第1章 ノアの少女
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6
『「あ…」』
ある日の昼下がり…
休日だからといって珍しく近くの街に買い物に出たのが悪かった。
=二つの約束=
雲一つ無い快晴の日‥
アレンとユウが任務で出てしまって暇になったレイは、ユエに留守番を頼み一人街に出掛けた。気晴しに一人で買い物でも楽しもうと思ったのだ。
しかし今思えば、買い物なんかしようと思わなければ良かった。
目の前に立つは二人の少年…
ウルフカットの黒髪と長いウェーブがかった可愛い金髪の二人の少年には見覚えがあった。
『じゃ…ジャスデビ』
黒髪の少年、デビットはニヤッと口角を上げて笑うと、後退ろうとしたレイに一瞬で近付き首に腕を回し、レイの額に自分の額をくっつけた。
「どこ行ってたんだよ、レイ?」
「ヒヒッ姫さん久しぶり~会うのいつぶりだろーね、ヒヒッ」
金髪の少年ジャスデロが笑いながら顔を覗き込んでくる。相変わらず体勢が普通じゃない……背骨、大丈夫なのか?
「ジャスデロ、ちょっと黙ってろ」
「あいよ、ヒヒッ」
「で、どこ行ってたんだよ?ん‥なんだ、髪切っちまったのか?」
『……秘密。髪は姿を戻せば長く戻るよ』
「ふ~ん、戻んのか。それはそうと…秘密ぅ?俺等は四年間心配して捜し続けたんだぜ?」
『ゔ‥』
それを言われると痛い。
確に心配させたのは悪かったけど‥
「どこ行ってたんだ?話せよ、レイ…まさか男が出来たわけじゃねぇだろうな?」
……何でそうなるの?
デビットの頭の中は“家出=男”なのかな?
『いや、そりゃないけどさ』
「出来てねぇのか?まぁ、出来てたらソイツは即、死刑だけどなぁ」
デビットがカラカラ笑い、ジャスデロも同時に笑い出した。
二人が言うと洒落にならない。と言うか本当にやる予定なのだろう。
「ジャスデビに任せな、レイ」
『いや、任せられないよ』
「死刑だ」
『いや、だから死刑にしなくて良いから』
「ヒヒヒ‥死刑、死刑!!」
いいって言ってるのに…
『じゃあ、私は買い物済んだからここで‥』
レイは両腕に抱えた買い物袋を軽く上げ、袋の存在を二人に示した。
レディーにいつまで荷物を持たせる気かしら。
「帰っちゃうの?!」
『帰るよ』
「帰るって…勿論屋敷にだよな」
『今の私の帰る場所へよ』
「そりゃあ、無理だな」
そうデビットが言うと同時に、ジャスデロが拳銃を取り出してデビットとレイに銃口を向けた。
「ヒヒヒヒ、レイ~社長がずっと捜してるぜ~?」
『社長‥?』
社長って誰ですか。
うちの家族はいつから各付けする様になったんだろう…‥私の役職って何なのかな?
レイが色々考えているとデビットが“おい、レイ…千年公の事だぜ、千年公”と口を出した。
千年公が捜してる‥
私を‥私の──…‥
『…デビットは連れて帰るの?私を…あそこに連れて帰るの?』
ジャスデロが心配そうに私とデビットを交互に見ていたが、気にせず話を続けた。
『約束破ったのは悪いと思ってる…でも連れて帰らないで!嫌だよ‥デビットもデロもチィもロードもレロも大好きだけど…だけど嫌なの…あそこには戻らない。私は自分でそう決めたの』
デビットは暫くレイを見つめていたが、暫くすると深く溜め息を吐いた。
「分かったよ、千年公にはレイの事は報告しねぇ。バレても逃げられたっつぅよ」
そう聞いたレイはたちまち笑顔になると、手にしていた荷物を忘れてデビットに抱き付いた。
ドサドサと荷物が地面に転がり、ジャスデロが慌ててそれを拾う。
嬉しくて仕方無かった。まだあそこに居れる…
『ありがと、デビット!!』
「はいはい、手間のかかる姫さんだぜ…まったく」
デビットは自分に抱き付いているレイを離すと、頬に手を添え、レイに口付けた。
『っ…?!』
「口止料」
デビットがケラケラ笑い、レイはデビットをジャスデロに向かって勢い良く突き飛ばした。
「うぉ?!」
「ニヒヒヒッ」
『とっとと帰れ!この…ッ、ふ、不良双子!!』
レイは頬を‥顔を真っ赤に染めながらそう言い捨てると、ジャスデロの手にした荷物を奪う様に取って、人混みに紛れて消え去った。
残されたデビットは拳銃を取り出し、銃口をジャスデロに向けながら体勢を整える。
「ヒヒヒ、何かデロも怒られた!」
「連帯責任だ、 連帯責任!」
「得したのデビットだけだよ!」
「したもん勝ちだ、したもん勝ち」
「じゃあデロも今度したもん勝ちしよ~」
帰りたくないわけじゃない‥
家族は大好きだから…
唯、あの部屋から出れないのが嫌だから‥
人を傷付けるのが嫌だから…
アクマを助けたいから…‥
教団の仲間が大事だから‥
あの音が気になるから…
あの声が気になるから…‥
だから帰んないよ‥チィ…‥
まだ帰れないよ、チィ…
夢にミルは───‥でしょ?
