第5章 二人の女王
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俺は暗い穴倉の水の中から生まれた。
冷たい洞窟の様な住まいと監視員の役割も担った科学班達…毎日続く同調 実験。
イノセンスの拒絶で何度死んだ事か。
腕が吹き飛び、骨が砕け、腹が裂け…
何度も何度も……俺は死に続けた。
“俺達”は死に続けた。
俺と…
俺より早く生まれた…
アルマと──…
=大切な名前=
たった一人の仲間、アルマ。
大嫌いだったコイツが朝一番に胎中室の目覚めぬ仲間達に声を掛けに行くのに付いて行く様になってからどれだけ経っただろうか。
分からない…
毎日暗い穴倉の中で目覚め、死んで、休んで、死んで、休んで、丹薬を飲んで、死んで、休んで、何度も何度も死んで…眠りにつく。
そしてまた朝を迎える。
何度繰り返してもイノセンスが俺達に応える事は無く…
俺達は毎日死に続けた。
人造といえど何度も再生を繰り返せばガタもくるわけで…
俺達の体は随分とモロくなっていた。
最初は一瞬で再生した傷も、もうそんなに直ぐには再生しなくなっていた。
それに、その年の冬を迎える頃には…
俺は幻覚と夢に侵食されていた。
侵食されていたといっても、科学班達に不都合だったわけで、俺に不都合等一つも無かった。
だってこれは…
俺の昔の記憶なんだから。
死んだ俺の脳を別の器に移し同調 するかの実験に使われた。
そんな俺の死ぬ前の記憶だったのだから…
“イノセンスしかない、聖戦に勝つ為にはエクソシストしかいない”そんな言い訳、どうでも良かった。
イノセンスがなんだ、エクソシストがなんだ…
俺はここから出たかった。
処分されそうになって…嫌だったがこんな時に目の前に現れたイノセンスの力を使って抜け出して…アルマを捜しに行った。
途中で見付けたマリを引き摺って、見付からない様に通気孔を通って…
胎中室で漸く見付けたのに…
そこは血塗れで真っ赤で鉄臭くて死体がいっぱいで…
その中に血塗れのアルマが立っていた。
怒りも怨みも憎しみも…
全て飲み込んでアルマと一緒に逃げようと思った。
「こんの、バ神田…」
アルマが一緒なら大丈夫だと思えた。
「いつまでこんなの垂れ流してるつもりだ」
だけどアルマはそうじゃなかった。
全員を殺し、実験の結果である自分と俺を殺そうと襲い掛かって来た。
「あのターバン野朗なんかにいーようにされて過去のぞかれて」
俺は外に出たかった。
短く…しかし色濃く残る昔の記憶に会いたかった。
「いつもの短ッッッかい君のド短気はぁ」
だから俺はアルマを殺した。
何度も再生するアイツを…死ぬまで斬りつけた。
「どこ行ったんですかぁ――!!!」
瞬間、頭に激痛が走った。
体中に鈍い痛みも感じた。
「左腕 で額割るって容赦ないね、アレン」
「元々僕等こーゆう間柄ですから」
「頭、痛──!!頭がぁぁぁ!!!」
遠のく意識の向こうに聞えた声に酷くイライラした。
それと同時に…
『ワイズリー!!』
酷く泣きたくなった。
ユウ…私を──…
俺は暗い穴倉の水の中から生まれた。
冷たい洞窟の様な住まいと監視員の役割も担った科学班達…毎日続く
イノセンスの拒絶で何度死んだ事か。
腕が吹き飛び、骨が砕け、腹が裂け…
何度も何度も……俺は死に続けた。
“俺達”は死に続けた。
俺と…
俺より早く生まれた…
アルマと──…
=大切な名前=
たった一人の仲間、アルマ。
大嫌いだったコイツが朝一番に胎中室の目覚めぬ仲間達に声を掛けに行くのに付いて行く様になってからどれだけ経っただろうか。
分からない…
毎日暗い穴倉の中で目覚め、死んで、休んで、死んで、休んで、丹薬を飲んで、死んで、休んで、何度も何度も死んで…眠りにつく。
そしてまた朝を迎える。
何度繰り返してもイノセンスが俺達に応える事は無く…
俺達は毎日死に続けた。
人造といえど何度も再生を繰り返せばガタもくるわけで…
俺達の体は随分とモロくなっていた。
最初は一瞬で再生した傷も、もうそんなに直ぐには再生しなくなっていた。
それに、その年の冬を迎える頃には…
俺は幻覚と夢に侵食されていた。
侵食されていたといっても、科学班達に不都合だったわけで、俺に不都合等一つも無かった。
だってこれは…
俺の昔の記憶なんだから。
死んだ俺の脳を別の器に移し
そんな俺の死ぬ前の記憶だったのだから…
“イノセンスしかない、聖戦に勝つ為にはエクソシストしかいない”そんな言い訳、どうでも良かった。
イノセンスがなんだ、エクソシストがなんだ…
俺はここから出たかった。
処分されそうになって…嫌だったがこんな時に目の前に現れたイノセンスの力を使って抜け出して…アルマを捜しに行った。
途中で見付けたマリを引き摺って、見付からない様に通気孔を通って…
胎中室で漸く見付けたのに…
そこは血塗れで真っ赤で鉄臭くて死体がいっぱいで…
その中に血塗れのアルマが立っていた。
怒りも怨みも憎しみも…
全て飲み込んでアルマと一緒に逃げようと思った。
「こんの、バ神田…」
アルマが一緒なら大丈夫だと思えた。
「いつまでこんなの垂れ流してるつもりだ」
だけどアルマはそうじゃなかった。
全員を殺し、実験の結果である自分と俺を殺そうと襲い掛かって来た。
「あのターバン野朗なんかにいーようにされて過去のぞかれて」
俺は外に出たかった。
短く…しかし色濃く残る昔の記憶に会いたかった。
「いつもの短ッッッかい君のド短気はぁ」
だから俺はアルマを殺した。
何度も再生するアイツを…死ぬまで斬りつけた。
「どこ行ったんですかぁ――!!!」
瞬間、頭に激痛が走った。
体中に鈍い痛みも感じた。
「
「元々僕等こーゆう間柄ですから」
「頭、痛──!!頭がぁぁぁ!!!」
遠のく意識の向こうに聞えた声に酷くイライラした。
それと同時に…
『ワイズリー!!』
酷く泣きたくなった。
ユウ…私を──…