第1章 ノアの少女
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「レイはま~だ見付から無いんデスか…いなくなってモゥ四年経ちますヨ?♡」
「て、言ってもさぁ、千年公~レイの顔知ってんの俺等とロードと千年公だけじゃん」
「ヒヒッ、少な!」
「むぅ…ジャスデビくんとロードは引き続きレイの捜索を続けて下さイ、勿論ティキぽんもですヨ♡」
「「「は~い」」」
「いや千年公、俺は姫さんの顔知らないから」
「捜索しなさィ♡」
「はい‥」
=呪ワレタ少年ト黒服ノ少女 =
ユエを御供に付けたレイは、団服であるジャケットをブンブン振り回しながら町中を突き進む。
今回の任務でまた一つイノセンスの回収に成功した。結構溜まったからそろそろヘブに持って行っても良い頃だ。
でもその前に…
『ねぇ、ユエ』
「何だ?」
『この町って変な噂あるよね』
「あぁ、教会が呪われているとか何とか…」
レイは荒れ果てた教会の前で立ち止まるとニッコリと微笑んでみせた。
『アクマが居そうよね』
そんなレイを見てユエは困った様に溜め息を吐いた。
「そうだな」
『どこに居るのかしらね』
「分かっているくせに」
確かにノアの力を使えばアクマがどこに居るか何て簡単に解る。
けどそれじゃつまらないし、私は…
「汽車に間に合う様にしろよ」
『分かってるよ!』
レイは振り回していたジャケットをユエに預けると一人、荒れ果てた教会の中に入って行った。
『うわぁ~‥凄い荒れ放題』
今にも潰れそうな教会内を見回しながら歩いていると、ふと“ヒュルルル”と音がした気がした。
『ヒュルルル?』
変な音がしたと思った次の瞬間、建物を崩す大きな音と共にレイの目の前に何かが降って来た。
『うぁ‥ッ?!』
降って来たのは二人の人間だった。
人が降って来るのを初めて見た。しかも壁を突き破って降って来るなんて……え、人間って空飛べ無いよね?
「っ…だ、大丈夫モアさん?」
「ここ、どこ…?」
「お向かいの教会…吹っ飛ばされました」
取敢えず生きてる様だ。
少年が顔を上げ、ふと私と目が合った。
………何か固まってるんですけど、この少年‥
私、そんなに酷い顔したかな?
『あ‥えっと…‥大丈夫?』
「あ、はい‥大丈夫です!」
困った様にレイがそう問い掛ければ、少年は慌てて返事を返した。
その様子が可愛らしくてつい笑ってしまった。
『そう、良かった』
「っ…」
少年が顔を赤くして黙り込み、少年が抱えていた少女が何か呟いた。
『何か言った…?』
レイが少女にそう尋ねると、何故か少年が首をブンブンと横に振った。
「な、何でも無いですよ!!モアさん、変な事言わないで下さいよ!」
「図星のクセに」
「そ、それは‥」
何だかこれ…
二人のやり取りを見ていたレイは思わずクスクス笑い出した。
『君、表情がコロコロ変わって面白い』
「面白い‥?」
『そう、可愛い』
何かとても…姉になった気分だ。
「可愛い?!」
レイが微笑むと少年の顔がまた赤くなり、少女は少年の膝に乗ったまま笑いを堪えていた。
「モアさん、笑わないで下さいよ…」
「ごめん、ごめん」
「レイ、時間だ!!」
瞬間、そうユエの声が教会内に響き渡った。
もうそんな時間なんだ…まだアクマに会えてないけど、予定の汽車に乗り遅れれば飛んで行かなくてはいけない。それは面倒だ。
ここのアクマはこの少年に任せとけば大丈夫かな…
『分かった!!』
そうレイはユエに返事を返すと少年を見据えた。
『ここは君に任せるよ』
「え…?」
意味が分からないらしく、少年は首を傾げる。
その姿がまた可愛い。
『アクマが君に助けを求めている』
「ッ‥!!」
『救って上げて』
可哀相なあの子を救って上げて…
そう言うとレイは汽車に乗るべく教会を後にし、汽車の元に向かった。
合流したユエは少し不機嫌な顔をしていた。
「血の臭いがする‥」
