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以ぐだ

 君は気づいてくれるかな。今日の髪型は以蔵さんの真似。ポニーテールにしてみたんだ。でも私の髪の毛は短いからポニーのテールというよりは雀の尻尾といったほうが適切だけど。そんなことを考えてると目の間には、彼が。

 「あ、以蔵さんおはよう!」

 「おん、早う」

 「あの、いつもと、違うと思いません、か?」
 
 「いつもと?わからんのぉ」

 まあ以蔵さんが真っ先にわかるとは思ってなかったけどやっぱりちょっとがっかりしてしまった。なので、これ見よがしに一回転してみせた。

 「おうおう!今日は一つ結びなんじゃのお!お揃いや。もしかして、儂の真似やか?」
 
 大きくうなずくと満面の笑みで頭を撫でられる。

 「そういや、赤い弓兵におなごの変化にはすぐすぐに気づくように言うちょったなあ。」
 
 私はクスクスと笑った。だってそんなこと以蔵さんがもっとも苦手としてそうなのに。エミヤは案外スパルタなのだろうか?笑われたことにムッとした素振りを見せた以蔵さんが指を突き出した。

 「今度は絶対真っ先に気付いてみせるきのお。漢に誓うてね!」

 「そんな約束して大丈夫?わからなかった場合ネロさんに散々ネタにされますよ」

 「かあーっ!そんな不甲斐ない漢に見えるが?」

 心底怒ってるふりをする。そんな私に甘いんじゃ他のサーヴァントになんていわたものか。でもこのなんでもないやり取りがとても心地よい。

「うそうそ。以蔵さんならすぐ気づいてくれるって信じてるから」

ね?それじゃあ、指切りしよう。
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