第2章 出会いと別れ
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37
嘘だ…
嘘だよな、レイ…
俺達に黙って出てったのに、その上やってる事まで黙ってたなんて無いよな…?
「ジャスデロ…アレ何に見える?」
「…デビと一緒だよ」
黙ってたなんて事無いよな?
レイ…嘘なんて無いよな……
「「レイが……エクソシスト?」」
=君との時間=
「マジかよ…姫さんがエクソシストと仲良しだなんて可笑しいだろ」
『別に変じゃないわ』
眼帯くんと抱き合っていた“姫さん”が徐々に短くなる黒髪を揺らしながら振り返り、その顔を見た俺は…目を見開いた。
「…ラゼル……?」
『キ…ラ……?』
振り返ったのは…エクソシストの団服に身を包んだラゼルだった。
「ラゼルが…姫さん…?」
ラゼルがノア…
ラゼルが姫さん…
「つか何だよ…その格好」
ラゼルがノアで姫さんで…
……エクソシスト?
「嘘だろ…」
そうは思っても、目の前の光景が俺に現実を突き付ける。
目の前に居るのは…ノアからエクソシストの姿になった…
どう見たって愛おしいラゼルだ。
エクソシストの中に愛する者が出来たらどうする──…
「ッ…月…いい性格してんじゃねぇか…」
こういう事かよ、チクショウ…
月の奴…分かり切って言ってたな。
『何で…キラ…』
あぁ、何でだろ…
凄く…何故か酷く悲しい……
「俺はティキ・ミック…快楽のノアだよ、ラゼル」
“いや”と否定する言葉が小さく掠れた。
「レイ」
そう彼女の名前を呼ぶと、彼女…レイは悲しそうに眉を寄せた。
『何でこんな…事に…』
そうだな、レイ…
俺も思うよ…
何でお前が千年公のパンドラの中身なんだ…
何で目に入れる事さえ許されなかった姫さんなんだ…
何でお前が…教団側 にいるんだよ……
「何で…」
何で俺達は…
“ラゼル”と“キラ”で居られなかったんだろう…
「何でこんな事に…」
何でこんな事になっちまったんだろう…
「レイ…取り敢えずこっち来い」
『ぇ…』
「千年公には怒られない様に謝ろう……双子と三人で…レイ入れて四人で謝ろう」
何言ってんだ…俺。
言いたい事はこんな事じゃないだろ…
「付き合ってやるから…大丈夫、恐くねぇよ」
レイに伝えたい事は…
こんな事じゃないだろ‥!
「ッ…俺と来い、レイ!!」
そう言ってレイに手を差し出したが、その手が取られる事は無かった。
レイが迷うよりも先に、レイの後ろに立って事の成り行きを見ていた眼帯少年がレイを後ろから抱き寄せたからだった。
『ッ…ラビ…』
眼帯少年は怪我をした腕でレイを抱き締め、空いた左手で槌を構えた。
「手ぇ離せよ…眼帯くん」
お前等エクソシストにとっちゃレイは切り札だろうよ…
だけど止めろ…邪魔すんなよ。
止めろ、止めろよ…止めろ…
「嫌だ」
止めろ、触るな…
「離せっつってんだろ!」
一気に間合いを詰めるとティーズを纏った拳で殴りつけた。
それを槌で防いだ眼帯少年が、レイを抱き締めたまま吹っ飛んだが気にしなかった。大丈夫だ。切り札を易々と傷付けたりしない…護る筈だ。
そして案の定…崩れかけた半壊の家に背を預ける様にして倒れた眼帯少年の腕には、レイが大事に抱き締められていた。
『ラビ…ラビ!!』
泣きそうな顔で、項垂れる眼帯少年を揺するレイを見たら余計に俺の中で黒いものが渦巻いた。
「返せ…」
もう嫌だ…何だよコレ…?
「離せよ…」
俺は唯…
いつもの様にレイに会って…
「ラゼ…ル…」
唯…唯、いつもの様にレイの笑顔が見たかっただけなのに…
『キ……ティキ?』
「ッ…レイを返せ!!」
「嫌だっつってんだろ!」
力では勝っているのに…負け犬の様に叫ぶ自分が酷く惨めだった。
自分が、玩具を捕られた餓鬼の様に叫ぶ日が来るなん想像もしてなかった。
惨めなのは分かってる。大人気ないのも分かってる…
でも俺は…レイが欲しい。
「俺達の…俺の家族だ!」
「煩ぇ、俺達にとってもレイは大事な家族だ!」
『ラビ…』
ラビの言葉が嬉しかった。
でも…こんなに迷惑掛けているのに、私を護るだなんて可笑しいよ…
『ラビ、私帰るよ…』
「何言ってるさ」
私をチィ達に…ティキに返せばこの場は凌げるんだよ?
『私が帰ったらこの場は皆…』
「返さないっつっただろ!」
そう怒鳴られた瞬間思わず瞑った目を開くと、ラビの顔が悲しそうに歪んでいた。
「何言ってるんさ……レイ…」
私の目的は、エクソシストの姿を晒してチィ達の注意を引き、一旦チィ達を退かせる事にあった。
最悪でもチィだけはこの場から引き離そうと思っていた。
私がエクソシストになったと分かれば、必ずチィは私を連れ帰って閉じ込める筈だ。
…傷付けない為だった。
『ラビ、私は…』
「レイは渡さねぇさ」
悲しませる為じゃなかった…‥
嘘だ…
嘘だよな、レイ…
俺達に黙って出てったのに、その上やってる事まで黙ってたなんて無いよな…?
