフ…」
***
遊戯はペガサスの仕掛けたさらなる罠に陥っていた。ペガサスが伏せていた罠カード“罠移し”によって、六芒星の呪縛がデーモンの召喚に移され、破壊されたのだ。
遊戯 LP:1400
「(完全に戦略が読まれている!!!…いったいどう戦えば…!)」
***
遊戯が窮地に追い込まれているとき、本田と名前も劣勢に陥っていた。
一本の通路で黒服の男に挟まれ、進退極まっていたのだ。
「チッ」
「フフフ…さぁ牢屋に逆戻りだ。」
そこへ名前がハッとして振り返るのとほぼ同時に、鈴のような冷たい金属音が一定間隔で響き渡り始める。それに呼応するように、名前の千年秤のウジャド眼から光が溢れ始めた。
「なんの音だ?!」
そう叫ぶ黒服の男の背後から、音の正体…千年リングの持ち主である獏良が現れる。
「獏良!何しに来やがった!?」
本田はこれ以上他人を庇う余裕はないと言いたげにそう叫ぶが、名前はその見覚えのある目付きに千年秤へ手を伸ばす。
「千年リング…」
固唾を飲む音が自分の耳に振動する。たった一度千年秤の力を使っただけで、正直名前の心への負担は大きく掛かった後だ。彼女からしたら、出来る事なら闇の力での干渉は避けたい。…特に、遊戯やペガサスよりも強い闇の力を秘めた、この獏良相手には。
「なんだ貴様は!」
「獏良!オレたちに構うな!さっさと逃げやがれ!!!」
銃を取り出した黒服に本田が鬼気迫る警告をするが、獏良は鼻で笑って返した。
「面白れぇじゃねぇか…おとなしくしないとどうなるんだ?」
「貴様!」
あきらかに相手を挑発する獏良に、黒服は青筋を立てる。
「フッ、ならオレの武器はこれだ。“魔力の枷”!!!」
獏良が取り出したデュエルモンスターズの魔法カードに、黒服たちは「ふざけるな!」と凄む。それを獲物を見るような目で獏良は笑った。
「オイオイ…甘く見んなよ?そこのクイーンだって、オレと同じことが出来るんだぜ?」
名前はハッとしてその胸を抑える。それとほぼ同じくして、囲んでいた黒服達に何かが巻きつき、その動きは封じられた。
「うっ!なんなんだこれは?!」
「くそッ!体が…!」
「ば、獏良?!こいつは…」
狼狽える本田をよそに、獏良はカードを戻してその横を走り去る。
「さ、今のうちに逃げるぜ!!!」
「あ、お、おう!」
名前も一瞬戸惑ったが、今は逃げることを選んで後に続く。
「クッソ〜!待たんか!!!」
「なんなんだコレは!!!」