『私のじゃないよ』
そのまま直ぐに駅に向かうと、駅に着く頃に丁度汽車がホームに滑り込んだ。乗り込んだ汽車はガタゴト音を鳴らしながら進む。
そんな中レイは、背凭れに寄りかかりながらずっと分厚い本を覗き込んでいた。
「レイ、あそこのアクマは壊せたのか?」
レイは本から目を離さずにユエの問いに答えた。
『いや、姿も見ていないよ』
「何だと?」
『先客に可愛いエクソシストの少年がいたから、彼に任せてきた』
「そうか…教団の者か」
レイは最後のページを捲ると顔を上げる。
『いや、違うと思うよ…あの子は団服を着ていなかった。その内入団するんじゃないかな?』
「そうか‥」
レイは自分の影に落とす様に本を仕舞いながら話を続けた。
はたから見れば何とも奇妙な光景だった。
『あの子、呪われていたよ』
「呪い‥?」
『額の左側にペンタクルがついていた。しかもその模様が左目を通過していたから…もしかしたらあの子はアクマと人間を判別出来るんじゃないかな?』
アクマから攻撃されて生きてたという事はあの少年は寄生型か…
「判別だと?門番じゃあるまいし…」
『有り得ない話でも無いよ。それにもしかしたら‥』
レイは向い側に座るユエの隣に腰掛けるとクスリと微笑んだ。
『あの子はチィと渡り合えるんじゃない?』
ユエが黙り込むのは分かっていた。
彼はチィを裏切って私に付いて来ているから…
『まぁ、そんな事させないけど』
ノアと人間…誰も死なせたく無いし。
「危険では無いのか?」
『大丈夫、あの子は人間だよ』
人間の根本は愛という名の“優しさ”で出来ている。そう“あの人”が言っていた。
暴走しようが愛を知っていれば止められるのだ。
『それに皆が拒絶しようが、人では無い私は‥』
そう‥人では無い私は…
『私は誰であろうと‥何であろうと絶対拒絶しない』
そういえば名前を聞いて無かったな‥
次に会った時に聞けば良いよね。
また会える日を‥
楽しみにしてるよ…
呪われて‥
愛された少年───…‥
「レイはま~だ見付から無いんデスか…いなくなってモゥ四年経ちますヨ?♡」
「て、言ってもさぁ、千年公~レイの顔知ってんの俺等とロードと千年公だけじゃん」
「ヒヒッ、少な!」
「むぅ…ジャスデビくんとロードは引き続きレイの捜索を続けて下さイ、勿論ティキぽんもですヨ♡」
「「「は~い」」」
「いや千年公、俺は姫さんの顔知らないから」
「捜索しなさィ♡」
「はい‥」
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ユエを御供に付けたレイは、団服であるジャケットをブンブン振り回しながら町中を突き進む。
今回の任務でまた一つイノセンスの回収に成功した。結構溜まったからそろそろヘブに持って行っても良い頃だ。
でもその前に…
『ねぇ、ユエ』
「何だ?」
『この町って変な噂あるよね』
「あぁ、教会が呪われているとか何とか…」
レイは荒れ果てた教会の前で立ち止まるとニッコリと微笑んでみせた。
『アクマが居そうよね』
そんなレイを見てユエは困った様に溜め息を吐いた。
「そうだな」
『どこに居るのかしらね』
「分かっているくせに」
確かにノアの力を使えばアクマがどこに居るか何て簡単に解る。
けどそれじゃつまらないし、私は…
「汽車に間に合う様にしろよ」
『分かってるよ!』
レイは振り回していたジャケットをユエに預けると一人、荒れ果てた教会の中に入って行った。
『うわぁ~‥凄い荒れ放題』
今にも潰れそうな教会内を見回しながら歩いていると、ふと“ヒュルルル”と音がした気がした。
『ヒュルルル?』
変な音がしたと思った次の瞬間、建物を崩す大きな音と共にレイの目の前に何かが降って来た。
『うぁ‥ッ?!』
降って来たのは二人の人間だった。
人が降って来るのを初めて見た。しかも壁を突き破って降って来るなんて……え、人間って空飛べ無いよね?