「ジャスデロ…アレ何に見える?」
「…デビと一緒だよ」
黙ってたなんて事無いよな?
レイ…嘘なんて無いよな……
「「レイが……エクソシスト?」」
=君との時間=
「マジかよ…姫さんがエクソシストと仲良しだなんて可笑しいだろ」
『別に変じゃないわ』
眼帯くんと抱き合っていた“姫さん”が徐々に短くなる黒髪を揺らしながら振り返り、その顔を見た俺は…目を見開いた。
「…ラゼル……?」
『キ…ラ……?』
振り返ったのは…エクソシストの団服に身を包んだラゼルだった。
「ラゼルが…姫さん…?」
ラゼルがノア…
ラゼルが姫さん…
「つか何だよ…その格好」
ラゼルがノアで姫さんで…
……エクソシスト?
「嘘だろ…」
そうは思っても、目の前の光景が俺に現実を突き付ける。
目の前に居るのは…ノアからエクソシストの姿になった…
どう見たって愛おしいラゼルだ。
エクソシストの中に愛する者が出来たらどうする──…
「ッ…月…いい性格してんじゃねぇか…」
こういう事かよ、チクショウ…
月の奴…分かり切って言ってたな。
『何で…キラ…』
あぁ、何でだろ…
凄く…何故か酷く悲しい……
「俺はティキ・ミック…快楽のノアだよ、ラゼル」
“いや”と否定する言葉が小さく掠れた。
「レイ」
そう彼女の名前を呼ぶと、彼女…レイは悲しそうに眉を寄せた。
『何でこんな…事に…』
そうだな、レイ…
俺も思うよ…
何でお前が千年公のパンドラの中身なんだ…
何で目に入れる事さえ許されなかった姫さんなんだ…
何でお前が…
「何で…」
何で俺達は…
“ラゼル”と“キラ”で居られなかったんだろう…
「何でこんな事に…」
何でこんな事になっちまったんだろう…
「レイ…取り敢えずこっち来い」
『ぇ…』
「千年公には怒られない様に謝ろう……双子と三人で…レイ入れて四人で謝ろう」
何言ってんだ…俺。
言いたい事はこんな事じゃないだろ…
「付き合ってやるから…大丈夫、恐くねぇよ」
レイに伝えたい事は…
こんな事じゃないだろ‥!
「ッ…俺と来い、レイ!!」
そう言ってレイに手を差し出したが、その手が取られる事は無かった。
レイが迷うよりも先に、レイの後ろに立って事の成り行きを見ていた眼帯少年がレイを後ろから抱き寄せたからだった。
『ッ…ラビ…』
眼帯少年は怪我をした腕でレイを抱き締め、空いた左手で槌を構えた。
「手ぇ離せよ…眼帯くん」
お前等エクソシストにとっちゃレイは切り札だろうよ…
だけど止めろ…邪魔すんなよ。
止めろ、止めろよ…止めろ…
「嫌だ」
止めろ、触るな…
「離せっつってんだろ!」
一気に間合いを詰めるとティーズを纏った拳で殴りつけた。
それを槌で防いだ眼帯少年が、レイを抱き締めたまま吹っ飛んだが気にしなかった。大丈夫だ。切り札を易々と傷付けたりしない…護る筈だ。
そして案の定…崩れかけた半壊の家に背を預ける様にして倒れた眼帯少年の腕には、レイが大事に抱き締められていた。
『ラビ…ラビ!!』
泣きそうな顔で、項垂れる眼帯少年を揺するレイを見たら余計に俺の中で黒いものが渦巻いた。
「返せ…」
もう嫌だ…何だよコレ…?
「離せよ…」
俺は唯…
いつもの様にレイに会って…
「ラゼ…ル…」
唯…唯、いつもの様にレイの笑顔が見たかっただけなのに…
『キ……ティキ?』
「ッ…レイを返せ!!」
「嫌だっつってんだろ!」
力では勝っているのに…負け犬の様に叫ぶ自分が酷く惨めだった。
自分が、玩具を捕られた餓鬼の様に叫ぶ日が来るなん想像もしてなかった。
惨めなのは分かってる。大人気ないのも分かってる…
でも俺は…レイが欲しい。
「俺達の…俺の家族だ!」
「煩ぇ、俺達にとってもレイは大事な家族だ!」
『ラビ…』
ラビの言葉が嬉しかった。
でも…こんなに迷惑掛けているのに、私を護るだなんて可笑しいよ…
『ラビ、私帰るよ…』
「何言ってるさ」
私をチィ達に…ティキに返せばこの場は凌げるんだよ?
『私が帰ったらこの場は皆…』
「返さないっつっただろ!」
そう怒鳴られた瞬間思わず瞑った目を開くと、ラビの顔が悲しそうに歪んでいた。
「何言ってるんさ……レイ…」
私の目的は、エクソシストの姿を晒してチィ達の注意を引き、一旦チィ達を退かせる事にあった。
最悪でもチィだけはこの場から引き離そうと思っていた。
私がエクソシストになったと分かれば、必ずチィは私を連れ帰って閉じ込める筈だ。
…傷付けない為だった。
『ラビ、私は…』
「レイは渡さねぇさ」
悲しませる為じゃなかった…‥