王国編 /1
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遊戯の決意の言葉は、声に出さずともペガサスにはその“眼”を通して直接頭に流れ込んできていた。
ペガサスは指だけで背後に立つ黒服を側に呼ぶと、ベルヴェッドのピロウからデッキを取り上げる。
「遊戯ボーイ…すばらしきデュエリストよ。王国で生き残り、よくぞクイーンまでも制して私への挑戦権を勝ち取りマシた。」
遊戯はバッと指をさす。
「ペガサス!デュエルの前に、貴様には誓いをたててもらうぜ!オレが勝ったら、爺さんの魂を解放するとな!!!」
「YES!約束しまショウ。」
二つ返事で了承するペガサスに、遊戯は続ける。
「それだけじゃない!カードに封印した海馬兄弟の魂の解放、そして名前の魔導書デッキの、禁止カード指定の取り下げもだ!」
「フフ…随分と要求の多い…しかし不思議ですねぇ。海馬ボーイはユーにとって敵なのでは?」
「今オレの敵はお前1人さ!」
遊戯の目は固い決意に燃え滾っていた。その脳裏にはモクバと名前の姿がある。
「(オレにはモクバとの誓いが、名前との約束がある!海馬とモクバを名前の代わりに救い、ヤツら兄弟をもう一度めぐり合わせるという誓いが!)」
「なるほど…誓いデスか。」
銀色の髪の隙間から僅かに覗く金色の眼がチラリと光る。
「…!(マインドスキャン?!)」
「オーケー誓いましょう。ユーが私との勝負で勝てたら、クイーンの魔導書の件は不問…そして」
ペガサスはおもむろに2枚のカードを遊戯に見せた。
「彼らを孤独な魂の牢獄から解放する、とね」
***
「おい、いよいよ始まるぞ」
本田が肩唾を飲んで遊戯とペガサスの様子を見つめる。それに城之内や獏良も頷いた。
「あぁ!互いの闘気が激しくぶつかり合うのが見えるようだぜ!」
「うん、ついにここまで来たんだね。」
その横で静かに遊戯を見つめる杏子に、城之内が気がつく。
「…杏子?」
「え!…あぁ、ううん。なんでもない。」
「でも遊戯くん、大丈夫かなぁ…相手の心を読んでしまうペガサスに勝てる方法なんて…」
不安を煽る獏良の呟きに、城之内はすぐさま振り向いて啖呵を切る。
「バカ野郎!遊戯が負けっかよ!」
「そうよそうよ。ねっ本田!」
杏子もいつもの調子に戻って本田に同意を求めるが、当の本田は獏良寄りの意見に思い当たる節があるのか、片眉を下げて考える。その思考のために呻る本田に、城之内は我慢ならない。
「せっかく盛り上げようってのに何考えてんだ本田!」
熱い城之内とは対照的に、猜疑的な冷静さを持って本田は懇々と向き合う。
「だってさ、考えてみろ!この戦いはフェアーじゃねえ。…遊戯は3人も人質を取られてるんだからな。」
それに杏子は否定的だった。
「でも、ペガサスがおじいさんの魂を人質にとったのは、遊戯をこのデュエルに参加させるためだったんでしょう?」
「ペガサスだってデュエリストの端くれだぜ。そこまで卑怯なマネはしねぇよ!」
城之内も杏子に同調するので、本田も渋々「あぁ…」とだけ返す。
「だいたいお前が心配したって始まんねぇだろ!」
城之内が本田を諌める間に階下の遊戯とペガサスに動きがあり、杏子が声を上げた。
「2人のデュエルが始まるわ!ねえ!もっとよく見える上のテラスに行きましょう!」
「お!そうだな!」
賛同した城之内と共に杏子が駆け出すと、走り去っていく2人の背中をまだ何か不安げな本田が見送る。
「城之内くんたちはああ言ってるけど…」
2人の背中が見えなくなった頃、横に立っていた獏良の声に本田は目線だけで振り向いた。
「本田くんの言う通りかもしれない。」
本田の不安は大きくなる。体ごと獏良に向ければ、獏良も顔を上げて本田を真っ直ぐに見つめた。
「ペガサスは甘くないよ。デュエルが危なくなったとき、どんな手に出てくるか…。名前ちゃんだって、最初は自分のデッキを禁止カードに指定すると脅されたから利用されたんだ。そして状況が変われば、ペガサスは海馬くんを人質に名前ちゃんを遊戯くんと闘わされた。これだけの事を見ていたら、遊戯くんのデュエルも決して楽観視はできないよ。」
本田の不安は確実なものとなり、彼は咄嗟に城之内達とは反対の方向へ駆け出した。
「本田くん?!」
「じいさんの魂は無理でも、モクバと海馬を助け出して…遊戯の負担を軽くすることはできるかもしれねぇ!」
本田の冷静に見える中に渦巻いていた情熱が噴出し、本田はそのまま駆けて行った。
