第4章 最後の元帥
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
87
右手にジャスデロ…
左手にデビット…
二人と手を繋いで歩く初めての世界。
町は人間と少しのアクマで溢れてて…
本に書いてあった様に、同じような建物で並んで出来上がっていた。
住居の他にも色々なお店があって、二人を引っ張って目に付いたお店に片っ端から入った。
凄くドキドキして、ワクワクして…
沢山の“初めて”を経験した。
全てが輝いて見えて…
楽しくて楽しくて仕方無かった。
だから今までで一番幸せなこの時間を…
記憶に焼き付ける。
心に大事にしまう。
メモリーに保存する。
きっと永遠に色あせない…
私達の約束が叶った日──…
=姫様の結婚=
「先日の舞踏会はご苦労様」
千年公と一緒に訪れた兄のシェリルの家…
通されたテラスで、千年公と紅茶を飲んでいると、そう声を掛けられた。
「あーゆー仕事が一番疲れる」
ロードが良い情報をくれたから受けただけだ。舞踏会なんか本当なら行きたくなかった。
「貴族に顔を効かせておくのは大切だよ。千年公、ティッキーもそろそろ結婚させちゃったらどうかな?この子なら良いパイプのご令嬢が選り取り見取りだよ」
「本人がいいのなら構いませんよ」
「冗談でしょ」
止めて欲しい…そんな事になったら最悪だ。
普通の人間と…ましてや貴族と家庭を持つなんて考えただけで嫌だ。
「楽しいよ~、こうゆう生活も」
キラキラと目を輝かせながらそう話し出したシェリルにティキは“またか”と溜め息を吐いた。
「病弱で慎ましい妻、白い犬、美しい庭…かわいい愛娘!!」
何度熱弁されたか分からない。
庭で母親のトリシア達と話していたロードが“お父様ぁ~!”と手を振って走ってくると、シェリルは鼻血を噴いた。
うん、相変わらず気持ち悪くてウザイ。
「このプレイたまらない…親子万歳!!!結婚してほんっっと、良かった!」
「ロードを養女にしたかっただけだろうが、お前」
「妬いてるのティッキー?美しいキミにも勿論僕は感じてるよ」
「鳥肌が止まらねぇよ」
心臓も止まるかもしれない。
「そうそう、家族といえばさ…」
「何だよ」
「僕、初めて姫に会ったんだけどさ、何あれ!!可愛いったらもう!!!千年公、姫も養女にしちゃ駄目?」
「駄目だろ」
「駄目ですよ」
駄目っていうか止めて欲しい。
「え~、残念…可愛いのに」
こいつは可愛けりゃ何でもありなんだろうか。
レイを養女にするって…
「じゃあ、ティッキーのお嫁さんは?」
「……………は?」
「どういう事ですか」
「だ~か~ら~、レイをティッキーのお嫁さんにするのは?美男美女だからきっと可愛い子が産まれるよ♪
そしたら僕は可愛い姫の義兄で、まだ見ぬ二人の可愛い娘の伯父様!!夢の最強プレイじゃない!!!」
「ホント腐ってんな、お前…」
突っ込みどころが満載過ぎる。
もうどこから突っ込めば良いのか分からない。
「レイは我輩の愛娘ですよ。ティッキーのお嫁さんだなんて……想像しただけで涙が止まりませんよ」
いつもの格好なら兎も角、人間の姿でぐじぐじ泣かれると困る。
見た目が何かこう…
「それにティッキーと結婚させたらジャスデビが反乱起こしますよ」
「……」
「え、何?あの二人、姫が好きなの?」
「困っちゃいますよね~うちの子が可愛過ぎるんですよ」
涙で湿ったハンカチを絞りながら千年公がそう言った瞬間、駆けて来たロードがちょこんと俺の膝に両手を付いた。
「何の話ぃ~?」
