王国編 /1
名前変換
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名前は地下牢へ続く通路の物陰に潜み、目を凝らして見張りや警備にあたる黒服達を見ていた。
「(3人、…4、5人!ここは無理そうね。)」
小さく舌打ちをして、身体をより大きな隠れ場となる柱の陰に戻すと、ふわりと胸が熱くなる。
「…!」
デュエルに負けたあとから、名前は身体に宿る魔導士たちの存在を使うのが、どこか気まずかった。だがそれも包み込んでなお受け止める魔導士が、確かに名前を助けようと主張している。
「(そうよね、私たちは今、この王国最大の敵に挑むのよ。…
「「((結束の力で!))」」
遊戯は審判のクロケッツに従い、王座挑戦権の証し“王の左手の栄光”を提示していた。その真っ白な空白をもつカードに、ペガサスは「フフフ…」と小さく笑う。
「確かに。」
クロケッツが確認すると、続けてその詳細な権利を提示した。
「そのカードを持つ者は、デュエルモンスターズの創始者でありデュエリストキングダムの王者ペガサス・J・クロフォード氏を倒したという名誉と、ペガサス氏の保有するインダストリアル・イリュージョン社の60%の株式を受け取る権利を持つ。」
「え?」
意外すぎる内容に困惑の顔を見せても、クロケッツは毅然と説明する。
「つまり…望むならインダストリアル・イリュージョン社の社長になれるというわけだ。」
「マジかよ!」
遊戯に代わって驚愕の声を上げたのは城之内だった。
そこへ下の階から上ってきた獏良が合流するが、そこに本田の姿は無い。
「あれ?本田は?」
杏子が尋ねると、獏良はいつもの調子で応えた。
「さぁ…1人で反対側のほうへ出てっちゃったけど…」
「どうせ便所だろ!それよりデュエルが始まるぜ!」
本田の事を微塵も気遣わない城之内と、それに納得をする杏子。獏良は誰からも悟られることなく、小さく歯を見せて笑う。
***
「私からのささやかなプレゼントデ〜ス。私を倒せるほどの実力の持ち主なら、当然の権利デ〜ス。」
「自分を倒す者などいない、という自信の表れか?」
「YES!ただし素晴らしい栄誉を受ける以上当然のリスクもありマス。」
険しい顔の遊戯に、ペガサスの声のトーンは一段低くなる。
「そのカード…“王の左手の栄光”。それには絵柄というものが存在しない。この意味がお分かりデスか?遊戯ボーイ。…そのカードの絵柄は、ユーが敗北した時に浮かび上がるのデ〜ス!」
「つまり、オレの魂がカードに封印されるってことか…海馬にやったように!」
「その通り」
不敵に笑うペガサスに、遊戯も拳を握りしめる。
「覚悟はできている!!!」
ペガサスが遊戯の勇気を讃える中、杏子の顔色はサッと青くなった。
「なんですって!遊戯が負けたら、海馬くんと同じ運命…?!」
その横で城之内は神妙な顔で遊戯を見ていた。
「アイツ…それを知っていながらペガサスとの闘いに挑んだってのか…!」
「自分の魂を賭けたのか…」
獏良の声に、2人は注目した。
「魂を!?そんなことできるのか?」
獏良はひと息おいてから城之内達に顔を向ける。だがその目は既に…遊戯と同じように何か核心的なものを得た目をしていた。
「さぁ…でも海馬くんやモクバくんのようになるのは確かだよ。昨日名前ちゃんの部屋に海馬くんを運んだとき、城之内くんだって…海馬くんが確かに抜け殻のようだったのを見ているじゃないか。」
その獏良の話に、杏子1人が遊戯に振り返って手摺を握りしめる。
「(遊戯…負けないで!あなたが負けたら、…私……。絶対勝ってね!遊戯!)」
***
「フン…残念だがペガサス。オレは貴様のカードコレクションの一部になるつもりはないぜ!」
その遊戯の強い視線に、ペガサスは不敵に笑い、そしてどこか飄々として目を細めた。
「(フン…私はカードが欲しいためにユーを倒すのではありマセ〜ん。最大の目的は…海馬コーポレーションを手に入れる事なのデ〜ス!!!)」
遊戯にペガサスの真意は見えないが、ペガサスには遊戯の真意が全て見て取れる。そのデュエルの火蓋が落とされるのは、まさしくこの瞬間であった。
***
「この勝負に海馬コーポレーションの未来がかかっている。」
「そのとおり。」
ペガサスと遊戯を見守っていたのは城之内達だけではなかった。離れた本州のモニタールームに映し出されたペガサスと遊戯の姿…海馬コーポレーションの5人重役は、その様子をライブ中継で高みの見物を決め込んでいる。
「ミスターペガサスが遊戯を葬ってくれれば、モクバが隠した鍵が見つかり次第に契約を!」
「フフフ…そうすれば、海馬コーポレーションはミスターペガサス、あなたのものだ!」
***
「すべての準備は整いました。あとはこのデュエルを制するするのみデ〜ス!」
「それではデュエリストキングダム王者決定戦を行います。互いのカードをカット&シャッフル!」
遊戯とペガサスの間を2人の黒服が行き交い、ベルヴェッドの貼られたトレイに乗せられたデッキを遊戯が手に取ってシャッフルし、ペガサスは人差し指でただ一度タップするだけで済ませた。
そのデッキが互いの持ち主に戻り、ついにデスクのデッキスースへ置かれた。
「デュエル開始!」
