burrasca
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2
噂は噂…
いざ会ってみると印象がだいぶ違うものだ。
=初対面=
早朝の颯の舟置場…
いつもは静かな辺りが賑やかな訳は一つ。合同練習だ。
『社長、駄目ですってば!今日は社長はお留守番ですよ、お留守番!』
「ニィ、二!」
ハヤテ・カンパニーの制服に身を包んだケイトは、何とか舟に飛び乗ろうとするハヤトを舟に乗せまいと頑張るが、ハヤトは見掛けによらず素早いので、大変だ。
この短い足で良くここまで早く動くものだ。
『アリア社長や灯里と遊ぼうったってそうはいきませんよ!僕は練習に行くんです、遊びに行くつもりならお留守番です』
ハヤトは諦めたらしく、大人しく背負った玩具入りバッグをカウンターに置き、舟に飛び乗った。
『それなら良いですよ、社長』
「ニゥ!」
オールを手にしたケイトは、ARIAカンパニーに向けて舟を漕ぎ出した。
そして事の一部始終を見ていた人が一人…クロアだ。
騒ぎの所為で目が覚めたクロアは、自室の窓から事の成り行きを見ていた。
『…懐かしいものだな』
そう呟いたクロアは、ケイト達の姿が見えなくなると小さな欠伸をし、再びベッドに潜り込んだ。
右目が疼く…
ARIAカンパニーに着くと、既に姫屋の娘とオレンジぷらねっとの天才少女が着いていた。
僕…遅刻か?
『ほらぁ…ハヤト社長の所為で遅刻ですよ』
そうケイトが呟いたが、社長は舟 の先端のお気に入りの場所で呑気に寝ていて話など聞こえていない。
ゆっくりと三人に近付くと、何やら話をしていた。
「んふふ~何と、今日から合同練習の仲間が一人増えます!」
灯里の一言に姫屋の娘、藍華とオレンジぷらねっとの天才少女、アリスは眉を寄せた。
「はぁ?」
「でっかいいきなりです」
『よぉ、灯里』
「はひ?!!」
横から声を掛けると驚いた灯里は舟 から落ちそうになり、ケイトは咄嗟に灯里の腕を掴んだ。
藍華とアリスも声に釣られてこちらを振り向く。そしてケイトの制服を見て目を見開いた。
「颯 の天才、ケイト・ハドルトソン?!」
“颯の天才”って何か格好悪い様な気がする。付けるならもっと良い通り名を付けて欲しい。
「灯里、あんたまさか新しい練習仲間って…」
「うん、ケイトちゃんだよ!藍華ちゃん達ケイトちゃんの事知ってたの?」
「名前くらいは知ってるわよ。この子、入社した時点で試験も受けずにペアを飛び越してシングルに昇進したのよ…しかもあんたが一日掛けたあのヴォガ・ロンガで優勝してるわ」
「颯はでっかい伝説です」
確かに颯はある意味伝説ではある。
…と言うかでっかいって何よ?
それにしても目の前の二人、藍華とアリスはイメージと全く違った。
藍華のお嬢様のイメージも崩れたし、アリスに至っては…こんなに“でっかい”を連発する天才は見た事が無い。
まぁ、兎も角だ。
『はい、はい、知っての通り颯のケイト・ハドルトソンですよ~藍華もアリスもよろしくな』
差し出した両手を藍華とアリスが片方ずつ取り、ケイトはニッコリと微笑んだ。
『練習行こうか』
ケイトは自分の舟 を杭に繋ぐと、灯里の舟 に飛び移り、オールを手に取った。
アリア社長が“ぷぃにゅ”と鳴きながらケイトの足に抱き付いてくる。
『あれ?アリア社長もやっぱり行くんですか?』
「ぷぃにゅ!」
灯里はアリア社長を抱き上げると、嬉しそうに笑った。
「アリア社長は大抵、一緒だよ」
腕にぶら提げたら良い筋力トレーニングになりそうだな。
『じゃあ、ハヤト社長も…』
寝かせたままにして連れて行かないと後で怒りそうだし…
ケイトは未だにお気に入りの場所で寝ているハヤトをオールで引っ掛けて持ち上げると、自分に向けて放り投げた。
「はひ——ッ!!!」
灯里の悲鳴にも似た声が響く中、空中で目を覚ましたハヤトは、長い体を丸めてクルクルと前方に回転しながら綺麗にケイトの肩に着地をきめた。
ピタッと叫ぶのを止めた灯里の腕の中でアリア社長が驚いた顔をしているのは、側で灯里の悲鳴を聞いたからだろう。
『ハヤト社長はこう見えても運動神経抜群だから平気だよ』
座ると前足が地に付かない程胴が長い癖に良くそれをカバーするものだ。
皆が灯里の舟 に乗ったのを確認したケイトは、ハヤト社長を降ろすと手にしたオールをクルクルと回し、柄の先端で軽く船板を突いた。
オールを舟 に突き立てた様だった。
『じゃあ、始めよっか』
僕等の出会いは‥
運命だったのかな——…‥
.
