第3章 封印された箱
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49
『ジャ〜スデロ~』
そう言って隣にちょこんと腰掛けた姿が可愛らしかった。
『ジャスデロは何で時々しか来れないの?』
「ん──…“絆”のノア…だから?」
正直理由は良く分からなかった…でも多分これが答えだ。
『二人が同時に来れない理由も絆 だから?』
「そうだよ~」
『つまんないの~』
「ヒヒッ、デロは満足してるよ」
確かに会える回数はデビの方が多いけど…デロとデビは二人で一人だから…
「デビがデロの分もレイを見てくれるし…それに時々二人でここにこっそり来るのも楽しいよ、ヒッ!」
レイと居るのが楽しかった。三人で居るのが楽しかった。
だから面会を許可されただけで嬉しかった。
レイに…姫に会えるのは千年公とロードとデビとデロだけ。
その事実だけで幸せだった。
レイは外に出たがっていたけど、俺にはこれで十分だった。
でも…
「もし外に出れたら…」
『「三人でいっぱい遊ぼうね」』
=game over=
あ──…ウザイ。
あの日、黙って屋敷 を出て行ったレイに、今度はエクソシストになった事を黙っていられた……けどそんなものは悲しいだけで、ウザさ的には無いに等しい。
今俺を…俺達を苛つかせてるのは目の前のコイツ等とクロスだ。
行く先々で付けられた借金は膨らみ続け、挙げ句代わりに払わせ様としたクロスの弟子には“はした金”だと言われるし。
そもそもコイツ等は俺等からレイを取り戻そうと…
奪おうとしている。
騙しメガネの幻覚で、ロードの扉の鍵は部屋一面に敷き詰まってる様に見える筈だし、体感もしてる筈なのに諦めねぇし…
吸血鬼みたいなオッサンは、騙しメガネで姿を見えない様に消した俺等の居場所が何故か分かるみたいだし…
もっと慌てふためき絶望する姿が見たいのに。
今だってオッサンの所為で白髪頭に捕まった挙げ句、眼帯をした男がイノセンスで部屋中の鍵を集めて本物を探しに掛かってる。
「……なに、あいつブックマンの一族なの?」
あ──…もう…何一つ上手くいきやしねぇ。
「へぇ~どうりで…今はそっちにいるんだな」
「…は?」
そう口にすれば案の定、白髪頭は不思議そうに眉を寄せた。
「でも赤毛ってクロス思い出して腹立たね?」
ジャスデロの一言に“確かに”と思った。
あの赤毛はウザイ。
「あぁ──立つ立つ!イライラしてきた、俺!!」
「デロはドロドロしてきた!清い心がクロスへの怨念に染まっていくよ、ヒッ!」
「弟子も金払わねぇしよ~」
「払え、バカ弟子!」
「誰が払うか!!」
やっぱりコイツに払わせんのは無理かぁ…殺してから盗るか?
あぁ──…
イライラする…ドロドロする…
「構うなアレン、さっさとカタをつけるぞ…その小僧共、しっかり押さえていろ」
「あ、はい!」
煩い…お前等なんか喰われちまえ。
イメージはそう…ゾンビの集合体の様なデカくて汚くて臭そうでドロドロで…
「ドロドロ…」
凄く気持ち悪いヤツ…
「え?」
俺等が造り出したソレを見て、白髪頭は驚いて目を見開いたまま顔を青く染めた。
「何…ッ?!」
ゾンビが溶けた様な巨大な頭には無数のゾンビが溶け込む様に張り付いている。
デカイ頭に無数のゾンビで出来たドロドロの体…アレに捕まったら気持ち悪い。上出来だ。
「何だこれ!」
「き、牙が効かん!!」
間抜けな叫び声と共にヤツに絡め取られた白髪頭とオッサンはかなり見物だった。
なぁ、お前等にはさ…
「喰っちまえっ」
俺等は絶対に殺れ無い。
「「“ジャスデビの怨念――ん”」」
そう口にすれば、ヤツは大口を開けて白髪頭とオッサンを呑む飲み込んだ。
あぁ…想像出来る。
ヤツに押し潰されて苦しむアイツ等の声が…
メキメキと軋む骨の音が、バキバキと砕ける骨の音が…
想像出来る。
楽しい…愉快だ。
人間をエクソシストを殺すのは楽しい。
でも奴等は俺達からすれば、唯のノアの的であり、敵であり、弱点であり、悪魔だ。良い事何て無い。
コイツ等個人だって…
…レイはあんな奴等のどこが良かったんだ?
