第3章 封印された箱
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「人間なんて奪われるだけで、何も選択できずに死んじまう」
少年の腕が自己修復した瞬間。
「その弱小さに愛しさは感じても、恐れなんてヘドがでる」
あの瞬間…
体が死んだ感触がした。
「なぁ、少年」
あの衝撃は…
イノセンスの気に押されたのか?
「お前を好きな俺のままでいさせてくれよ…」
それとも…
「俺に壊されろ、少年」
=クラウン・クラウン=
「苦しいか、少年」
息も出来ないし体も動かない。
そんな中、そうティキ・ミックの声が頭に響いた。
「息ができない様に空気を排除したんだから当たり前だよな」
空気を…排除…
「俺はもちろん、この中でも自由だけどな」
徐々に薄れてゆく意識の中、イノセンスが解除されるのが見えた。
しまった…イノ…センス…
「まだ意識があるのか…無駄だ、無駄。もうやめとけよ、少年」
これが無いと、僕は戦えないのに…クソ…
「その道化はお前の死体と一緒にキレイに壊しといてやる」
真空のせいか?
腕が締め付けられる。
意識も…もう…保っ…てられな……
『そんなんじゃ駄目だよぉ』
……レイ…?
『アレン、自棄になってるじゃん』
これは何だ…
『動揺したり、苛々したり、焦ったりしすぎなんだよ、アレンは』
居ない筈のレイの聞いた事のある言葉…これは…
『大丈夫だよ』
記憶…?
『大丈夫だから落ち着いて…イノセンスと自分の事だけを考えなくちゃ』
イノセンスと僕の事…
『アレンはどうしたいの?イノセンスとどうありたいの?』
そうだ…そうだった。
フォーと稽古を始める前にレイに言われたじゃないか…
集中しろ…集中するんだ。
『アレンを選んだそのイノセンスを信じてあげて』
苦しいし、痛い…それを無視して左手に集中する。
瞬間“ドッ”と胸を押された感じがして閉じていた目を開くと、いつかの様にティキ・ミックの手が胸に突き刺さる様に沈んでいた。
「何する気か知らないが…させるかよ」
鷲掴みにされた心臓がドクッと脈打った。
「このまま心臓を抜き取ってやる」
集中しろ…集中するんだ。
イノセンスと同調 する事だけを考えろ。
『思い描いてね…アレン』
「ッ…体から光が」
「イノ…セ…ンス」
左はアクマの為に…
右は人間の為に…
どちらも救済する。
あの時決めたじゃないか…
僕とお前はふたりでひとつだ。
「信じ…るよ…レイ」
イノセンスは僕を連れて行ってくれる。
僕が信じる世界へ。
だから掴んだ左手を…イノセンスを…
僕は迷わずに引き抜いた。
「神ノ道化 発動!」
ねぇ、レイ…
君は何を思い描いたんですか──…?
「人間なんて奪われるだけで、何も選択できずに死んじまう」
少年の腕が自己修復した瞬間。
「その弱小さに愛しさは感じても、恐れなんてヘドがでる」
あの瞬間…
体が死んだ感触がした。
「なぁ、少年」
あの衝撃は…
イノセンスの気に押されたのか?
「お前を好きな俺のままでいさせてくれよ…」
それとも…
「俺に壊されろ、少年」
=クラウン・クラウン=
「苦しいか、少年」
息も出来ないし体も動かない。
そんな中、そうティキ・ミックの声が頭に響いた。
「息ができない様に空気を排除したんだから当たり前だよな」
空気を…排除…
「俺はもちろん、この中でも自由だけどな」
徐々に薄れてゆく意識の中、イノセンスが解除されるのが見えた。
しまった…イノ…センス…
「まだ意識があるのか…無駄だ、無駄。もうやめとけよ、少年」
これが無いと、僕は戦えないのに…クソ…
「その道化はお前の死体と一緒にキレイに壊しといてやる」
真空のせいか?
腕が締め付けられる。
意識も…もう…保っ…てられな……
『そんなんじゃ駄目だよぉ』
……レイ…?
『アレン、自棄になってるじゃん』
これは何だ…
『動揺したり、苛々したり、焦ったりしすぎなんだよ、アレンは』
居ない筈のレイの聞いた事のある言葉…これは…
『大丈夫だよ』
記憶…?
『大丈夫だから落ち着いて…イノセンスと自分の事だけを考えなくちゃ』
イノセンスと僕の事…
『アレンはどうしたいの?イノセンスとどうありたいの?』
そうだ…そうだった。
フォーと稽古を始める前にレイに言われたじゃないか…
集中しろ…集中するんだ。
『アレンを選んだそのイノセンスを信じてあげて』
苦しいし、痛い…それを無視して左手に集中する。
瞬間“ドッ”と胸を押された感じがして閉じていた目を開くと、いつかの様にティキ・ミックの手が胸に突き刺さる様に沈んでいた。
「何する気か知らないが…させるかよ」
鷲掴みにされた心臓がドクッと脈打った。
「このまま心臓を抜き取ってやる」
集中しろ…集中するんだ。
イノセンスと
『思い描いてね…アレン』
「ッ…体から光が」
「イノ…セ…ンス」
左はアクマの為に…
右は人間の為に…
どちらも救済する。
あの時決めたじゃないか…
僕とお前はふたりでひとつだ。
「信じ…るよ…レイ」
イノセンスは僕を連れて行ってくれる。
僕が信じる世界へ。
だから掴んだ左手を…イノセンスを…
僕は迷わずに引き抜いた。
「
ねぇ、レイ…
君は何を思い描いたんですか──…?