噂は噂…
いざ会ってみると印象がだいぶ違うものだ。
=初対面=
早朝の颯の舟置場…
いつもは静かな辺りが賑やかな訳は一つ。合同練習だ。
『社長、駄目ですってば!今日は社長はお留守番ですよ、お留守番!』
「ニィ、二!」
ハヤテ・カンパニーの制服に身を包んだケイトは、何とか舟に飛び乗ろうとするハヤトを舟に乗せまいと頑張るが、ハヤトは見掛けによらず素早いので、大変だ。
この短い足で良くここまで早く動くものだ。
『アリア社長や灯里と遊ぼうったってそうはいきませんよ!僕は練習に行くんです、遊びに行くつもりならお留守番です』
ハヤトは諦めたらしく、大人しく背負った玩具入りバッグをカウンターに置き、舟に飛び乗った。
『それなら良いですよ、社長』
「ニゥ!」
オールを手にしたケイトは、ARIAカンパニーに向けて舟を漕ぎ出した。
そして事の一部始終を見ていた人が一人…クロアだ。
騒ぎの所為で目が覚めたクロアは、自室の窓から事の成り行きを見ていた。
『…懐かしいものだな』
そう呟いたクロアは、ケイト達の姿が見えなくなると小さな欠伸をし、再びベッドに潜り込んだ。
右目が疼く…
ARIAカンパニーに着くと、既に姫屋の娘とオレンジぷらねっとの天才少女が着いていた。
僕…遅刻か?
『ほらぁ…ハヤト社長の所為で遅刻ですよ』
そうケイトが呟いたが、社長は
ゆっくりと三人に近付くと、何やら話をしていた。
「んふふ~何と、今日から合同練習の仲間が一人増えます!」
灯里の一言に姫屋の娘、藍華とオレンジぷらねっとの天才少女、アリスは眉を寄せた。
「はぁ?」
「でっかいいきなりです」
『よぉ、灯里』
「はひ?!!」
横から声を掛けると驚いた灯里は
藍華とアリスも声に釣られてこちらを振り向く。そしてケイトの制服を見て目を見開いた。
「
“颯の天才”って何か格好悪い様な気がする。付けるならもっと良い通り名を付けて欲しい。
「灯里、あんたまさか新しい練習仲間って…」
「うん、ケイトちゃんだよ!藍華ちゃん達ケイトちゃんの事知ってたの?」
「名前くらいは知ってるわよ。この子、入社した時点で試験も受けずにペアを飛び越してシングルに昇進したのよ…しかもあんたが一日掛けたあのヴォガ・ロンガで優勝してるわ」
「颯はでっかい伝説です」
確かに颯はある意味伝説ではある。
…と言うかでっかいって何よ?
それにしても目の前の二人、藍華とアリスはイメージと全く違った。
藍華のお嬢様のイメージも崩れたし、アリスに至っては…こんなに“でっかい”を連発する天才は見た事が無い。
まぁ、兎も角だ。
『はい、はい、知っての通り颯のケイト・ハドルトソンですよ~藍華もアリスもよろしくな』
差し出した両手を藍華とアリスが片方ずつ取り、ケイトはニッコリと微笑んだ。
『練習行こうか』
ケイトは自分の
アリア社長が“ぷぃにゅ”と鳴きながらケイトの足に抱き付いてくる。
『あれ?アリア社長もやっぱり行くんですか?』
「ぷぃにゅ!」
灯里はアリア社長を抱き上げると、嬉しそうに笑った。
「アリア社長は大抵、一緒だよ」
腕にぶら提げたら良い筋力トレーニングになりそうだな。
『じゃあ、ハヤト社長も…』
寝かせたままにして連れて行かないと後で怒りそうだし…
ケイトは未だにお気に入りの場所で寝ているハヤトをオールで引っ掛けて持ち上げると、自分に向けて放り投げた。
「はひ——ッ!!!」
灯里の悲鳴にも似た声が響く中、空中で目を覚ましたハヤトは、長い体を丸めてクルクルと前方に回転しながら綺麗にケイトの肩に着地をきめた。
ピタッと叫ぶのを止めた灯里の腕の中でアリア社長が驚いた顔をしているのは、側で灯里の悲鳴を聞いたからだろう。
『ハヤト社長はこう見えても運動神経抜群だから平気だよ』
座ると前足が地に付かない程胴が長い癖に良くそれをカバーするものだ。
皆が灯里の
オールを
『じゃあ、始めよっか』
僕等の出会いは‥
運命だったのかな——…‥
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