第2章 秘密ノ謳
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63
身体の芯を刺す程の寒いクリスマスの朝‥
麗は##NAME4##を呼び出した。
相変わらず無表情な彼の手を取り、腕に金のブレスレットを付ける。
『はい、プレゼント』
去年と全く同じモノだった。
朝日に照らされて輝く金のブレスレット‥
『今日は忙しくなりそうだから今の内に渡しておくわね』
「又ブレスレットかよ」
『毎年一つずつ増えていく。
きっとその内腕が重くなるね』
麗は楽しそうにクスクス笑い、##NAME4##は麗の手を取ると昨年と同じように同じ型のブレスレットを付けた。
『##NAME4##もブレスレットじゃない』
「毎年一つずつなんだろ?
お前の腕も重くしてやる」
『喜んで御受けするわ』
==
「「「「Merry Christmas!
我等が詩姫、シャントゥール!!」」」」
いつもよりも元気な悪戯仕掛人が勢い良く部屋に入ってくるが、その元気な声を聞きライは不機嫌そうに眉を寄せる。
「煩ぇ…餓鬼」
『クリスマスなんだから多目に見てあげて良いんじゃない‥?
Merry Christmas!!
ムーニー、ワームテール、パッドフット、プロングス!
今ね、御茶してた所な‥』
「麗、俺はもう帰る」
麗の言葉を遮り、仕掛人達の死角のソファーに座っていた男が口を開く。
麗の先生であり友達でもあるスリザリン生、セブルス・スネイプだ。
『帰っちゃうの?』
「ああ、又夜にな」
セブルスは仕掛人達を一睨みすると、部屋を後にした。
『帰っちゃった‥
ぁ、部屋着で御免ね。
御客さん多くて着替える暇無かったのよ』
麗は部屋着の着物の着崩れを直しながら困った様に苦笑した。
「良いよ~麗は着物が似合ってるから!
…それより何でスネイプが来てたんだい?」
ジェームズはソファーにドカッと腰掛けながらそう問い掛けた。
『何でって…
セブはジェームズ達よりも良く部屋に遊びに来るわよ‥?』
そう言う麗の言葉を聞いて、仕掛人は表情を歪めた。
本当に仲が悪い五人だ。
「そんなに頻繁に来てるのか?」
『うん、図書室では御茶飲めないじゃない?
だから良く一緒に御茶したり、勉強したりしてるのよ』
「じゃ、じゃあ…」
「“お客さん多くて”てのは何だい?」
ピーター声を遮り、今度は意味深いげに微笑んだリーマスがそう問い掛けた。
『セブの前に、アレン、ルシウス、レギュラス、ラバスタンが来てたのよ』
「アレンは兎も角、何でスリザリンの奴等が…」
『皆、プレゼントを届けに来てくれたのよ』
「プレゼントって‥」
『誕生日プレゼントよ』
全て私にはもったいないくらい素敵なプレゼントだった。
嬉しくてドレスをくれたルシウスとは一緒にパーティーに行く約束をしたし、アレンに貰ったネックレスやラバスタンに貰った髪飾りは早速身に付けている。
レギュラスはドレスの他に指輪もくれた。
「…そういや何でスネイプ達がホグワーツにいるんだ?」
「麗様がシークレットライブに招待なさったんですよ」
声と同時に麗の寝室の扉がゆっくりと開かれ、中から凌と椿が姿を現した。
ライはそっとピーターに麗の親戚だと耳打ちする。
「麗様がスリザリン寮の御友達とマクスウェルさんを招待なされたんです。
他にも部屋にいらっしゃった人以外に数名‥」
「だからお前等の嫌いな奴等がいるんだよ~」
抱き付いてくる椿の額に麗はそっと手を添えた。
『言葉を選びなさい?』
「了~解」
リリー、シーラ、リザの三人は実家から直接こちらに来る予定だ。
「何であんな奴等、呼んだんだ」
『シリウスも言葉を選んで』
不機嫌そうに眉を寄せたシリウスを見、麗は溜め息を吐いた。
『皆、私の大切な友達よ』
なんで…
皆は仲が悪いんだろう‥
私とは仲良くしてくれるのに‥
『皆様、ようこそいらっしゃいました。
シークレットライブと称してますが、今日はクリスマスです…どうかクリスマスパーティを御楽しみ下さい』
夜に大広間で行われた麗のシークレットライブ‥
銀髪緋髪‥黒いドレスを身に纏った麗は一曲だけ詩を謳うと、そう一言だけ残してステージを降りた。
スリザリンの面々と話をした後、飲み物を口にしていると、壁際から正装をしたリーマスが近寄って来た。
「お疲れ様、麗」
『有難う、リーマス‥
ねぇ、約束通り中庭でパーティしましょ』
運良く今日はホワイトクリスマスになった。
大広間に降る魔法の雪では無く、外にはフワフワの雪が降り積もっている。
「良いけど、椿と凌は?」
『あの子達は用があるのよ』
「用?」
『朝は騎龍と砕覇がいなかったでしょ?