「(遊戯ボーイ…ミレニアム・アイの力がある限り、ユーは私には勝てまセ〜ン!)」
「(オレは負けない!負けられないんだ!!!)」
「(3人、…4、5人!ここは無理そうね。)」
小さく舌打ちをして、身体をより大きな隠れ場となる柱の陰に戻すと、ふわりと胸が熱くなる。
「…!」
デュエルに負けたあとから、名前は身体に宿る魔導士たちの存在を使うのが、どこか気まずかった。だがそれも包み込んでなお受け止める魔導士が、確かに名前を助けようと主張している。
「(そうよね、私たちは今、この王国最大の敵に挑むのよ。…
「「((結束の力で!))」」
遊戯は審判のクロケッツに従い、王座挑戦権の証し“王の左手の栄光”を提示していた。その真っ白な空白をもつカードに、ペガサスは「フフフ…」と小さく笑う。
「確かに。」
クロケッツが確認すると、続けてその詳細な権利を提示した。
「そのカードを持つ者は、デュエルモンスターズの創始者でありデュエリストキングダムの王者ペガサス・J・クロフォード氏を倒したという名誉と、ペガサス氏の保有するインダストリアル・イリュージョン社の60%の株式を受け取る権利を持つ。」
「え?」
意外すぎる内容に困惑の顔を見せても、クロケッツは毅然と説明する。
「つまり…望むならインダストリアル・イリュージョン社の社長になれるというわけだ。」
「マジかよ!」
遊戯に代わって驚愕の声を上げたのは城之内だった。
そこへ下の階から上ってきた獏良が合流するが、そこに本田の姿は無い。
「あれ?本田は?」
杏子が尋ねると、獏良はいつもの調子で応えた。
「さぁ…1人で反対側のほうへ出てっちゃったけど…」
「どうせ便所だろ!それよりデュエルが始まるぜ!」
本田の事を微塵も気遣わない城之内と、それに納得をする杏子。獏良は誰からも悟られることなく、小さく歯を見せて笑う。
***
「私からのささやかなプレゼントデ〜ス。私を倒せるほどの実力の持ち主なら、当然の権利デ〜ス。」
「自分を倒す者などいない、という自信の表れか?」
「YES!ただし素晴らしい栄誉を受ける以上当然のリスクもありマス。」
険しい顔の遊戯に、ペガサスの声のトーンは一段低くなる。
「そのカード…“王の左手の栄光”。それには絵柄というものが存在しない。この意味がお分かりデスか?遊戯ボーイ。…そのカードの絵柄は、ユーが敗北した時に浮かび上がるのデ〜ス!」
「つまり、オレの魂がカードに封印されるってことか…海馬にやったように!」
「その通り」
不敵に笑うペガサスに、遊戯も拳を握りしめる。
「覚悟はできている!!!」
ペガサスが遊戯の勇気を讃える中、杏子の顔色はサッと青くなった。
「なんですって!遊戯が負けたら、海馬くんと同じ運命…?!」
その横で城之内は神妙な顔で遊戯を見ていた。
「アイツ…それを知っていながらペガサスとの闘いに挑んだってのか…!」
「自分の魂を賭けたのか…」
獏良の声に、2人は注目した。
「魂を!?そんなことできるのか?」
獏良はひと息おいてから城之内達に顔を向ける。だがその目は既に…遊戯と同じように何か核心的なものを得た目をしていた。
「さぁ…でも海馬くんやモクバくんのようになるのは確かだよ。昨日名前ちゃんの部屋に海馬くんを運んだとき、城之内くんだって…海馬くんが確かに抜け殻のようだったのを見ているじゃないか。」
その獏良の話に、杏子1人が遊戯に振り返って手摺を握りしめる。
「(遊戯…負けないで!あなたが負けたら、…私……。絶対勝ってね!遊戯!)」
***
「フン…残念だがペガサス。オレは貴様のカードコレクションの一部になるつもりはないぜ!」
その遊戯の強い視線に、ペガサスは不敵に笑い、そしてどこか飄々として目を細めた。
「(フン…私はカードが欲しいためにユーを倒すのではありマセ〜ん。最大の目的は…海馬コーポレーションを手に入れる事なのデ〜ス!!!)」
遊戯にペガサスの真意は見えないが、ペガサスには遊戯の真意が全て見て取れる。そのデュエルの火蓋が落とされるのは、まさしくこの瞬間であった。
***
「この勝負に海馬コーポレーションの未来がかかっている。」
「そのとおり。」
ペガサスと遊戯を見守っていたのは城之内達だけではなかった。離れた本州のモニタールームに映し出されたペガサスと遊戯の姿…海馬コーポレーションの5人重役は、その様子をライブ中継で高みの見物を決め込んでいる。
「ミスターペガサスが遊戯を葬ってくれれば、モクバが隠した鍵が見つかり次第に契約を!」
「フフフ…そうすれば、海馬コーポレーションはミスターペガサス、あなたのものだ!」
***
「すべての準備は整いました。あとはこのデュエルを制するするのみデ〜ス!」
「それではデュエリストキングダム王者決定戦を行います。互いのカードをカット&シャッフル!」
遊戯とペガサスの間を2人の黒服が行き交い、ベルヴェッドの貼られたトレイに乗せられたデッキを遊戯が手に取ってシャッフルし、ペガサスは人差し指でただ一度タップするだけで済ませた。
そのデッキが互いの持ち主に戻り、ついにデスクのデッキスースへ置かれた。
「デュエル開始!」
「(遊戯ボーイ…ミレニアム・アイの力がある限り、ユーは私には勝てまセ〜ン!)」
「(オレは負けない!負けられないんだ!!!)」