第3章 封印された箱
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
52
「諦めなって、もう無理ムリ!」
ぐったりと床に横たわるクロウリーを突つきながらジャスデビはそう言ってからからと笑った。
体はボロボロ、残りのアクマの血 は僕等が飲んじゃったからもうドーピングも出来無い。
「………どうかな?」
そうクロウリーの声が小さく響き、ジャスデビはピタリと笑うのを止めた。
「あ゙ぁ?」
「まだ…貴様等を道連れに…この部屋で果てるくらいは出来るぞ…」
瞬間、ジャスデビはクロウリーの頭をつかんで床に叩き付けた。
ゴッと鈍い音と共に赤黒い血が床に新しい染みをつくる。
「実現不可能だッつのッッ!!」
あぁ、もう…ウザイ。
いつになったら死ぬんだろう…部屋はもうギリギリの状態で崩壊までのタイムリミットが近い。
閉じ込めるか…
「終わりにしよう」
息も絶え絶えな吸血鬼の胸倉を掴んで引き上げる。
「さよーなら、吸血鬼」
「…い…行か…せるか………」
ウザイ…
「棺…いらないんだったっけ?」
ウザイウザイウザイウザイウザイウザイウザイウザイウザイウザイウザイウザイウザイウザイ…
ウザイ。
「想像しちゃった♪」
僕等はもうお前を見たくない。
僕等は…
早く奴等を追わなきゃ…
バカティキよりも早く捕まえて思い知らせ なきゃ…
僕等は…早くレイに会いたい。
「幾百の刃に、そのくっさい血を洗い流してもらいなッッ!!」
地から浮き出る様に現れた二つに割れた拷問具アイアンメイデンが“バアァアァァン”と音を立ててクロウリーをのみ込む瞬間、ジャスデビはパッとクロウリーの胸倉から手を離した。
拷問具であるアイアンメイデンの内側の数え切れない棘が、吸血鬼の体に食い込む。
吸血鬼が叫ぶ中、アイアンメイデンが奴の肉を立ち、骨を砕く音が聞こえる様な気がした。
「ふはは…ッ、あはははッ!!」
一度は力ずくでアイアンメイデンを押し開いて抜け出そうとした吸血鬼だが…無理に決まってる。
ボロボロで…血が殆ど抜けきった…
そんな衰弱しきった体で今更何が出来る?
案の定、奴の伸ばした右腕は僕等の前で空を切って止まり、その腕をアイアンメイデンの内側から挟めた状態で奴は事切れた。
あ──…
「マジ化物だった」
=冷えた体=
人は私に冷たかった…
村の外れの古城に沢山の収集物に囲まれて住む御祖父様と私。
人付き合いが悪かった所為か、奇妙な収集物の所為か、見た目の所為か…私達は“吸血鬼”とあだなされ怖れられていた。
幼い頃からずっと…
村人に避けられ、怖がられ、蔑まれ…
誰にも会わずに城に籠もって御祖父様の収集物の世話をしている内に、私は“自分も御祖父様の収集物 の一つなのではないだろうか”と感じる様になっていた。
だからエリアーデに出逢った時は凄く嬉しかった。
エリアーデは私を怖れずに接してくれる…唯一だった。
側に居てくれた…
でも、人を襲う化け物となり果てた私の恐怖を拭い去り、罪悪感を麻痺させる程の幸せで甘い時間は簡単に過ぎ行き…私はアレン達の訪問でエリアーデがアクマだと知った。
そして私はエリアーデを…
この手で壊した──…
私は愛してた者に自ら手を掛けて壊したのだ。
たとえアクマであっても…
愛していたのに…
愛する者、生きる意味。
全てを失った私にエリアーデを壊した理由 をくれたのがアレン達だった。
「僕、アレン・ウォーカーっていいます!アレンでいいですよ」
「俺、ラビね。後で合流するブックマンてじじぃの跡継ぎなんさ」
私はエリアーデ を殺したのではない…
「さ、行こう」
神の使徒に選ばれたからエリアーデ を破壊したのだ。
そう、理由をくれた。
そして…