…方舟────…‥
『「あ…」』
ある日の昼下がり…
休日だからといって珍しく近くの街に買い物に出たのが悪かった。
=二つの約束=
雲一つ無い快晴の日‥
アレンとユウが任務で出てしまって暇になったレイは、ユエに留守番を頼み一人街に出掛けた。気晴しに一人で買い物でも楽しもうと思ったのだ。
しかし今思えば、買い物なんかしようと思わなければ良かった。
目の前に立つは二人の少年…
ウルフカットの黒髪と長いウェーブがかった可愛い金髪の二人の少年には見覚えがあった。
『じゃ…ジャスデビ』
黒髪の少年、デビットはニヤッと口角を上げて笑うと、後退ろうとしたレイに一瞬で近付き首に腕を回し、レイの額に自分の額をくっつけた。
「どこ行ってたんだよ、レイ?」
「ヒヒッ姫さん久しぶり~会うのいつぶりだろーね、ヒヒッ」
金髪の少年ジャスデロが笑いながら顔を覗き込んでくる。相変わらず体勢が普通じゃない……背骨、大丈夫なのか?
「ジャスデロ、ちょっと黙ってろ」
「あいよ、ヒヒッ」
「で、どこ行ってたんだよ?ん‥なんだ、髪切っちまったのか?」
『……秘密。髪は姿を戻せば長く戻るよ』
「ふ~ん、戻んのか。それはそうと…秘密ぅ?俺等は四年間心配して捜し続けたんだぜ?」
『ゔ‥』
それを言われると痛い。
確に心配させたのは悪かったけど‥
「どこ行ってたんだ?話せよ、レイ…まさか男が出来たわけじゃねぇだろうな?」
……何でそうなるの?
デビットの頭の中は“家出=男”なのかな?
『いや、そりゃないけどさ』
「出来てねぇのか?まぁ、出来てたらソイツは即、死刑だけどなぁ」
デビットがカラカラ笑い、ジャスデロも同時に笑い出した。
二人が言うと洒落にならない。と言うか本当にやる予定なのだろう。
「ジャスデビに任せな、レイ」
『いや、任せられないよ』
「死刑だ」
『いや、だから死刑にしなくて良いから』
「ヒヒヒ‥死刑、死刑!!」
いいって言ってるのに…
『じゃあ、私は買い物済んだからここで‥』
レイは両腕に抱えた買い物袋を軽く上げ、袋の存在を二人に示した。
レディーにいつまで荷物を持たせる気かしら。
「帰っちゃうの?!」
『帰るよ』
「帰るって…勿論屋敷にだよな」
『今の私の帰る場所へよ』
「そりゃあ、無理だな」
そうデビットが言うと同時に、ジャスデロが拳銃を取り出してデビットとレイに銃口を向けた。
「ヒヒヒヒ、レイ~社長がずっと捜してるぜ~?」
『社長‥?』
社長って誰ですか。
うちの家族はいつから各付けする様になったんだろう…‥私の役職って何なのかな?
レイが色々考えているとデビットが“おい、レイ…千年公の事だぜ、千年公”と口を出した。
千年公が捜してる‥
私を‥私の──…‥
『…デビットは連れて帰るの?私を…あそこに連れて帰るの?』
ジャスデロが心配そうに私とデビットを交互に見ていたが、気にせず話を続けた。
『約束破ったのは悪いと思ってる…でも連れて帰らないで!嫌だよ‥デビットもデロもチィもロードもレロも大好きだけど…だけど嫌なの…あそこには戻らない。私は自分でそう決めたの』
デビットは暫くレイを見つめていたが、暫くすると深く溜め息を吐いた。
「分かったよ、千年公にはレイの事は報告しねぇ。バレても逃げられたっつぅよ」
そう聞いたレイはたちまち笑顔になると、手にしていた荷物を忘れてデビットに抱き付いた。
ドサドサと荷物が地面に転がり、ジャスデロが慌ててそれを拾う。
嬉しくて仕方無かった。まだあそこに居れる…
『ありがと、デビット!!』
「はいはい、手間のかかる姫さんだぜ…まったく」
デビットは自分に抱き付いているレイを離すと、頬に手を添え、レイに口付けた。
『っ…?!』
「口止料」
デビットがケラケラ笑い、レイはデビットをジャスデロに向かって勢い良く突き飛ばした。
「うぉ?!」
「ニヒヒヒッ」
『とっとと帰れ!この…ッ、ふ、不良双子!!』
レイは頬を‥顔を真っ赤に染めながらそう言い捨てると、ジャスデロの手にした荷物を奪う様に取って、人混みに紛れて消え去った。
残されたデビットは拳銃を取り出し、銃口をジャスデロに向けながら体勢を整える。
「ヒヒヒ、何かデロも怒られた!」
「連帯責任だ、 連帯責任!」
「得したのデビットだけだよ!」
「したもん勝ちだ、したもん勝ち」
「じゃあデロも今度したもん勝ちしよ~」
帰りたくないわけじゃない‥
家族は大好きだから…
唯、あの部屋から出れないのが嫌だから‥
人を傷付けるのが嫌だから…
アクマを助けたいから…‥
教団の仲間が大事だから‥
あの音が気になるから…
あの声が気になるから…‥
だから帰んないよ‥チィ…‥
まだ帰れないよ、チィ…
夢にミルは───‥でしょ?
…方舟────…‥