椿と凌は二人と入れ替わりで用を為しに行くの…
可哀相に桜華と西煌なんか一日缶詰よ』
「大変そうだね」
『そうね‥
だからパーティーには騎龍と砕覇しか来れないわ』
本当は皆でパーティーをしたかった。
だが我が儘は言ってられ無い。
彼等には彼等の為すべき事があるのだから。
仕掛人の面々を会場から誘い出した麗は、雪の積もった綺麗な庭に魔法でテーブルやティーセット、ディナーやお菓子などを出して仕掛人達とパーティーの支度を進める。
パーティーの支度が整ったら他の皆も呼ぼう‥
そう思った瞬間、忘れ物をした事に気付いた。
あれが無いと困る。
麗は部屋に帰ろうと踵をかえしたが、腕を掴まれてその場に止まった。
「麗‥」
『##NAME3##、どうしたの‥?』
「プレゼントだ。
忙しくて渡せなかったからな」
##NAME3##は麗の手を取り、昨年と同じ様に銀のブレスレットを付けた。
『有難う‥
…考える事は同じね』
麗は嬉しそうにクスクス笑いながら##NAME3##の手を取り、銀のブレスレットを付けた。
「ああ‥同じだな」
『##NAME3##、私部屋に忘れ物を取りに行ってくるわ。
その間、皆を宜しくね…きっとライ達が三人で喧嘩を始めるわ』
「分かった」
此の時…
別れなければ良かった…‥
「急ぎか?」
廊下を小走りで走っていた麗は聞き覚えのある声を耳にし、立ち止まった。
振り返った先には金髪の男が立っていた。
『トム!!』
見目が違っていたって関係無い。私がトムを間違える筈が無い。
コンサートの時もだが、一目で分かった。
「ドレス、似合っているな」
『友達がくれたのよ』
ドレスは今日、レギュラスに貰ったモノだった。
アルバスも用意しておいてくれたのだが、レギュラスの方を選んだ。
ドレスと一緒に貰った指輪も勿論ちゃんとしてる。
「そうか‥
来年は俺様がやろう」
『有難う‥
トムはここで何をしてるの?
パーティーつまらない?』
「つまらなくは無いぞ」
麗の頬を一撫でしたトムは、微かに微笑んだ。
「プレゼントをやっていなかったからな」
トムはポケットから小さな箱を出し、中からネックレスを取り出した。
『綺麗ね』
麗の首にネックレスをかけたトムは、麗の額にキスを落として笑った。
「これもやる」
“疲れただろ”と言いながらトムが取り出したのは‥
『キャンディ?』
食うな…
「あぁ、美味いぞ」
トムはそう言ってキャンデーを麗の口に運ぶ。
食うな‥
麗は口元に運ばれたキャンデーを口にすると微笑んだ。
『本当だ美味しい』
食ウンジャネェ…
「特別なキャンデーだからな」
トムは口角を上げて笑うと麗の腰に手を回した。
『特…べ…っ…‥』
麗が眠る様に倒れ、トムはその身体を受け止めると“ククク…”と妖しく笑い出した。
「あぁ、そうだ。
魔法が効かないお前専用の特別なキャンデーだ、麗‥」
トムの愉快そうな笑い声が廊下に響く。
馬鹿だな私は…
キャンデーを見た瞬間から頭に警告音が鳴り響いていたのに…‥
さぁ、眠りの時間だ‥
私を何時もの悪夢が向かい入れる――…‥
身体の芯を刺す程の寒いクリスマスの朝‥
麗は##NAME4##を呼び出した。
相変わらず無表情な彼の手を取り、腕に金のブレスレットを付ける。
『はい、プレゼント』
去年と全く同じモノだった。
朝日に照らされて輝く金のブレスレット‥
『今日は忙しくなりそうだから今の内に渡しておくわね』
「又ブレスレットかよ」
『毎年一つずつ増えていく。
きっとその内腕が重くなるね』
麗は楽しそうにクスクス笑い、##NAME4##は麗の手を取ると昨年と同じように同じ型のブレスレットを付けた。
『##NAME4##もブレスレットじゃない』
「毎年一つずつなんだろ?
