burrasca
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31
「ケイト先輩‥ケイト先輩!!」
私は…
何の力も持っていない。
気付く力も…
支える力も‥
伝える力も‥
繋ぎ止める力も…
何一つ持ってない。
=曇り空=
走った。
今まで経験した事が無い…酷く長く感じる距離を走った。
涙で前が霞み、風の所為で目が痛かったが、灯里先輩と藍華先輩を待たせているカフェまで立ち止まらずにひたすら走った。
——アリス…
カフェテラスに座った二人を遠目に確認して走り寄ると、そこで漸く私は足を止めた。
ガクガクと膝が笑い出し、意志に反して私は地に崩れた。
「はひ?!どうしたの、アリスちゃん?」
「せんぱ‥が…」
「せんぱ?それよりケイトはどうしたのよ…呼びに行ったんじゃなかったの?」
どうしよう‥
どうしよう、どうしよう、どうしよう…
「ッ、ケイト先輩が‥ケイト先輩が居ないんです!!」
「「え…?」」
「どこにも…居ないんです‥」
葬儀の次の日、私達三人はケイト先輩を食事に誘う事にした。
颯 には電話が繋がらなかった。
電話線を抜いたままなのだろうと、先輩二人に場所取りをしてもらい、私がケイト先輩を呼びに行く事になった。
いつもと変わらぬネオ・ヴェネツィアをケイト先輩と何を話そうかと考えながら颯 に向かって歩いた。
「颯 は…人が居る様には見えませんでした」
颯 の周りには足場が組まれ、上から塗装用のシートを掛けられていた。
静まり返った颯 には明かり一つついていなく、物音一つ聞こえなかった。
沢山ケイト先輩の名を呼んだ。
「思い当たる所を回ってみたんですが‥」
ネオ・ヴェネツィア中のどこを捜してもケイト先輩は居なかった。
クロアさんとエルリックさんの新居となる予定だったエルリックさんの家にも行った。
庭にあるクロアさんのお墓にケイト先輩が行ったのではないかと思ったからだった。
「クロアさんの所にも…ケイト先輩は居ませんでした」
溢れる涙が止まらない。
どこにいるんですか‥
私達に声も掛けずに…
どこに行ったんですか…ッ‥
ケイト先輩は馬鹿です。
一人で勝手に抱え込んで‥
一人で苦しんで…‥
貴方はクロアさんに‥
でっかいそっくりです——…‥
.
「ケイト先輩‥ケイト先輩!!」
私は…
何の力も持っていない。
気付く力も…
支える力も‥
伝える力も‥
繋ぎ止める力も…
何一つ持ってない。
=曇り空=
走った。
今まで経験した事が無い…酷く長く感じる距離を走った。
涙で前が霞み、風の所為で目が痛かったが、灯里先輩と藍華先輩を待たせているカフェまで立ち止まらずにひたすら走った。
——アリス…
カフェテラスに座った二人を遠目に確認して走り寄ると、そこで漸く私は足を止めた。
ガクガクと膝が笑い出し、意志に反して私は地に崩れた。
「はひ?!どうしたの、アリスちゃん?」
「せんぱ‥が…」
「せんぱ?それよりケイトはどうしたのよ…呼びに行ったんじゃなかったの?」
どうしよう‥
どうしよう、どうしよう、どうしよう…
「ッ、ケイト先輩が‥ケイト先輩が居ないんです!!」
「「え…?」」
「どこにも…居ないんです‥」
葬儀の次の日、私達三人はケイト先輩を食事に誘う事にした。
電話線を抜いたままなのだろうと、先輩二人に場所取りをしてもらい、私がケイト先輩を呼びに行く事になった。
いつもと変わらぬネオ・ヴェネツィアをケイト先輩と何を話そうかと考えながら
「
静まり返った
沢山ケイト先輩の名を呼んだ。
「思い当たる所を回ってみたんですが‥」
ネオ・ヴェネツィア中のどこを捜してもケイト先輩は居なかった。
クロアさんとエルリックさんの新居となる予定だったエルリックさんの家にも行った。
庭にあるクロアさんのお墓にケイト先輩が行ったのではないかと思ったからだった。
「クロアさんの所にも…ケイト先輩は居ませんでした」
溢れる涙が止まらない。
どこにいるんですか‥
私達に声も掛けずに…
どこに行ったんですか…ッ‥
ケイト先輩は馬鹿です。
一人で勝手に抱え込んで‥
一人で苦しんで…‥
貴方はクロアさんに‥
でっかいそっくりです——…‥
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