俺等には分からない。
俺等には…
「アレンくん、クロウリー!!」
「……煩ぇな…」
折角の楽しみを邪魔する女の声がやけに耳についた。
「…なぁ、ジャスデロ」
「ヒッ?」
「あの女使おうぜ」
そう言った瞬間、急に崩れる様に転んだ女に違和感を覚えた。
「動いて…ッ」
あぁ…なるほど。
「私の足でしょ…」
直ぐに地を蹴った俺とジャスデロは、女の背後へと回り込んだ。
「動け!!」
「動けねぇの、あんた?」
そう女だけに聞こえる様に口にして、空いた手で口を塞ぎ銃を突き付ける。
女はビクリと肩を震わせたが、今更気付いたって遅い。
「丁度良いや。吸血鬼のオッサン、俺等の居場所分かるみたいだからさぁ」
「お前、盾にしよ、ヒヒッ!!」
怪我した足手纏いでも、敵である俺等からすれば立派な盾であり玩具だ。
「お姫様ゲ──ット!!」
挑発する様にそう叫んでから女を閉じ込めていると、背後で“ドンッ”と爆発音が響いた。
「離れろ…」
振り返ると、怒りの籠もった声色と共に、埋もれていた筈の弟子が姿を現した。
「リナリーから離れろ!!」
「ヒッ」
あぁ、良い感じだ。
奴の地雷踏んだか…?
「来いよ、弟子!お前にはもっとキツいのプレゼントしてやらぁ」
そう言って口元に寄せた銃口にそっと口付ける。
さぁ、いくぞジャスデロ…
あのウザイ弟子に重いの一発プレゼントしてやろうじゃねぇか。
「ヒッ」
デビットを見てニヤリと口角を上げて笑ったジャスデロは、その手に持った銃を構えた。
「“笑ってる”× 」
「“けど”× 」
「“実はすっげー怒ってる時の”× 」
「「“千年公”」」
引き金に指を掛けた瞬間、ソレは現実となる。
俺等の能力は“実現”お互いの脳が同時同一の想像をした時にソレを実現させる事が出来る。
能力で造り出した“笑ってるけど実はすっげー怒ってる時の千年公”は直ぐに弟子に襲い掛かった。あぁ、愉快。
「出して!」
アレは唯の偽物 じゃない…スピードもパワーもしっかりしてる最強の偽物だ。
「出しなさいってば!」
本当ならレイを造った方が精神的ダメージも与えられて良いんだけど…偽物とはいえなるべくレイを戦わせたくねぇしな。
「出しなさい──!!!」
「ヒッ、怖っ」
「さっきから煩ぇな、黙れよ!女のくせにっ…犯すぞ、あぁ!?」
煩ぇし、暴れやがるし…何かあっても壊れねぇ様に弾力性のある球体に閉じ込めて正解だった。
内側からひたすら殴り続けやがって……本当に女か、コイツ?
「黙って使われてろ、バァーカ」
そう口にした瞬間、左頬に痛みが走り、勢いで俺は後ろに吹き飛ばされた。
「デビ──ッツ!!」
クソ…弾力性なんかにしなきゃ良かった…
あの男女、殴りやがった…
「テメ…」
「あんた達なんか…玩具で遊ぶみたいに人の命扱って、まるで子供じゃない!私達と同じくらいの歳なのに…いきがってバカみたい!
あなた達のやってる事なんて唯の幼稚な遊びだわ!命の重みを知ってるアレンくんの方がずっとずっと強いわよ!」
敵を嬲って何が悪い。
そもそも何つった?