変態度合いが増した。
そう言ってやろうとしたが、ロードを追って歩いて来たトリシアが目に入ったので止めた。
「…このウザイ髪を切りたいなって話」
「えぇ~!!ヤダ、まだ見てたい!」
“切ったらコロスッ!”と言って腹部を思い切り殴られた瞬間、やっぱり遠慮しないで言ってやれば良かったと思った。
「…っ」
「…アレンに斬られたトコ…まだ痛い?」
「っ…心配?」
「ロード!叔父様に失礼でしょ?」
ロードが何か答えようとした瞬間、トリシアがそう言ってロードを抱き上げた。
「いいよトリシア、慣れてる」
なんなら宿題手伝わされるより全然いい気さえする。
「それよりそろそろ部屋に戻った方がいいんじゃないか?」
“顔色が悪いよ”と口にすれば、シェリルが立ち上がってトリシアからロードを受け取った。
「トリシア…ロードは私がみてる」
「すみません、あなた」
トリシアは千年公に挨拶をすると、屋敷の中に戻って行った。
「“アレン”って言えば…ルルの奴が恨めしそうに泣いてたよね。“卵”取り戻せたけど壊れちゃったんだって?」
「そー…でも今新しいの作ってるんだよね、千年公ぉ」
「計画に支障は?」
「誤差の範囲でしょう。守化縷も増員しましたし…それよりも教団に“卵”を調べられる方が問題でした。
彼等はAKUMAをただの殺人兵器だとしか思っていない。あれが進化する事がどんな意味を持つのか知らない…それでよいのですよ」
「でも“14番目”の事は予想外…当時の事は知らないけど、彼相当僕らの事恨んでるんじゃない?よりによってイノセンスなんかと手を組んできた」
「正体を知っててイノセンスが取り憑いたのかもよ?」
「正体を知ってて?」
イノセンスと14番目が手を組んだ…?
「レイの団服はエクソシストのものだった。戻って来た時にイノセンスは持ってなかったけど…
“レイは装備型のエクソシストで、姿を現す前に誰かにイノセンスを預けた”って考えたらしっくりいくじゃん」
イノセンスを持ってなかったからはったりかとも思ったが…そう考えた方が辻褄が合うか・・
「ノアであるレイを…よりによってレイに取り憑いて、アレンにも……わざとじゃないの~?」
「ロード……なんだか“アレン”って言う時、声優し…」
「“14番目”ねぇ。俺も当時の事は知らないけど奴は何をしようとしたわけ?」
シェリルの声を遮ってそう言ったティキに答えたのはロードだった。
「彼は千年公を殺そうとしたんだよ」
千年公を殺そうとした…?
ノアが仲間を?メモリーを持っているのに?
「そして多分今もまだ…」
『チィ~!!!』
そう声がした庭を見ると、遠くで黒地に赤のドレスを身に纏ったレイが楽しそうに手を振っていた。
「どこに行ってたんですか?」
「庭散歩したい~って、庭一周の旅だよぉ」
レイを挟む様に護衛アクマのユエと、ブランドの髪に小麦色の肌の見た事の無い女が立っていた。
女の持った日傘がレイに小さな影を落としている。
やっと会えた…
レイに会いたかったからわざわざ嫌いな舞踏会に出て、今日ここに来れる様にしたのだから。
「そういえばさぁ~さっき何の話してたの~?」
ロードがレイに手を振りながらそう言い、シェリルがフフッと楽しそうに笑った。
「ティッキーと姫を結婚させたらどうかと思ったんだけどね、双子がうるさいらしいよ」
「ジャスデビが許すわけ無いよ~あの二人はレイに依存してるし、それにレイは二人が大事だから、二人が嫌がる事は…余程の事が無い限りしないんじゃないかなぁ~」
「そんなに気に入ってるのかい?」
