第2章 出会いと別れ
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アクマの為に戦って…
アクマの為に生きよう。
それが僕の生きる糧となる。
そう決めて…
歩いてた道だったはずだ。
なのに…
なのに僕は──…
=救済=
心配で心配で心配で…
トールが呆れるのも…
イアンが心配するのも…
イアンを悲しませるのも…
全部分かっててトールに頼んでこの世界に帰してもらったのに…
「イノセンスよ…」
彼等はある意味においては全然平気だった。
誰も死んでいない上、私が帰った時には丁度アレンがイノセンスを発動させる所だった。
「左はアクマの為に」
私は唯見守る事にした。
「右は人間の為に」
アクマを破壊してアジア支部の皆とアレンを助けなきゃと思ってやる気満々で…そして、誰か怪我をしてないかと顔面蒼白で帰ってきたが…必要無かったらしい。
彼等は彼等で大切なモノを護ろうとしている。
「どちらも僕でどちらも大切」
必死に…自分を傷付けながら必死に…
「だからお前に応えよう」
必死に生きている。
だから私は見ている事にした。
アレンを成長させる意味も勿論あったが、何より…
「人間とアクマを救済せよ」
仮面が踊る。マントを纏って…
その右手で人間を助け…左手でアクマを斬り裂く。
「哀れなアクマの魂よ…」
その姿はまるで…
「安らかに眠れ」
アレンがアクマを捕らえる中、月は水面を歩いてボロボロのフォーを抱えて水に浸かっているボロボロのバクの元へと向かった。
「月…」
『風邪を引くぞ、二人共』
「バカいえ…アタシは人間じゃねぇんだ。風邪なんか引かねぇよ」
『そうだな』
“バクはバカだから引く”というフォーに、月は可笑しそうにクスクス笑いながら術でフォーとバクを水から出して宙に浮かすと、パチンッと指を鳴らした。
すると一瞬にしてフォーとバクの身体が乾いた。
『さぁ、もう終わるよ』
そう言ってアレンの方を向くと、私と目が合ったアレンはニッコリと微笑んでからアクマを見据えた。
「教えてください、アクマ…誰にどこへ僕を連れてくるよう言われていたんですか?」
「“ダレにどこへ”クハハ…助けテくれるナら答エルよ!」
アクマの言葉に、アレンは唯優しく微笑んだ。
「良いですよ…教えて?」
優しい音のそれに吹き出したアクマは狂った様に声を上げて笑いだした。
「そんな気ナイくせに!そんなキ無イクセにこの道化役者」
アクマの言葉に、アレンは全く反応しなかった。
唯真っ直ぐにアクマを見据える。
「ノア様だ…ティキ・ミック卿ダよ!」
やはりティキか…
「江戸じゃ今ゴロどうなっテルかなァ、オマえの仲間!あそコにはミック卿以外に四人のノア様ト伯爵様ガイル」
ノア四人と伯爵…
「ヤバイんジャなイ?」
そう言うアクマの額に、アレンは左手の指…爪を当てた。
「ありがとう」
そしてそっと縦線を引く様に下に下ろす。
「ソコニある…ノアの方舟に乗っていけアレン…
空間を超エテ江戸ニイケルヨ…」
「…どうしてですか?」
「ドウシテ…?ノア様ノ命令ダカラダヨ。…イヤ……ドウダロウナ…」
アレンが引いた縦線から横線が伸び、十字が出来上がる。
月はそっと目を閉じた。
「ナンダカネ気分がスゴクイィンダ…」
消えゆくアクマ…
どうか来世では幸せに…
「おやすみ」
「もう!心配しましたよ、月さん!」
目に涙を溜めながらそう詰め寄る蝋花に月は困った様に笑って、蝋花を窘める様に両手を胸の前に上げた。
『済まない…心配性な優しい人がいてね』
“連れ戻されてしまった”と続けると、蝋花はキラキラと目を輝かせた。
「旦那様ですか?!」
『いや』
「じゃあ彼氏さんですね!」
『いや…』
月の応えを聞かずにイアンを彼氏だと思い込んで盛り上がっている蝋花を宥めるのを李桂とシィフに任せて、月はアレンの方を振り返った。
『私は先に江戸に行く…貴方は箱で来なさい、アレン』
「方舟を使わないんですか?」
『急ぎの用があってな』
後悔させまいとユエ達を送ってしまったが…却って目立ってしまったかもしれない。
いや、でもいざという時には…
「急いでるなら方舟の方が良いんじゃないですか?そもそもどうやって…」
『術で飛ぶ』
術ならば直ぐ出発出来るし、方舟よりも速い。
「術って…」
『そういうのは得意なんだ』
困惑するアレンに、月はニッコリと微笑んだ。