命の重み?
俺達を殺そうと…
俺達を“消そうとしてる”奴等が何言ってんだ?
「…ッ」
元々イライラしていた頭に一気に血がのぼった気がした。
それは女を殴り飛ばしても治まらなかった。
「二度と俺等にナメた口きいてんじゃねー」
レイを奪った奴が…
レイを奪おうとしてる奴が…
「なーにが“アレンくんの方が強い”だ。見ろよ、やられそうだせ、アレ」
「ぎゃはっ、マジウケる!」
俺等の[#ruby=レイ_人のモノ#]狙ってる奴が偉そうに説教すんじゃねぇ。
「絶対…来るわ」
この女、まだ…
「見えなくったって…超人な能力があったって」
真っ直ぐに俺等を睨み付けるその存在に殺意が湧いた。
「あなた達みたいな“子供”なんか殴り飛ばしに来るわ!!」
殺しに掛かった瞬間だった。
突如、背後のモニュメントが強く光り、俺の手は女の目の前でピタリと動きを止めた。
「何…」
これは…ロードの扉?
……そうか、ブックマン…赤毛の野郎、鍵を見付けやがった!
偽千年公が扉に吸い込まれるのを見ながらそう思った瞬間、俺とジャスデロは、偽千年公から解放された白髪頭とオッサンに殴り飛ばされた。
騙しメガネが切れた…
軽々と吹っ飛んだ身体は、壁である本棚に叩き付けられてその場に崩れ落ちた。
痛ぇ…叩き付けられた瞬間に一瞬息が止まった。
「デビ…デロもう我慢出来無い」
「あぁ…そうだな」
倒れたままそう話してる間も奴等は“簡単”だの“餓鬼”だの好き勝手な事を言っていて、それが余計に俺等を逆撫でした。
本当に…
「ガキガキって…マジナメてね?」
レイ……レイ…
約束…覚えてるだろ?
「遊びはやめた…」
俺等はお前が大事だから。
誰にも盗られたくないし…
誰にも渡したくない。
だから…
だから俺等は何があっても…
「マジで消しちゃうわ」
お前を…
もう二度と離さない──…
『ジャ〜スデロ~』
そう言って隣にちょこんと腰掛けた姿が可愛らしかった。
『ジャスデロは何で時々しか来れないの?』
「ん──…“絆”のノア…だから?」
正直理由は良く分からなかった…でも多分これが答えだ。
『二人が同時に来れない理由も
「そうだよ~」
『つまんないの~』
「ヒヒッ、デロは満足してるよ」
確かに会える回数はデビの方が多いけど…デロとデビは二人で一人だから…
「デビがデロの分もレイを見てくれるし…それに時々二人でここにこっそり来るのも楽しいよ、ヒッ!」
レイと居るのが楽しかった。三人で居るのが楽しかった。
だから面会を許可されただけで嬉しかった。
レイに…姫に会えるのは千年公とロードとデビとデロだけ。
その事実だけで幸せだった。
レイは外に出たがっていたけど、俺にはこれで十分だった。
でも…
「もし外に出れたら…」
『「三人でいっぱい遊ぼうね」』
=game over=
あ──…ウザイ。
あの日、黙って
今俺を…俺達を苛つかせてるのは目の前のコイツ等とクロスだ。
行く先々で付けられた借金は膨らみ続け、挙げ句代わりに払わせ様としたクロスの弟子には“はした金”だと言われるし。
そもそもコイツ等は俺等からレイを取り戻そうと…
奪おうとしている。
騙しメガネの幻覚で、ロードの扉の鍵は部屋一面に敷き詰まってる様に見える筈だし、体感もしてる筈なのに諦めねぇし…
吸血鬼みたいなオッサンは、騙しメガネで姿を見えない様に消した俺等の居場所が何故か分かるみたいだし…
もっと慌てふためき絶望する姿が見たいのに。
今だってオッサンの所為で白髪頭に捕まった挙げ句、眼帯をした男がイノセンスで部屋中の鍵を集めて本物を探しに掛かってる。
「……なに、あいつブックマンの一族なの?」
あ──…もう…何一つ上手くいきやしねぇ。
「へぇ~どうりで…今はそっちにいるんだな」
「…は?」
そう口にすれば案の定、白髪頭は不思議そうに眉を寄せた。
「でも赤毛ってクロス思い出して腹立たね?」
ジャスデロの一言に“確かに”と思った。
あの赤毛はウザイ。
「あぁ──立つ立つ!イライラしてきた、俺!!」
「デロはドロドロしてきた!清い心がクロスへの怨念に染まっていくよ、ヒッ!」
「弟子も金払わねぇしよ~」
「払え、バカ弟子!」
「誰が払うか!!」
やっぱりコイツに払わせんのは無理かぁ…殺してから盗るか?