「っ…だ、大丈夫モアさん?」
「ここ、どこ…?」
「お向かいの教会…吹っ飛ばされました」
取敢えず生きてる様だ。
少年が顔を上げ、ふと私と目が合った。
………何か固まってるんですけど、この少年‥
私、そんなに酷い顔したかな?
『あ‥えっと…‥大丈夫?』
「あ、はい‥大丈夫です!」
困った様にレイがそう問い掛ければ、少年は慌てて返事を返した。
その様子が可愛らしくてつい笑ってしまった。
『そう、良かった』
「っ…」
少年が顔を赤くして黙り込み、少年が抱えていた少女が何か呟いた。
『何か言った…?』
レイが少女にそう尋ねると、何故か少年が首をブンブンと横に振った。
「な、何でも無いですよ!!モアさん、変な事言わないで下さいよ!」
「図星のクセに」
「そ、それは‥」
何だかこれ…
二人のやり取りを見ていたレイは思わずクスクス笑い出した。
『君、表情がコロコロ変わって面白い』
「面白い‥?」
『そう、可愛い』
何かとても…姉になった気分だ。
「可愛い?!」
レイが微笑むと少年の顔がまた赤くなり、少女は少年の膝に乗ったまま笑いを堪えていた。
「モアさん、笑わないで下さいよ…」
「ごめん、ごめん」
「レイ、時間だ!!」
瞬間、そうユエの声が教会内に響き渡った。
もうそんな時間なんだ…まだアクマに会えてないけど、予定の汽車に乗り遅れれば飛んで行かなくてはいけない。それは面倒だ。
ここのアクマはこの少年に任せとけば大丈夫かな…
『分かった!!』
そうレイはユエに返事を返すと少年を見据えた。
『ここは君に任せるよ』
「え…?」
意味が分からないらしく、少年は首を傾げる。
その姿がまた可愛い。
『アクマが君に助けを求めている』
「ッ‥!!」
『救って上げて』
可哀相なあの子を救って上げて…
そう言うとレイは汽車に乗るべく教会を後にし、汽車の元に向かった。
合流したユエは少し不機嫌な顔をしていた。
「血の臭いがする‥」
『私のじゃないよ』
そのまま直ぐに駅に向かうと、駅に着く頃に丁度汽車がホームに滑り込んだ。乗り込んだ汽車はガタゴト音を鳴らしながら進む。
そんな中レイは、背凭れに寄りかかりながらずっと分厚い本を覗き込んでいた。
「レイ、あそこのアクマは壊せたのか?」
レイは本から目を離さずにユエの問いに答えた。
『いや、姿も見ていないよ』
「何だと?」
『先客に可愛いエクソシストの少年がいたから、彼に任せてきた』
「そうか…教団の者か」
レイは最後のページを捲ると顔を上げる。
『いや、違うと思うよ…あの子は団服を着ていなかった。その内入団するんじゃないかな?』
「そうか‥」
レイは自分の影に落とす様に本を仕舞いながら話を続けた。
はたから見れば何とも奇妙な光景だった。
『あの子、呪われていたよ』
「呪い‥?」
『額の左側にペンタクルがついていた。しかもその模様が左目を通過していたから…もしかしたらあの子はアクマと人間を判別出来るんじゃないかな?』
アクマから攻撃されて生きてたという事はあの少年は寄生型か…
「判別だと?門番じゃあるまいし…」
『有り得ない話でも無いよ。それにもしかしたら‥』
レイは向い側に座るユエの隣に腰掛けるとクスリと微笑んだ。
『あの子はチィと渡り合えるんじゃない?』
ユエが黙り込むのは分かっていた。
彼はチィを裏切って私に付いて来ているから…
『まぁ、そんな事させないけど』
ノアと人間…誰も死なせたく無いし。
「危険では無いのか?」
『大丈夫、あの子は人間だよ』
人間の根本は愛という名の“優しさ”で出来ている。そう“あの人”が言っていた。
暴走しようが愛を知っていれば止められるのだ。
『それに皆が拒絶しようが、人では無い私は‥』
そう‥人では無い私は…
『私は誰であろうと‥何であろうと絶対拒絶しない』
そういえば名前を聞いて無かったな‥
次に会った時に聞けば良いよね。
また会える日を‥
楽しみにしてるよ…
呪われて‥
愛された少年───…‥