「村人達の言う事なんて気にしなくていいから…クロウリーの事は僕等がちゃんと分かってますから」
二人は掛け替えの無い初めてのものになってくれた。
「一緒に行こう」
初めて村を出た。初めて汽車に乗った。
嬉しかったが、ラビに横抱きにされて眠り続ける短い黒髪の少女が気になってずっと大人しくしていた。
「その少女は…大丈夫なのであるか?」
私があの時、強く殴ってしまったから……だから…だから目覚めないんじゃないんだろうか。
「大丈夫…クロウリーの所為じゃないですよ」
「疲れて眠ってるだけさ」
そう言って優しく少女の頭を撫でるラビに足され、初めて乗った汽車の散策に出掛け、初めてポーカーをし、初めて…
イカサマのカモにされた。
アレンとラビが向かえに来てくれて、ポーカーの強いアレンが巻き上げられた物を取り返してくれた。
席へと戻ると私が出掛けるまで眠っていた少女は居なかった。
どこかへ出掛けている様だ。
「あの少女は…」
そう口にした瞬間、通路から黒い固まりが飛んできた。
目で追うと、ラビの腕に団服であるジャケットが収まっていた。
「レイ、どうしたさ?!」
驚くラビを余所に、少女はこちらを見てニッコリと微笑んで…
『やっほう、アレイスター・クロウリー!私はレイ・アストレイ、能力は操作系で因に元帥、宜しくね!!』
そう口早に言った。
元帥という事はこの少女はクロスと同じ…
「よ、宜しくである…」
そう応えると、少女レイはさっさと支度を整えて、ラビの膝の上に身を乗り出してその先の窓を全開に開いた。
一体何を…
『ラビ、残りの説明は頼んだわよ』
「了解さ~」
「ど、どこ行くんですか?!」
そう言ったアレンの言葉で、漸くレイがしようとしている事に気付いた。
アレンが慌てて止めようとするが、レイは気にせずに窓枠に片足を掛けた。
何故かラビだけは慌てずに楽しそうに傍観している。
『大丈夫大丈夫~後で追い着くから平気だよ、アレン』
窓から飛び出そうとしたレイは“あ…”と声を漏らすと呆然としていた私の方を振り返って窓枠に腰掛けた。
『アレイスター…エリアーデを愛してくれてありがとう』
思わず目を見開いた。
レイは驚く私を見みて軽く微笑むと、後ろに倒れる様にして窓の外へと飛び出した。
瞬間、黒い影の様なものが広がりレイを呑み込んだ。
そしてそれが弾けた後に残ったのは、蝙蝠の様な翼だった。
レイが飛び出して翼を出すまでは一瞬の出来事だった。
「凄い…であるな」
レイの姿が私達の座席の窓枠から消え去った瞬間、私が思わずそう呟くと、アレンは“はい”と言って笑った。
「僕もそう思います」
次にレイに会ったのはサポーターであるアニタの船の上だった。
ノアであり、エクソシストである少女…
「寒くなかったか?」
『ん、大丈夫だよ~』
ラビから受け取ったジャケットを着ていたレイとふと目が合った。
『アレイスター!』
ラビから離れて駆け寄ってきたレイは、私の前で立ち止まると小さく“ぁ…”と声を洩らした。
困った様に眉を寄せたレイは、左手首を右手で掴む。
『アレイスターって呼んでも良い?』
何だか可笑しくて少し笑ってしまった。汽車であんなに勢い良く挨拶しておいて、今更そんな…
「良いであるよ」
そう言うと、レイは唯、嬉しそうに笑った。
「レイ……その…レイはエリアーデとは…」
『知り合いだよ』
「…そうであるか」
なんだろう…
『ラビに…私の話聞いたでしょ?』
「あぁ」
先程から違和感を感じる。
冷静な頭……頭とは違って冷静に動かない…でも少し浮いた様な感覚を帯びる体。
まるでレイが何を言うかを分かっている様な…
そんなトコで何やってんのよ…
『ねぇ、アレイスター』
アレイスター…
「何であるか?」
…だ…れだ?
