第2章 秘密ノ謳
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何をおいても‥
今願うは一つ――…‥
==
着いた時には‥
気付いた時にはもう遅かった。
麗の波長の乱れに気付いて走り出した俺が、辿り着いた先で見たモノは…
彼奴の腕の中で、力を完璧に抑えられて眠りについた麗だった。
「テメェ‥何しやがった…」
餓鬼共とふざけて…
狼共と喧嘩なんかしてないで‥
麗の側にいれば良かった‥
元の世界に居た俺は片時も離れなかったのに…
何故離れた?
‥今更後悔したって遅い。
「返せ、糞餓鬼が!!」
溢れ出す妖力を身に纏い、刃と化した伸びた爪を構えてニヤリと笑う金髪の糞餓鬼に飛び掛った。
返せ‥
返せ…
俺の‥俺の大切な…‥
大丈夫だよ、ライ――…
「ッ…ア゙ァアァ゙ァァ!!」
返せ‥
俺の大切な幼子を‥
愛し者を‥
返せ――…‥</font>
それから先の事は良く覚えていない。
気付いたら俺は医務室のベッドの中だった。
霞む視界の中、隣のベッドに麗が寝ているのが見えた。
あの時…
彼奴を殺しに掛かった俺は、彼奴が逃げた後も麗を抱き抱えたまま我を忘れて暴れていたらしい。
ア゙ァアアアア!!!
殺シテヤル!!
最早生カシテオク意味ハ無クナッタ!
我ガ愛シキ者ヲ奪ウナラバ‥
全テヲ‥
滅ボシテヤル!!!</font>
馬鹿鳥や紙園、蛇、狼が総出で取り押さえたと‥ダンブルドアに聞いた。
そして、ダンブルドアの話では麗はいつ覚めるか分からない眠りについているらしい。
ライはベッドから抜け出ると、隣のベッドに歩み寄り、冷たくなった麗の手を握り締めた。
「俺は守護神失格だ…」
俺はいつだって肝心な時に無力だ。
頬を涙が静かに伝った。
今まで一度しか流した事の無い涙は…
記憶の通り塩っぱかった…‥
あの時…
俺が代わりに“忘れ物”を取りに行くなり、一緒に行くなりすれば良かった…
アレンが麗の気の違和感を訴えにきたので、話を聞いていると、大きな破壊音が辺りに響いた。
慌てて駈け付けると、麗を抱き抱えたライが無表情のまま涙を流して暴れていた。
総出で取り押さえ、ライが抱き抱えていた麗を抱き上げた瞬間、俺は麗の内なる異変に気付いた。
「体内から麗以外の魔力を感じる…」
それが何を示しているのか‥
そんなものは簡単に解った。
絶望だ…‥
「だから紙園か俺を肩に乗せて歩けと言ったんだ…‥馬鹿…」
“着いて行かなかった俺が悪いのに‥”
俺は…
頭の中でそう繰り返す―…‥
何やねん…
寿命が短いっちゅうに昼寝かいな‥
変な事にばっかり首突っ込んでるからや…
そないに優しいから‥
だから自分がボロボロになってしまうんやで‥
目ぇ覚ましてや‥
折角、楓が命はったんや…
そないに無駄な生き方したらあかんやろ…‥
ほんで目ぇ覚めたら‥
また笑顔で抱き締めてゃ…
無茶した事、怒らへんから…‥
“来年も一緒に居れると良いわね”
そう言ったのは麗じゃないか…
俺は一緒に居てやるって約束したんだ…‥それに‥
好きだと言った返事を聞いて無いじゃないか…
「いつまで‥
寝てるつもりだよ…」
お前の歌を待ってる人がいるんだ…
お前を待ってる人がいるんだ…‥だから…
目を覚ましてくれ‥
俺に約束を護らせてくれよ‥
願うは唯一つ…‥
「「「「帰って来い…麗‥」」」
何時までも‥
待ってるから――…‥
何をおいても‥
今願うは一つ――…‥
==
着いた時には‥
気付いた時にはもう遅かった。
麗の波長の乱れに気付いて走り出した俺が、辿り着いた先で見たモノは…
彼奴の腕の中で、力を完璧に抑えられて眠りについた麗だった。
「テメェ‥何しやがった…」
餓鬼共とふざけて…
狼共と喧嘩なんかしてないで‥
麗の側にいれば良かった‥
元の世界に居た俺は片時も離れなかったのに…
何故離れた?