あぁ──…
イライラする…ドロドロする…
「構うなアレン、さっさとカタをつけるぞ…その小僧共、しっかり押さえていろ」
「あ、はい!」
煩い…お前等なんか喰われちまえ。
イメージはそう…ゾンビの集合体の様なデカくて汚くて臭そうでドロドロで…
「ドロドロ…」
凄く気持ち悪いヤツ…
「え?」
俺等が造り出したソレを見て、白髪頭は驚いて目を見開いたまま顔を青く染めた。
「何…ッ?!」
ゾンビが溶けた様な巨大な頭には無数のゾンビが溶け込む様に張り付いている。
デカイ頭に無数のゾンビで出来たドロドロの体…アレに捕まったら気持ち悪い。上出来だ。
「何だこれ!」
「き、牙が効かん!!」
間抜けな叫び声と共にヤツに絡め取られた白髪頭とオッサンはかなり見物だった。
なぁ、お前等にはさ…
「喰っちまえっ」
俺等は絶対に殺れ無い。
「「“ジャスデビの怨念――ん”」」
そう口にすれば、ヤツは大口を開けて白髪頭とオッサンを呑む飲み込んだ。
あぁ…想像出来る。
ヤツに押し潰されて苦しむアイツ等の声が…
メキメキと軋む骨の音が、バキバキと砕ける骨の音が…
想像出来る。
楽しい…愉快だ。
人間をエクソシストを殺すのは楽しい。
でも奴等は俺達からすれば、唯のノアの的であり、敵であり、弱点であり、悪魔だ。良い事何て無い。
コイツ等個人だって…
…レイはあんな奴等のどこが良かったんだ?
俺等には分からない。
俺等には…
「アレンくん、クロウリー!!」
「……煩ぇな…」
折角の楽しみを邪魔する女の声がやけに耳についた。
「…なぁ、ジャスデロ」
「ヒッ?」
「あの女使おうぜ」
そう言った瞬間、急に崩れる様に転んだ女に違和感を覚えた。
「動いて…ッ」
あぁ…なるほど。
「私の足でしょ…」
直ぐに地を蹴った俺とジャスデロは、女の背後へと回り込んだ。
「動け!!」
「動けねぇの、あんた?」
そう女だけに聞こえる様に口にして、空いた手で口を塞ぎ銃を突き付ける。
女はビクリと肩を震わせたが、今更気付いたって遅い。
「丁度良いや。吸血鬼のオッサン、俺等の居場所分かるみたいだからさぁ」
「お前、盾にしよ、ヒヒッ!!」
怪我した足手纏いでも、敵である俺等からすれば立派な盾であり玩具だ。
「お姫様ゲ──ット!!」
挑発する様にそう叫んでから女を閉じ込めていると、背後で“ドンッ”と爆発音が響いた。
「離れろ…」
振り返ると、怒りの籠もった声色と共に、埋もれていた筈の弟子が姿を現した。
「リナリーから離れろ!!」
「ヒッ」
あぁ、良い感じだ。
奴の地雷踏んだか…?