ホント何やらせても駄目な男ね…
エリ……アーデ…?
まったくいつまで経っても中途半端なんだから…
『あの時“エリアーデを愛してくれてありがとう”って言ったのは…』
私を…迎えに来たであるか?
バカ言ってんじゃないわ…
『ノアじゃなくて“私”として言った事だからね』
アタシがあんたを天国に連れて行くと思ってんの?
「…そうか」
これは…このレイ達は記憶か…
そうよ。
あんたは行けるかもしれないけどアタシは行けないの‥
『エリアーデは私の大切な“お姉ちゃん”だった』
アタシは進化したアクマの体に発生したただの自我だもの“魂”なんて器持ってないのよ…
『黙って出て行った事を後悔したし、エクソシストになった事で戻れなくなった事を悲しんだ』
行くならひとりで行って。
『エリアーデを大好きだったし、大切な約束があったから…』
あの子達と…姫様達と一緒に居たいんでしょう、アレイスター…
『だからアレイスターに会いに行った時…驚いた』
あの子達は初めてあんたの仲間になってくれた人間だもんね…
『エリアーデ…凄く幸せそうだった』
「エリアーデ…が…?」
このまま天国なんて行ったらまたひとりになっちゃうわよ…
『そうだよ~ぶきっちょなエリアーデなりにね』
「そうで…あるか」
自分を守ることばっかだったあんたがはじめて他人を守りたいと思ったんでしょ?
『エリアーデを大切にしてくれて…幸せにしてくれてありがとう』
あんたは…
「レイ…」
あの子達と一緒に行きなさい。
地獄の果てまで…
『ありがとう…アレイスター』
一緒に行きなさい……
エリアーデ…愛しているである。
レイが言った通りお前が幸せだったかは分からないし、幸せに出来た気なんかしない。
私はいつもお前に面倒を掛けっぱなしだったから…
だから…
たとえ幻でも…ありがとう…
愛しているである…
エリアーデ──…
「守ル…私ハ…仲間ヲ守ル」
「ハッ、動かせない体捨てて…血だけで向かってくるとは思わなかったよ…マジ、イッてる!」
絶対に行かせない──…
「諦めなって、もう無理ムリ!」
ぐったりと床に横たわるクロウリーを突つきながらジャスデビはそう言ってからからと笑った。
体はボロボロ、残りのアクマの
「………どうかな?」
そうクロウリーの声が小さく響き、ジャスデビはピタリと笑うのを止めた。
「あ゙ぁ?」
「まだ…貴様等を道連れに…この部屋で果てるくらいは出来るぞ…」
瞬間、ジャスデビはクロウリーの頭をつかんで床に叩き付けた。
ゴッと鈍い音と共に赤黒い血が床に新しい染みをつくる。
「実現不可能だッつのッッ!!」
あぁ、もう…ウザイ。
いつになったら死ぬんだろう…部屋はもうギリギリの状態で崩壊までのタイムリミットが近い。
閉じ込めるか…
「終わりにしよう」
息も絶え絶えな吸血鬼の胸倉を掴んで引き上げる。
「さよーなら、吸血鬼」
「…い…行か…せるか………」
ウザイ…
「棺…いらないんだったっけ?」
ウザイウザイウザイウザイウザイウザイウザイウザイウザイウザイウザイウザイウザイウザイ…
ウザイ。
「想像しちゃった♪」
僕等はもうお前を見たくない。
僕等は…
早く奴等を追わなきゃ…
バカティキよりも早く捕まえて
僕等は…早くレイに会いたい。
「幾百の刃に、そのくっさい血を洗い流してもらいなッッ!!」
地から浮き出る様に現れた二つに割れた拷問具アイアンメイデンが“バアァアァァン”と音を立ててクロウリーをのみ込む瞬間、ジャスデビはパッとクロウリーの胸倉から手を離した。
拷問具であるアイアンメイデンの内側の数え切れない棘が、吸血鬼の体に食い込む。
吸血鬼が叫ぶ中、アイアンメイデンが奴の肉を立ち、骨を砕く音が聞こえる様な気がした。
「ふはは…ッ、あはははッ!!」
一度は力ずくでアイアンメイデンを押し開いて抜け出そうとした吸血鬼だが…無理に決まってる。
ボロボロで…血が殆ど抜けきった…
そんな衰弱しきった体で今更何が出来る?