レイに振っていた手を下ろしたロードは“だってぇ”と言って困った様に笑った。
「ジャスデビがレイに夢を与えて…それを現実にしたんだから」
レイはきっと千年公が大好きで…
でも、もしかしたらそれ以上に…いつも側に居てくれるユエやシャール、自分の願いを叶え様としてくれているジャスデビが大切なのかもしれない。
そう思ったら…取り敢えず…
ユエを壊したくなった。
俺は記憶にさえ残ってないのに、アイツ等は…
そういう気持ちが体を支配して何だか胸が痛かった。
「ティッキー」
ロードにそう声を掛けられて、ティキは顔を上げた。
「ティッキー、僕はティッキーにならレイを上げてもいいなって思ってるんだよぉ?」
「……は?」
「さすが愛娘!僕と同じ意見だね♡」
「ロード、我輩は許してませんよ。レイはお嫁に出しません」
「千年公はこう言ってるけど、ジャスデビはねぇ~二人も相手にしたらレイの身体がもたないよ」
「お前、何口走ってるか分かってるか?」
「何変な事考えてるのぉ、エロティッキー」
「……」
固まったティキを見て声を上げて笑ったロードは、ティキの手を取ると、グイッと引っ張ってティキを立たせた。
「おい」
「レイに紹介してあげるよ」
「ロード…」
「千年公~、レイの中のティッキーを閉じ込めちゃったのは千年公なんだから、紹介するくらい良いじゃん」
「……仕方無いですね」
ロードは“やった”とティキの腕を引いて駆け出した。
「ぉ、おい、ロード!」
「うるさい!ティッキー、かっこよくね!第一印象は大事だよぉ~!」
「はいはい」
「あー…でもユエの方がかっこいいかなぁ」
「おい」
「ティッキー!」
「あ?」
「もう一回始めようね」
へへっと笑ったロードは、俺の腕を引いて走りながら“レイ~!”とレイに手を振った。
「あぁ…そうだな」
俺を覚えててくれてないのは悲しいけど…
もう一度始めよう。
もう一度…
初めましてから──…
右手にジャスデロ…
左手にデビット…
二人と手を繋いで歩く初めての世界。
町は人間と少しのアクマで溢れてて…
本に書いてあった様に、同じような建物で並んで出来上がっていた。
住居の他にも色々なお店があって、二人を引っ張って目に付いたお店に片っ端から入った。
凄くドキドキして、ワクワクして…
沢山の“初めて”を経験した。
全てが輝いて見えて…
楽しくて楽しくて仕方無かった。
だから今までで一番幸せなこの時間を…
記憶に焼き付ける。
心に大事にしまう。
メモリーに保存する。
きっと永遠に色あせない…
私達の約束が叶った日──…
=姫様の結婚=
「先日の舞踏会はご苦労様」
千年公と一緒に訪れた兄のシェリルの家…
通されたテラスで、千年公と紅茶を飲んでいると、そう声を掛けられた。
「あーゆー仕事が一番疲れる」
ロードが良い情報をくれたから受けただけだ。舞踏会なんか本当なら行きたくなかった。
「貴族に顔を効かせておくのは大切だよ。千年公、ティッキーもそろそろ結婚させちゃったらどうかな?この子なら良いパイプのご令嬢が選り取り見取りだよ」
「本人がいいのなら構いませんよ」
「冗談でしょ」
止めて欲しい…そんな事になったら最悪だ。
普通の人間と…ましてや貴族と家庭を持つなんて考えただけで嫌だ。
「楽しいよ~、こうゆう生活も」
キラキラと目を輝かせながらそう話し出したシェリルにティキは“またか”と溜め息を吐いた。
「病弱で慎ましい妻、白い犬、美しい庭…かわいい愛娘!!」
何度熱弁されたか分からない。