「来いよ、弟子!お前にはもっとキツいのプレゼントしてやらぁ」
そう言って口元に寄せた銃口にそっと口付ける。
さぁ、いくぞジャスデロ…
あのウザイ弟子に重いの一発プレゼントしてやろうじゃねぇか。
「ヒッ」
デビットを見てニヤリと口角を上げて笑ったジャスデロは、その手に持った銃を構えた。
「“笑ってる”
「“けど”
「“実はすっげー怒ってる時の”
「「“千年公”」」
引き金に指を掛けた瞬間、ソレは現実となる。
俺等の能力は“実現”お互いの脳が同時同一の想像をした時にソレを実現させる事が出来る。
能力で造り出した“笑ってるけど実はすっげー怒ってる時の千年公”は直ぐに弟子に襲い掛かった。あぁ、愉快。
「出して!」
アレは唯の
「出しなさいってば!」
本当ならレイを造った方が精神的ダメージも与えられて良いんだけど…偽物とはいえなるべくレイを戦わせたくねぇしな。
「出しなさい──!!!」
「ヒッ、怖っ」
「さっきから煩ぇな、黙れよ!女のくせにっ…犯すぞ、あぁ!?」
煩ぇし、暴れやがるし…何かあっても壊れねぇ様に弾力性のある球体に閉じ込めて正解だった。
内側からひたすら殴り続けやがって……本当に女か、コイツ?
「黙って使われてろ、バァーカ」
そう口にした瞬間、左頬に痛みが走り、勢いで俺は後ろに吹き飛ばされた。
「デビ──ッツ!!」
クソ…弾力性なんかにしなきゃ良かった…
あの男女、殴りやがった…
「テメ…」
「あんた達なんか…玩具で遊ぶみたいに人の命扱って、まるで子供じゃない!私達と同じくらいの歳なのに…いきがってバカみたい!
あなた達のやってる事なんて唯の幼稚な遊びだわ!命の重みを知ってるアレンくんの方がずっとずっと強いわよ!」
敵を嬲って何が悪い。
そもそも何つった?
命の重み?
俺達を殺そうと…
俺達を“消そうとしてる”奴等が何言ってんだ?
「…ッ」
元々イライラしていた頭に一気に血がのぼった気がした。
それは女を殴り飛ばしても治まらなかった。
「二度と俺等にナメた口きいてんじゃねー」
レイを奪った奴が…
レイを奪おうとしてる奴が…
「なーにが“アレンくんの方が強い”だ。見ろよ、やられそうだせ、アレ」
「ぎゃはっ、マジウケる!」
俺等の[#ruby=レイ_人のモノ#]狙ってる奴が偉そうに説教すんじゃねぇ。
「絶対…来るわ」
この女、まだ…
「見えなくったって…超人な能力があったって」
真っ直ぐに俺等を睨み付けるその存在に殺意が湧いた。
「あなた達みたいな“子供”なんか殴り飛ばしに来るわ!!」
殺しに掛かった瞬間だった。
突如、背後のモニュメントが強く光り、俺の手は女の目の前でピタリと動きを止めた。
「何…」
これは…ロードの扉?
……そうか、ブックマン…赤毛の野郎、鍵を見付けやがった!
偽千年公が扉に吸い込まれるのを見ながらそう思った瞬間、俺とジャスデロは、偽千年公から解放された白髪頭とオッサンに殴り飛ばされた。
騙しメガネが切れた…
軽々と吹っ飛んだ身体は、壁である本棚に叩き付けられてその場に崩れ落ちた。
痛ぇ…叩き付けられた瞬間に一瞬息が止まった。
「デビ…デロもう我慢出来無い」
「あぁ…そうだな」
倒れたままそう話してる間も奴等は“簡単”だの“餓鬼”だの好き勝手な事を言っていて、それが余計に俺等を逆撫でした。
本当に…
「ガキガキって…マジナメてね?」
レイ……レイ…
約束…覚えてるだろ?
「遊びはやめた…」
俺等はお前が大事だから。
誰にも盗られたくないし…
誰にも渡したくない。
だから…
だから俺等は何があっても…
「マジで消しちゃうわ」
お前を…
もう二度と離さない──…