第4章 最後の元帥
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「九番ゲート開通です」
『御疲れ様、アレン』
「アイリーン、済みません…ついて来てもらった上に待たせてしまって」
『あら、構わないのよ、私は貴方の護衛なのだから』
今日は特別任務だ。
旧本部と新本部を繋ぐ方舟のゲートを開く為に一足先に新本部に乗り込んだアレンとコムイ、ジョニー、リナリーの四人の護衛が私の仕事だった。
『御茶を用意したわ、皆で休憩しましょ』
“みたらし団子もあるわよ”と付け足せば、アレンは目をキラキラさせて喜んだ。うん、可愛い。
『談話室で食べましょ。そうそう、ここの図書室凄いのよ貴方が方舟を繋いでる間にちょっと見て来たんだけど、面白い本が沢山あったわ』
ラビが喜びそうだと言おうとした瞬間、それは静かに現れた。
顔を仮面で隠し、ロードをすっぽりと被った集団…見るからに怪しい。
「アイリーン・ネイピア元帥…申し訳ありませんが、アレン・ウォーカーを御借りします」
『何の用かしら…私、貴方達の様なモノを知らないのだけど』
「我々に会うのは初めてでしたか…我等は中央庁の者です」
『……』
「ルベリエ長官がアレン・ウォーカーを呼んでいます」
『私は来るなと…』
「御待ち願います」
=深紅の仮面=
『アレンが連れて行かれたから何かと思ったら…貴方が何かしたの?』
そういう声と同時に俺の影からそいつは姿を現した。
長い銀髪に緋眼…エクソシストの団服に身を包んだ、──…今はアイリーンか…
「アレンに14番目の事を話した」
『………宿主の事を…?』
「あぁ…ルベリエとコムイも聞いていた」
『……だから明日来る予定だったブックマンとラビが方舟が繋がると同時に来たのね』
“それにあの子も…”ともらすアイリーンを手招きすると、アイリーンは側まで歩いて来て、そっと俺を抱き締めた。
「何で…アイツなんだろうな」
何でアレンなんだ…
『貴方は自分に何度も問い返した』
もっと他にもいた筈だ…消えても構わない様な奴が他にも…
何で…何でアレンを…
『でも結果は変わらなかったわ…変えられなかった…』
変えようが無い…
もう決まってしまっているのだから。
『もう信じるしか無いわ』
「信じる?」
『…奇跡を』
「お前がそんな事を言うだなんて…相当ヤバイなこの状況も」
思わず出た小さな笑いに応える様に、アイリーンは小さく唸った。
『情がわいてしまった。あの目の所為か…あの子は優し過ぎる』
“いや、元からか…”と話しながら、アイリーンは俺の膝にそっと腰掛けた。
『あの子は皆を護る為なら自ら“14番目になる”だなんて言いかねない様な子よ』
それが故に苦しい…
でももう初まってしまっている。
もう…
『「変えようが無い」』
アイリーンはクスリと笑うと、そっと俺に寄り掛かった。
『貴方も難儀な運命よね…14番目の関係者であり、ノアであるレイと14番目の宿主たるアレンの師匠なんだもの。……まあ、レイに引き合わせたのは私だけど』
そうだ、あの日…
「見知らぬ…しかも得体の知れない女にいきなり赤の他人の事を頼まれるとは思わなかった」
『私は…貴方が本当に引き受けてくれるとは思わなかったわ』
「いい女だったからな」
『まあ、有難う…でも褒めても何も出ないわよ』
“うふふ”と笑ったアイリーンは、次の瞬間“でも”と続けた。
『あまり近付かない方が良い…私は不幸を呼ぶわよ。或いは必要の無い苦悩をね』
確かに…苦悩はしてるな。色んな意味で。
でもそれは不幸を受けているわけでは無い……コイツが…破滅的に鈍感で、世話好きで、面倒な事ばっかりに首を突っ込むから悩むだけだ。
「お前は自分を下げ過ぎだ」
『永い時の中で色々あったもの』
アイリーンがそう口にした瞬間“コンコン”と部屋にノック音が響いた。
「防音術を解いてお前は戻れ」
『気配が無かったわ…』
何度もしつこく鳴るノックの相手の事だろう。
気配が無いか…怪しいが、出ないわけにはいかない。
「…戻れ」
『でも』
「戻って餓鬼達と一緒に居ろ」
コイツはまだレイとの関係を含め、色々と勘付かれていない。
進むにはコイツが自由に動けた方が良い。
そう思ってアイリーンの腕を振り払った。
『……何かあったら』
「分かってる」
クロスは、アイリーンがパチンッと指を鳴らして影の中に沈んで消えるのを確認すると“断罪者 ”に手を掛け、扉の向こうに向かって声を上げた。