庭で母親のトリシア達と話していたロードが“お父様ぁ~!”と手を振って走ってくると、シェリルは鼻血を噴いた。
うん、相変わらず気持ち悪くてウザイ。
「このプレイたまらない…親子万歳!!!結婚してほんっっと、良かった!」
「ロードを養女にしたかっただけだろうが、お前」
「妬いてるのティッキー?美しいキミにも勿論僕は感じてるよ」
「鳥肌が止まらねぇよ」
心臓も止まるかもしれない。
「そうそう、家族といえばさ…」
「何だよ」
「僕、初めて姫に会ったんだけどさ、何あれ!!可愛いったらもう!!!千年公、姫も養女にしちゃ駄目?」
「駄目だろ」
「駄目ですよ」
駄目っていうか止めて欲しい。
「え~、残念…可愛いのに」
こいつは可愛けりゃ何でもありなんだろうか。
レイを養女にするって…
「じゃあ、ティッキーのお嫁さんは?」
「……………は?」
「どういう事ですか」
「だ~か~ら~、レイをティッキーのお嫁さんにするのは?美男美女だからきっと可愛い子が産まれるよ♪
そしたら僕は可愛い姫の義兄で、まだ見ぬ二人の可愛い娘の伯父様!!夢の最強プレイじゃない!!!」
「ホント腐ってんな、お前…」
突っ込みどころが満載過ぎる。
もうどこから突っ込めば良いのか分からない。
「レイは我輩の愛娘ですよ。ティッキーのお嫁さんだなんて……想像しただけで涙が止まりませんよ」
いつもの格好なら兎も角、人間の姿でぐじぐじ泣かれると困る。
見た目が何かこう…
「それにティッキーと結婚させたらジャスデビが反乱起こしますよ」
「……」
「え、何?あの二人、姫が好きなの?」
「困っちゃいますよね~うちの子が可愛過ぎるんですよ」
涙で湿ったハンカチを絞りながら千年公がそう言った瞬間、駆けて来たロードがちょこんと俺の膝に両手を付いた。
「何の話ぃ~?」
変態度合いが増した。
そう言ってやろうとしたが、ロードを追って歩いて来たトリシアが目に入ったので止めた。
「…このウザイ髪を切りたいなって話」
「えぇ~!!ヤダ、まだ見てたい!」
“切ったらコロスッ!”と言って腹部を思い切り殴られた瞬間、やっぱり遠慮しないで言ってやれば良かったと思った。
「…っ」
「…アレンに斬られたトコ…まだ痛い?」
「っ…心配?」
「ロード!叔父様に失礼でしょ?」
ロードが何か答えようとした瞬間、トリシアがそう言ってロードを抱き上げた。
「いいよトリシア、慣れてる」
なんなら宿題手伝わされるより全然いい気さえする。
「それよりそろそろ部屋に戻った方がいいんじゃないか?」
“顔色が悪いよ”と口にすれば、シェリルが立ち上がってトリシアからロードを受け取った。
「トリシア…ロードは私がみてる」
「すみません、あなた」
トリシアは千年公に挨拶をすると、屋敷の中に戻って行った。
「“アレン”って言えば…ルルの奴が恨めしそうに泣いてたよね。“卵”取り戻せたけど壊れちゃったんだって?」
「そー…でも今新しいの作ってるんだよね、千年公ぉ」
「計画に支障は?」
「誤差の範囲でしょう。守化縷も増員しましたし…それよりも教団に“卵”を調べられる方が問題でした。
彼等はAKUMAをただの殺人兵器だとしか思っていない。あれが進化する事がどんな意味を持つのか知らない…それでよいのですよ」
「でも“14番目”の事は予想外…当時の事は知らないけど、彼相当僕らの事恨んでるんじゃない?よりによってイノセンスなんかと手を組んできた」
「正体を知っててイノセンスが取り憑いたのかもよ?」
「正体を知ってて?」
イノセンスと14番目が手を組んだ…?