お前の腕も重くしてやる」
『喜んで御受けするわ』
==
「「「「Merry Christmas!
我等が詩姫、シャントゥール!!」」」」
いつもよりも元気な悪戯仕掛人が勢い良く部屋に入ってくるが、その元気な声を聞きライは不機嫌そうに眉を寄せる。
「煩ぇ…餓鬼」
『クリスマスなんだから多目に見てあげて良いんじゃない‥?
Merry Christmas!!
ムーニー、ワームテール、パッドフット、プロングス!
今ね、御茶してた所な‥』
「麗、俺はもう帰る」
麗の言葉を遮り、仕掛人達の死角のソファーに座っていた男が口を開く。
麗の先生であり友達でもあるスリザリン生、セブルス・スネイプだ。
『帰っちゃうの?』
「ああ、又夜にな」
セブルスは仕掛人達を一睨みすると、部屋を後にした。
『帰っちゃった‥
ぁ、部屋着で御免ね。
御客さん多くて着替える暇無かったのよ』
麗は部屋着の着物の着崩れを直しながら困った様に苦笑した。
「良いよ~麗は着物が似合ってるから!
…それより何でスネイプが来てたんだい?」
ジェームズはソファーにドカッと腰掛けながらそう問い掛けた。
『何でって…
セブはジェームズ達よりも良く部屋に遊びに来るわよ‥?』
そう言う麗の言葉を聞いて、仕掛人は表情を歪めた。
本当に仲が悪い五人だ。
「そんなに頻繁に来てるのか?」
『うん、図書室では御茶飲めないじゃない?
だから良く一緒に御茶したり、勉強したりしてるのよ』
「じゃ、じゃあ…」
「“お客さん多くて”てのは何だい?」
ピーター声を遮り、今度は意味深いげに微笑んだリーマスがそう問い掛けた。
『セブの前に、アレン、ルシウス、レギュラス、ラバスタンが来てたのよ』
「アレンは兎も角、何でスリザリンの奴等が…」
『皆、プレゼントを届けに来てくれたのよ』
「プレゼントって‥」
『誕生日プレゼントよ』
全て私にはもったいないくらい素敵なプレゼントだった。
嬉しくてドレスをくれたルシウスとは一緒にパーティーに行く約束をしたし、アレンに貰ったネックレスやラバスタンに貰った髪飾りは早速身に付けている。
レギュラスはドレスの他に指輪もくれた。
「…そういや何でスネイプ達がホグワーツにいるんだ?」
「麗様がシークレットライブに招待なさったんですよ」
声と同時に麗の寝室の扉がゆっくりと開かれ、中から凌と椿が姿を現した。
ライはそっとピーターに麗の親戚だと耳打ちする。
「麗様がスリザリン寮の御友達とマクスウェルさんを招待なされたんです。
他にも部屋にいらっしゃった人以外に数名‥」
「だからお前等の嫌いな奴等がいるんだよ~」
抱き付いてくる椿の額に麗はそっと手を添えた。
『言葉を選びなさい?』
「了~解」
リリー、シーラ、リザの三人は実家から直接こちらに来る予定だ。
「何であんな奴等、呼んだんだ」
『シリウスも言葉を選んで』
不機嫌そうに眉を寄せたシリウスを見、麗は溜め息を吐いた。
『皆、私の大切な友達よ』
なんで…
皆は仲が悪いんだろう‥
私とは仲良くしてくれるのに‥
『皆様、ようこそいらっしゃいました。
シークレットライブと称してますが、今日はクリスマスです…どうかクリスマスパーティを御楽しみ下さい』
夜に大広間で行われた麗のシークレットライブ‥
銀髪緋髪‥黒いドレスを身に纏った麗は一曲だけ詩を謳うと、そう一言だけ残してステージを降りた。
スリザリンの面々と話をした後、飲み物を口にしていると、壁際から正装をしたリーマスが近寄って来た。
「お疲れ様、麗」
『有難う、リーマス‥
ねぇ、約束通り中庭でパーティしましょ』
運良く今日はホワイトクリスマスになった。
大広間に降る魔法の雪では無く、外にはフワフワの雪が降り積もっている。
「良いけど、椿と凌は?」
『あの子達は用があるのよ』
「用?」
『朝は騎龍と砕覇がいなかったでしょ?