案の定、奴の伸ばした右腕は僕等の前で空を切って止まり、その腕をアイアンメイデンの内側から挟めた状態で奴は事切れた。
あ──…
「マジ化物だった」
=冷えた体=
人は私に冷たかった…
村の外れの古城に沢山の収集物に囲まれて住む御祖父様と私。
人付き合いが悪かった所為か、奇妙な収集物の所為か、見た目の所為か…私達は“吸血鬼”とあだなされ怖れられていた。
幼い頃からずっと…
村人に避けられ、怖がられ、蔑まれ…
誰にも会わずに城に籠もって御祖父様の収集物の世話をしている内に、私は“自分も御祖父様の
だからエリアーデに出逢った時は凄く嬉しかった。
エリアーデは私を怖れずに接してくれる…唯一だった。
側に居てくれた…
でも、人を襲う化け物となり果てた私の恐怖を拭い去り、罪悪感を麻痺させる程の幸せで甘い時間は簡単に過ぎ行き…私はアレン達の訪問でエリアーデがアクマだと知った。
そして私はエリアーデを…
この手で壊した──…
私は愛してた者に自ら手を掛けて壊したのだ。
たとえアクマであっても…
愛していたのに…
愛する者、生きる意味。
全てを失った私にエリアーデを壊した
「僕、アレン・ウォーカーっていいます!アレンでいいですよ」
「俺、ラビね。後で合流するブックマンてじじぃの跡継ぎなんさ」
私は
「さ、行こう」
神の使徒に選ばれたから
そう、理由をくれた。
そして…
「村人達の言う事なんて気にしなくていいから…クロウリーの事は僕等がちゃんと分かってますから」
二人は掛け替えの無い初めてのものになってくれた。
「一緒に行こう」
初めて村を出た。初めて汽車に乗った。
嬉しかったが、ラビに横抱きにされて眠り続ける短い黒髪の少女が気になってずっと大人しくしていた。
「その少女は…大丈夫なのであるか?」
私があの時、強く殴ってしまったから……だから…だから目覚めないんじゃないんだろうか。
「大丈夫…クロウリーの所為じゃないですよ」
「疲れて眠ってるだけさ」
そう言って優しく少女の頭を撫でるラビに足され、初めて乗った汽車の散策に出掛け、初めてポーカーをし、初めて…
イカサマのカモにされた。
アレンとラビが向かえに来てくれて、ポーカーの強いアレンが巻き上げられた物を取り返してくれた。
席へと戻ると私が出掛けるまで眠っていた少女は居なかった。
どこかへ出掛けている様だ。
「あの少女は…」
そう口にした瞬間、通路から黒い固まりが飛んできた。
目で追うと、ラビの腕に団服であるジャケットが収まっていた。
「レイ、どうしたさ?!」
驚くラビを余所に、少女はこちらを見てニッコリと微笑んで…
『やっほう、アレイスター・クロウリー!私はレイ・アストレイ、能力は操作系で因に元帥、宜しくね!!』
そう口早に言った。
元帥という事はこの少女はクロスと同じ…
「よ、宜しくである…」
そう応えると、少女レイはさっさと支度を整えて、ラビの膝の上に身を乗り出してその先の窓を全開に開いた。
一体何を…
『ラビ、残りの説明は頼んだわよ』
「了解さ~」
「ど、どこ行くんですか?!」
そう言ったアレンの言葉で、漸くレイがしようとしている事に気付いた。
アレンが慌てて止めようとするが、レイは気にせずに窓枠に片足を掛けた。
何故かラビだけは慌てずに楽しそうに傍観している。
『大丈夫大丈夫~後で追い着くから平気だよ、アレン』
窓から飛び出そうとしたレイは“あ…”と声を漏らすと呆然としていた私の方を振り返って窓枠に腰掛けた。
『アレイスター…エリアーデを愛してくれてありがとう』
思わず目を見開いた。