「誰だ」
アイリーン、クロスが──…
「九番ゲート開通です」
『御疲れ様、アレン』
「アイリーン、済みません…ついて来てもらった上に待たせてしまって」
『あら、構わないのよ、私は貴方の護衛なのだから』
今日は特別任務だ。
旧本部と新本部を繋ぐ方舟のゲートを開く為に一足先に新本部に乗り込んだアレンとコムイ、ジョニー、リナリーの四人の護衛が私の仕事だった。
『御茶を用意したわ、皆で休憩しましょ』
“みたらし団子もあるわよ”と付け足せば、アレンは目をキラキラさせて喜んだ。うん、可愛い。
『談話室で食べましょ。そうそう、ここの図書室凄いのよ貴方が方舟を繋いでる間にちょっと見て来たんだけど、面白い本が沢山あったわ』
ラビが喜びそうだと言おうとした瞬間、それは静かに現れた。
顔を仮面で隠し、ロードをすっぽりと被った集団…見るからに怪しい。
「アイリーン・ネイピア元帥…申し訳ありませんが、アレン・ウォーカーを御借りします」
『何の用かしら…私、貴方達の様なモノを知らないのだけど』
「我々に会うのは初めてでしたか…我等は中央庁の者です」
『……』
「ルベリエ長官がアレン・ウォーカーを呼んでいます」
『私は来るなと…』
「御待ち願います」
=深紅の仮面=
『アレンが連れて行かれたから何かと思ったら…貴方が何かしたの?』
そういう声と同時に俺の影からそいつは姿を現した。
長い銀髪に緋眼…エクソシストの団服に身を包んだ、──…今はアイリーンか…
「アレンに14番目の事を話した」
『………宿主の事を…?』
「あぁ…ルベリエとコムイも聞いていた」
『……だから明日来る予定だったブックマンとラビが方舟が繋がると同時に来たのね』
“それにあの子も…”ともらすアイリーンを手招きすると、アイリーンは側まで歩いて来て、そっと俺を抱き締めた。
「何で…アイツなんだろうな」
何でアレンなんだ…
『貴方は自分に何度も問い返した』
もっと他にもいた筈だ…消えても構わない様な奴が他にも…
何で…何でアレンを…
『でも結果は変わらなかったわ…変えられなかった…』
変えようが無い…
もう決まってしまっているのだから。
『もう信じるしか無いわ』
「信じる?」
『…奇跡を』
「お前がそんな事を言うだなんて…相当ヤバイなこの状況も」
思わず出た小さな笑いに応える様に、アイリーンは小さく唸った。
『情がわいてしまった。あの目の所為か…あの子は優し過ぎる』
“いや、元からか…”と話しながら、アイリーンは俺の膝にそっと腰掛けた。
『あの子は皆を護る為なら自ら“14番目になる”だなんて言いかねない様な子よ』
それが故に苦しい…
でももう初まってしまっている。
もう…
『「変えようが無い」』
アイリーンはクスリと笑うと、そっと俺に寄り掛かった。
『貴方も難儀な運命よね…14番目の関係者であり、ノアであるレイと14番目の宿主たるアレンの師匠なんだもの。……まあ、レイに引き合わせたのは私だけど』
そうだ、あの日…
「見知らぬ…しかも得体の知れない女にいきなり赤の他人の事を頼まれるとは思わなかった」
『私は…貴方が本当に引き受けてくれるとは思わなかったわ』
「いい女だったからな」
『まあ、有難う…でも褒めても何も出ないわよ』
“うふふ”と笑ったアイリーンは、次の瞬間“でも”と続けた。
『あまり近付かない方が良い…私は不幸を呼ぶわよ。或いは必要の無い苦悩をね』
確かに…苦悩はしてるな。色んな意味で。
でもそれは不幸を受けているわけでは無い……コイツが…破滅的に鈍感で、世話好きで、面倒な事ばっかりに首を突っ込むから悩むだけだ。
「お前は自分を下げ過ぎだ」
『永い時の中で色々あったもの』
アイリーンがそう口にした瞬間“コンコン”と部屋にノック音が響いた。
「防音術を解いてお前は戻れ」
『気配が無かったわ…』
何度もしつこく鳴るノックの相手の事だろう。
気配が無いか…怪しいが、出ないわけにはいかない。
「…戻れ」
『でも』
「戻って餓鬼達と一緒に居ろ」
コイツはまだレイとの関係を含め、色々と勘付かれていない。
進むにはコイツが自由に動けた方が良い。
そう思ってアイリーンの腕を振り払った。
『……何かあったら』
「分かってる」
クロスは、アイリーンがパチンッと指を鳴らして影の中に沈んで消えるのを確認すると“
「誰だ」
アイリーン、クロスが──…