『先に行っているよ、アレン』
レイ…
皆…どうか無事で──…
アクマの為に戦って…
アクマの為に生きよう。
それが僕の生きる糧となる。
そう決めて…
歩いてた道だったはずだ。
なのに…
なのに僕は──…
=救済=
心配で心配で心配で…
トールが呆れるのも…
イアンが心配するのも…
イアンを悲しませるのも…
全部分かっててトールに頼んでこの世界に帰してもらったのに…
「イノセンスよ…」
彼等はある意味においては全然平気だった。
誰も死んでいない上、私が帰った時には丁度アレンがイノセンスを発動させる所だった。
「左はアクマの為に」
私は唯見守る事にした。
「右は人間の為に」
アクマを破壊してアジア支部の皆とアレンを助けなきゃと思ってやる気満々で…そして、誰か怪我をしてないかと顔面蒼白で帰ってきたが…必要無かったらしい。
彼等は彼等で大切なモノを護ろうとしている。
「どちらも僕でどちらも大切」
必死に…自分を傷付けながら必死に…
「だからお前に応えよう」
必死に生きている。
だから私は見ている事にした。
アレンを成長させる意味も勿論あったが、何より…
「人間とアクマを救済せよ」
仮面が踊る。マントを纏って…
その右手で人間を助け…左手でアクマを斬り裂く。
「哀れなアクマの魂よ…」
その姿はまるで…
「安らかに眠れ」
アレンがアクマを捕らえる中、月は水面を歩いてボロボロのフォーを抱えて水に浸かっているボロボロのバクの元へと向かった。
「月…」
『風邪を引くぞ、二人共』
「バカいえ…アタシは人間じゃねぇんだ。風邪なんか引かねぇよ」
『そうだな』
“バクはバカだから引く”というフォーに、月は可笑しそうにクスクス笑いながら術でフォーとバクを水から出して宙に浮かすと、パチンッと指を鳴らした。
すると一瞬にしてフォーとバクの身体が乾いた。
『さぁ、もう終わるよ』
そう言ってアレンの方を向くと、私と目が合ったアレンはニッコリと微笑んでからアクマを見据えた。
「教えてください、アクマ…誰にどこへ僕を連れてくるよう言われていたんですか?」
「“ダレにどこへ”クハハ…助けテくれるナら答エルよ!」
アクマの言葉に、アレンは唯優しく微笑んだ。
「良いですよ…教えて?」
優しい音のそれに吹き出したアクマは狂った様に声を上げて笑いだした。
「そんな気ナイくせに!そんなキ無イクセにこの道化役者」
アクマの言葉に、アレンは全く反応しなかった。
唯真っ直ぐにアクマを見据える。
「ノア様だ…ティキ・ミック卿ダよ!」
やはりティキか…
「江戸じゃ今ゴロどうなっテルかなァ、オマえの仲間!あそコにはミック卿以外に四人のノア様ト伯爵様ガイル」
ノア四人と伯爵…
「ヤバイんジャなイ?」
そう言うアクマの額に、アレンは左手の指…爪を当てた。
「ありがとう」
そしてそっと縦線を引く様に下に下ろす。
「ソコニある…ノアの方舟に乗っていけアレン…
空間を超エテ江戸ニイケルヨ…」
「…どうしてですか?」
「ドウシテ…?ノア様ノ命令ダカラダヨ。…イヤ……ドウダロウナ…」
アレンが引いた縦線から横線が伸び、十字が出来上がる。
月はそっと目を閉じた。
「ナンダカネ気分がスゴクイィンダ…」
消えゆくアクマ…
どうか来世では幸せに…
「おやすみ」
「もう!心配しましたよ、月さん!」
目に涙を溜めながらそう詰め寄る蝋花に月は困った様に笑って、蝋花を窘める様に両手を胸の前に上げた。
『済まない…心配性な優しい人がいてね』
“連れ戻されてしまった”と続けると、蝋花はキラキラと目を輝かせた。
「旦那様ですか?!」
『いや』
「じゃあ彼氏さんですね!」
『いや…』
月の応えを聞かずにイアンを彼氏だと思い込んで盛り上がっている蝋花を宥めるのを李桂とシィフに任せて、月はアレンの方を振り返った。
『私は先に江戸に行く…貴方は箱で来なさい、アレン』
「方舟を使わないんですか?」
『急ぎの用があってな』
後悔させまいとユエ達を送ってしまったが…却って目立ってしまったかもしれない。
いや、でもいざという時には…
「急いでるなら方舟の方が良いんじゃないですか?そもそもどうやって…」
『術で飛ぶ』
術ならば直ぐ出発出来るし、方舟よりも速い。
「術って…」
『そういうのは得意なんだ』
困惑するアレンに、月はニッコリと微笑んだ。
『先に行っているよ、アレン』
レイ…
皆…どうか無事で──…