「レイの団服はエクソシストのものだった。戻って来た時にイノセンスは持ってなかったけど…
“レイは装備型のエクソシストで、姿を現す前に誰かにイノセンスを預けた”って考えたらしっくりいくじゃん」
イノセンスを持ってなかったからはったりかとも思ったが…そう考えた方が辻褄が合うか・・
「ノアであるレイを…よりによってレイに取り憑いて、アレンにも……わざとじゃないの~?」
「ロード……なんだか“アレン”って言う時、声優し…」
「“14番目”ねぇ。俺も当時の事は知らないけど奴は何をしようとしたわけ?」
シェリルの声を遮ってそう言ったティキに答えたのはロードだった。
「彼は千年公を殺そうとしたんだよ」
千年公を殺そうとした…?
ノアが仲間を?メモリーを持っているのに?
「そして多分今もまだ…」
『チィ~!!!』
そう声がした庭を見ると、遠くで黒地に赤のドレスを身に纏ったレイが楽しそうに手を振っていた。
「どこに行ってたんですか?」
「庭散歩したい~って、庭一周の旅だよぉ」
レイを挟む様に護衛アクマのユエと、ブランドの髪に小麦色の肌の見た事の無い女が立っていた。
女の持った日傘がレイに小さな影を落としている。
やっと会えた…
レイに会いたかったからわざわざ嫌いな舞踏会に出て、今日ここに来れる様にしたのだから。
「そういえばさぁ~さっき何の話してたの~?」
ロードがレイに手を振りながらそう言い、シェリルがフフッと楽しそうに笑った。
「ティッキーと姫を結婚させたらどうかと思ったんだけどね、双子がうるさいらしいよ」
「ジャスデビが許すわけ無いよ~あの二人はレイに依存してるし、それにレイは二人が大事だから、二人が嫌がる事は…余程の事が無い限りしないんじゃないかなぁ~」
「そんなに気に入ってるのかい?」
レイに振っていた手を下ろしたロードは“だってぇ”と言って困った様に笑った。
「ジャスデビがレイに夢を与えて…それを現実にしたんだから」
レイはきっと千年公が大好きで…
でも、もしかしたらそれ以上に…いつも側に居てくれるユエやシャール、自分の願いを叶え様としてくれているジャスデビが大切なのかもしれない。
そう思ったら…取り敢えず…
ユエを壊したくなった。
俺は記憶にさえ残ってないのに、アイツ等は…
そういう気持ちが体を支配して何だか胸が痛かった。
「ティッキー」
ロードにそう声を掛けられて、ティキは顔を上げた。
「ティッキー、僕はティッキーにならレイを上げてもいいなって思ってるんだよぉ?」
「……は?」
「さすが愛娘!僕と同じ意見だね♡」
「ロード、我輩は許してませんよ。レイはお嫁に出しません」
「千年公はこう言ってるけど、ジャスデビはねぇ~二人も相手にしたらレイの身体がもたないよ」
「お前、何口走ってるか分かってるか?」
「何変な事考えてるのぉ、エロティッキー」
「……」
固まったティキを見て声を上げて笑ったロードは、ティキの手を取ると、グイッと引っ張ってティキを立たせた。
「おい」
「レイに紹介してあげるよ」
「ロード…」
「千年公~、レイの中のティッキーを閉じ込めちゃったのは千年公なんだから、紹介するくらい良いじゃん」
「……仕方無いですね」
ロードは“やった”とティキの腕を引いて駆け出した。
「ぉ、おい、ロード!」
「うるさい!ティッキー、かっこよくね!第一印象は大事だよぉ~!」
「はいはい」
「あー…でもユエの方がかっこいいかなぁ」
「おい」
「ティッキー!」
「あ?」
「もう一回始めようね」
へへっと笑ったロードは、俺の腕を引いて走りながら“レイ~!”とレイに手を振った。
「あぁ…そうだな」
俺を覚えててくれてないのは悲しいけど…
もう一度始めよう。
もう一度…
初めましてから──…