その背中を見送った獏良の目は、その瞬間…確かに鋭く光る。
「ククク…」
ペガサスは指だけで背後に立つ黒服を側に呼ぶと、ベルヴェッドのピロウからデッキを取り上げる。
「遊戯ボーイ…すばらしきデュエリストよ。王国で生き残り、よくぞクイーンまでも制して私への挑戦権を勝ち取りマシた。」
遊戯はバッと指をさす。
「ペガサス!デュエルの前に、貴様には誓いをたててもらうぜ!オレが勝ったら、爺さんの魂を解放するとな!!!」
「YES!約束しまショウ。」
二つ返事で了承するペガサスに、遊戯は続ける。
「それだけじゃない!カードに封印した海馬兄弟の魂の解放、そして名前の魔導書デッキの、禁止カード指定の取り下げもだ!」
「フフ…随分と要求の多い…しかし不思議ですねぇ。海馬ボーイはユーにとって敵なのでは?」
「今オレの敵はお前1人さ!」
遊戯の目は固い決意に燃え滾っていた。その脳裏にはモクバと名前の姿がある。
「(オレにはモクバとの誓いが、名前との約束がある!海馬とモクバを名前の代わりに救い、ヤツら兄弟をもう一度めぐり合わせるという誓いが!)」
「なるほど…誓いデスか。」
銀色の髪の隙間から僅かに覗く金色の眼がチラリと光る。
「…!(マインドスキャン?!)」
「オーケー誓いましょう。ユーが私との勝負で勝てたら、クイーンの魔導書の件は不問…そして」
ペガサスはおもむろに2枚のカードを遊戯に見せた。
「彼らを孤独な魂の牢獄から解放する、とね」
***
「おい、いよいよ始まるぞ」
本田が肩唾を飲んで遊戯とペガサスの様子を見つめる。それに城之内や獏良も頷いた。
「あぁ!互いの闘気が激しくぶつかり合うのが見えるようだぜ!」
「うん、ついにここまで来たんだね。」
その横で静かに遊戯を見つめる杏子に、城之内が気がつく。
「…杏子?」
「え!…あぁ、ううん。なんでもない。」
「でも遊戯くん、大丈夫かなぁ…相手の心を読んでしまうペガサスに勝てる方法なんて…」
不安を煽る獏良の呟きに、城之内はすぐさま振り向いて啖呵を切る。
「バカ野郎!遊戯が負けっかよ!」
「そうよそうよ。ねっ本田!」
杏子もいつもの調子に戻って本田に同意を求めるが、当の本田は獏良寄りの意見に思い当たる節があるのか、片眉を下げて考える。その思考のために呻る本田に、城之内は我慢ならない。
「せっかく盛り上げようってのに何考えてんだ本田!」
熱い城之内とは対照的に、猜疑的な冷静さを持って本田は懇々と向き合う。
「だってさ、考えてみろ!この戦いはフェアーじゃねえ。…遊戯は3人も人質を取られてるんだからな。」
それに杏子は否定的だった。
「でも、ペガサスがおじいさんの魂を人質にとったのは、遊戯をこのデュエルに参加させるためだったんでしょう?」
「ペガサスだってデュエリストの端くれだぜ。そこまで卑怯なマネはしねぇよ!」
城之内も杏子に同調するので、本田も渋々「あぁ…」とだけ返す。
「だいたいお前が心配したって始まんねぇだろ!」
城之内が本田を諌める間に階下の遊戯とペガサスに動きがあり、杏子が声を上げた。
「2人のデュエルが始まるわ!ねえ!もっとよく見える上のテラスに行きましょう!」
「お!そうだな!」
賛同した城之内と共に杏子が駆け出すと、走り去っていく2人の背中をまだ何か不安げな本田が見送る。
「城之内くんたちはああ言ってるけど…」
2人の背中が見えなくなった頃、横に立っていた獏良の声に本田は目線だけで振り向いた。
「本田くんの言う通りかもしれない。」
本田の不安は大きくなる。体ごと獏良に向ければ、獏良も顔を上げて本田を真っ直ぐに見つめた。
「ペガサスは甘くないよ。デュエルが危なくなったとき、どんな手に出てくるか…。名前ちゃんだって、最初は自分のデッキを禁止カードに指定すると脅されたから利用されたんだ。そして状況が変われば、ペガサスは海馬くんを人質に名前ちゃんを遊戯くんと闘わされた。これだけの事を見ていたら、遊戯くんのデュエルも決して楽観視はできないよ。」
本田の不安は確実なものとなり、彼は咄嗟に城之内達とは反対の方向へ駆け出した。
「本田くん?!」
「じいさんの魂は無理でも、モクバと海馬を助け出して…遊戯の負担を軽くすることはできるかもしれねぇ!」
本田の冷静に見える中に渦巻いていた情熱が噴出し、本田はそのまま駆けて行った。
その背中を見送った獏良の目は、その瞬間…確かに鋭く光る。
「ククク…」