‥今更後悔したって遅い。
「返せ、糞餓鬼が!!」
溢れ出す妖力を身に纏い、刃と化した伸びた爪を構えてニヤリと笑う金髪の糞餓鬼に飛び掛った。
返せ‥
返せ…
俺の‥俺の大切な…‥
大丈夫だよ、ライ――…
「ッ…ア゙ァアァ゙ァァ!!」
返せ‥
俺の大切な幼子を‥
愛し者を‥
返せ――…‥</font>
それから先の事は良く覚えていない。
気付いたら俺は医務室のベッドの中だった。
霞む視界の中、隣のベッドに麗が寝ているのが見えた。
あの時…
彼奴を殺しに掛かった俺は、彼奴が逃げた後も麗を抱き抱えたまま我を忘れて暴れていたらしい。
ア゙ァアアアア!!!
殺シテヤル!!
最早生カシテオク意味ハ無クナッタ!
我ガ愛シキ者ヲ奪ウナラバ‥
全テヲ‥
滅ボシテヤル!!!</font>
馬鹿鳥や紙園、蛇、狼が総出で取り押さえたと‥ダンブルドアに聞いた。
そして、ダンブルドアの話では麗はいつ覚めるか分からない眠りについているらしい。
ライはベッドから抜け出ると、隣のベッドに歩み寄り、冷たくなった麗の手を握り締めた。
「俺は守護神失格だ…」
俺はいつだって肝心な時に無力だ。
頬を涙が静かに伝った。
今まで一度しか流した事の無い涙は…
記憶の通り塩っぱかった…‥
あの時…
俺が代わりに“忘れ物”を取りに行くなり、一緒に行くなりすれば良かった…
アレンが麗の気の違和感を訴えにきたので、話を聞いていると、大きな破壊音が辺りに響いた。
慌てて駈け付けると、麗を抱き抱えたライが無表情のまま涙を流して暴れていた。
総出で取り押さえ、ライが抱き抱えていた麗を抱き上げた瞬間、俺は麗の内なる異変に気付いた。
「体内から麗以外の魔力を感じる…」
それが何を示しているのか‥
そんなものは簡単に解った。
絶望だ…‥
「だから紙園か俺を肩に乗せて歩けと言ったんだ…‥馬鹿…」
“着いて行かなかった俺が悪いのに‥”
俺は…
頭の中でそう繰り返す―…‥
何やねん…
寿命が短いっちゅうに昼寝かいな‥
変な事にばっかり首突っ込んでるからや…
そないに優しいから‥
だから自分がボロボロになってしまうんやで‥
目ぇ覚ましてや‥
折角、楓が命はったんや…
そないに無駄な生き方したらあかんやろ…‥
ほんで目ぇ覚めたら‥
また笑顔で抱き締めてゃ…
無茶した事、怒らへんから…‥
“来年も一緒に居れると良いわね”
そう言ったのは麗じゃないか…
俺は一緒に居てやるって約束したんだ…‥それに‥
好きだと言った返事を聞いて無いじゃないか…
「いつまで‥
寝てるつもりだよ…」
お前の歌を待ってる人がいるんだ…
お前を待ってる人がいるんだ…‥だから…
目を覚ましてくれ‥
俺に約束を護らせてくれよ‥
願うは唯一つ…‥
「「「「帰って来い…麗‥」」」
何時までも‥
待ってるから――…‥