椿と凌は二人と入れ替わりで用を為しに行くの…
可哀相に桜華と西煌なんか一日缶詰よ』
「大変そうだね」
『そうね‥
だからパーティーには騎龍と砕覇しか来れないわ』
本当は皆でパーティーをしたかった。
だが我が儘は言ってられ無い。
彼等には彼等の為すべき事があるのだから。
仕掛人の面々を会場から誘い出した麗は、雪の積もった綺麗な庭に魔法でテーブルやティーセット、ディナーやお菓子などを出して仕掛人達とパーティーの支度を進める。
パーティーの支度が整ったら他の皆も呼ぼう‥
そう思った瞬間、忘れ物をした事に気付いた。
あれが無いと困る。
麗は部屋に帰ろうと踵をかえしたが、腕を掴まれてその場に止まった。
「麗‥」
『##NAME3##、どうしたの‥?』
「プレゼントだ。
忙しくて渡せなかったからな」
##NAME3##は麗の手を取り、昨年と同じ様に銀のブレスレットを付けた。
『有難う‥
…考える事は同じね』
麗は嬉しそうにクスクス笑いながら##NAME3##の手を取り、銀のブレスレットを付けた。
「ああ‥同じだな」
『##NAME3##、私部屋に忘れ物を取りに行ってくるわ。
その間、皆を宜しくね…きっとライ達が三人で喧嘩を始めるわ』
「分かった」
此の時…
別れなければ良かった…‥
「急ぎか?」
廊下を小走りで走っていた麗は聞き覚えのある声を耳にし、立ち止まった。
振り返った先には金髪の男が立っていた。
『トム!!』
見目が違っていたって関係無い。私がトムを間違える筈が無い。
コンサートの時もだが、一目で分かった。
「ドレス、似合っているな」
『友達がくれたのよ』
ドレスは今日、レギュラスに貰ったモノだった。
アルバスも用意しておいてくれたのだが、レギュラスの方を選んだ。
ドレスと一緒に貰った指輪も勿論ちゃんとしてる。
「そうか‥
来年は俺様がやろう」
『有難う‥
トムはここで何をしてるの?
パーティーつまらない?』
「つまらなくは無いぞ」
麗の頬を一撫でしたトムは、微かに微笑んだ。
「プレゼントをやっていなかったからな」
トムはポケットから小さな箱を出し、中からネックレスを取り出した。
『綺麗ね』
麗の首にネックレスをかけたトムは、麗の額にキスを落として笑った。
「これもやる」
“疲れただろ”と言いながらトムが取り出したのは‥
『キャンディ?』
食うな…
「あぁ、美味いぞ」
トムはそう言ってキャンデーを麗の口に運ぶ。
食うな‥
麗は口元に運ばれたキャンデーを口にすると微笑んだ。
『本当だ美味しい』
食ウンジャネェ…
「特別なキャンデーだからな」
トムは口角を上げて笑うと麗の腰に手を回した。
『特…べ…っ…‥』
麗が眠る様に倒れ、トムはその身体を受け止めると“ククク…”と妖しく笑い出した。
「あぁ、そうだ。
魔法が効かないお前専用の特別なキャンデーだ、麗‥」
トムの愉快そうな笑い声が廊下に響く。
馬鹿だな私は…
キャンデーを見た瞬間から頭に警告音が鳴り響いていたのに…‥
さぁ、眠りの時間だ‥
私を何時もの悪夢が向かい入れる――…‥