レイは驚く私を見みて軽く微笑むと、後ろに倒れる様にして窓の外へと飛び出した。
瞬間、黒い影の様なものが広がりレイを呑み込んだ。
そしてそれが弾けた後に残ったのは、蝙蝠の様な翼だった。
レイが飛び出して翼を出すまでは一瞬の出来事だった。
「凄い…であるな」
レイの姿が私達の座席の窓枠から消え去った瞬間、私が思わずそう呟くと、アレンは“はい”と言って笑った。
「僕もそう思います」
次にレイに会ったのはサポーターであるアニタの船の上だった。
ノアであり、エクソシストである少女…
「寒くなかったか?」
『ん、大丈夫だよ~』
ラビから受け取ったジャケットを着ていたレイとふと目が合った。
『アレイスター!』
ラビから離れて駆け寄ってきたレイは、私の前で立ち止まると小さく“ぁ…”と声を洩らした。
困った様に眉を寄せたレイは、左手首を右手で掴む。
『アレイスターって呼んでも良い?』
何だか可笑しくて少し笑ってしまった。汽車であんなに勢い良く挨拶しておいて、今更そんな…
「良いであるよ」
そう言うと、レイは唯、嬉しそうに笑った。
「レイ……その…レイはエリアーデとは…」
『知り合いだよ』
「…そうであるか」
なんだろう…
『ラビに…私の話聞いたでしょ?』
「あぁ」
先程から違和感を感じる。
冷静な頭……頭とは違って冷静に動かない…でも少し浮いた様な感覚を帯びる体。
まるでレイが何を言うかを分かっている様な…
そんなトコで何やってんのよ…
『ねぇ、アレイスター』
アレイスター…
「何であるか?」
…だ…れだ?
ホント何やらせても駄目な男ね…
エリ……アーデ…?
まったくいつまで経っても中途半端なんだから…
『あの時“エリアーデを愛してくれてありがとう”って言ったのは…』
私を…迎えに来たであるか?
バカ言ってんじゃないわ…
『ノアじゃなくて“私”として言った事だからね』
アタシがあんたを天国に連れて行くと思ってんの?
「…そうか」
これは…このレイ達は記憶か…
そうよ。
あんたは行けるかもしれないけどアタシは行けないの‥
『エリアーデは私の大切な“お姉ちゃん”だった』
アタシは進化したアクマの体に発生したただの自我だもの“魂”なんて器持ってないのよ…
『黙って出て行った事を後悔したし、エクソシストになった事で戻れなくなった事を悲しんだ』
行くならひとりで行って。
『エリアーデを大好きだったし、大切な約束があったから…』
あの子達と…姫様達と一緒に居たいんでしょう、アレイスター…
『だからアレイスターに会いに行った時…驚いた』
あの子達は初めてあんたの仲間になってくれた人間だもんね…
『エリアーデ…凄く幸せそうだった』
「エリアーデ…が…?」
このまま天国なんて行ったらまたひとりになっちゃうわよ…
『そうだよ~ぶきっちょなエリアーデなりにね』
「そうで…あるか」
自分を守ることばっかだったあんたがはじめて他人を守りたいと思ったんでしょ?
『エリアーデを大切にしてくれて…幸せにしてくれてありがとう』
あんたは…
「レイ…」
あの子達と一緒に行きなさい。
地獄の果てまで…
『ありがとう…アレイスター』
一緒に行きなさい……
エリアーデ…愛しているである。
レイが言った通りお前が幸せだったかは分からないし、幸せに出来た気なんかしない。
私はいつもお前に面倒を掛けっぱなしだったから…
だから…
たとえ幻でも…ありがとう…
愛しているである…
エリアーデ──…
「守ル…私ハ…仲間ヲ守ル」
「ハッ、動かせない体捨てて…血だけで向かってくるとは思わなかったよ…マジ、イッてる!」
絶対に行かせない──…