第2章 秘密ノ謳
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真夜中‥
目を覚ました麗は起き上がると、真っ青な顔色でジッと自分の両手を見据え、ホッと安心した様に息をついた。
両手にそれぞれついた金と銀のブレスレットが月明かりに照らされて光っていた。
「又‥起きてしまったのか」
『うん…』
部屋に現れた##NAME4##の言葉に、麗は頷いて返事をした。
##NAME4##はベッドに腰掛けると麗を抱き寄せ、優しく抱き締めた。
「落ち着け…
落ち着いたらゆっくり目を閉じろ…‥」
『ん…』
麗は言われた通りに目を閉じる。
何時からかは分からない。
何時の間にか##NAME4##は自分から私を抱き締める様になっていた。
私が抱き付いても赤くなったり、照れ隠しで叩いたりしなくなった。
『##NAME4##…
私‥汚れてるの‥』
「順番を間違えたな。
目を閉じろという前に口を閉じろと言うべきだった」
##NAME4##は麗の言葉を遮り話すと、耳元で囁いた。
「心を無にしろ。
ユメを‥見ない様にしてやる‥
だから再び眠れ…麗‥」
麗を眠気が襲う‥
寝てはいけない。
そう思うが身体は言う事を聞いてはくれ無かった…
私は‥
ユメを見なくてはいけないのに…
ユメを見ない‥
そんな意味の無い眠りについてはいけないのに‥
…‥あの日から‥
良い夢を見た事等一度も無い…
罪が私を覆い‥
罰が悪夢へと形を変えて私に取り憑いた…
そしてそれは此の世界に来て更に膨ランダ…
沢山の罪を犯した私は…
永遠に覚めない‥
永久に続く悪夢を見に…
“眠り”という名の牢獄に落ちるべきなのではないだろうか…
=汚れている手=
朝早く目が覚めた麗は、談話室の煖炉の前のソファに座り、ボーッと煖炉の火を見ていた。
蒼みがかった月‥
母様の拗ねた顔…
父様のちょっと疲れた笑顔。
暇そうなライ‥
トラックのライト…車を包む炎‥
自分の血…‥
朱イ月───…‥
悪夢の後に見る、更なる悪夢…
私の最後の記憶…
私の味わう苦しみ‥
それが私への罰…
それが私の罪の重さ…‥
「麗?」
名前を呼ばれて振り向くと、階段の近くにシリウスが立っていた。
シリウスは麗と目が合うと、麗に歩み寄り、そっと麗の頬に触れた。
「どうした?
顔色が悪い…真っ青だ‥」
『…‥何でも無い…』
麗はそう答え、それを聞いたシリウスは軽く溜め息を吐くと麗の隣に腰掛けた。
「何でも無く無いだろ…」
シリウスの手がゆっくりと私の頭を撫でた。
「一人で溜め込むなよ…」
『…‥眠れ無いの…』
「眠れ無い‥?」
『‥夢が…怖いから‥』
怖いから‥
コワイカラ…
夢の中の‥
幼い私が怖イカラ…
幼い私の罪がコワイ…
だから目が覚めてしまう。
朝まで眠れたとしても見るのはやはり何時もの悪夢に等しい…
幼い私の罪の夢‥
そして最後に見るは‥
私の最後の記憶…
大切な両親の最後の顔…‥
「夢を見ない様にする薬とか魔法は無いのか?
あるならダンブルドアに頼…」
『見なきゃイケナイの‥
見なきゃ‥見なきゃイケナイの』
「‥何でだ?」
シリウスは麗の腕を引くと、麗を真っ直ぐ見据えた。
『私は‥罪人だから‥
悪夢を見なきゃ‥イケナイ…』
「見るな」
『駄目、見なきゃ‥
私は罰を受け続けなきゃ…』
私は罰を受け続けなくてはならない。
血と闇の中で私は罰せられ続けなければならない。
そんな…
そんな綺麗な目で私を見ナイデ…
シリウスは驚いた様に目を見開くと、表情を歪め小刻みに震える麗の手を握り締めた。
「麗は罪人じゃない、唯の綺麗な女の子だ!」
『そ、そんなの…
私は普通じゃない。
シリウスが私を知らないから‥』
知らないから貴方は…
私と居る。
私と話してくれる。
私と笑い合ってくれる。
私を知ってしまったら貴方は…
「じゃあ、教えてくれ」
シリウスがそう呟くと、麗の表情がより一層歪んだ。
『…い‥嫌…
私を知ったら、シリウスは私を嫌いになる…
気味悪がる‥話してくれなくなる…‥笑ってくれなくなる…』
あの頃‥
私に近付く者などいなかった。
来るのは妖かしや霊、刺客…
勿論、同年代の者などいなかった‥
麗――…‥
顔を伏せた麗は、服の裾をギュッと握りしめた。
『そんなの嫌だ‥嫌だよ』
嫌…
絶対に嫌だ。
初めて出来たんだ…
折角、手に入れたのに…
トモダチ‥
手放したくない───…‥
麗の頬を涙が伝い、シリウスは麗を優しく抱き締めた。
「嫌いにならない。
気味悪がらない。そんな事するわけ無いだろ?
俺はいつも通りに話すし笑う…
リーマスやジェームズ達だって‥他の奴等だってそうだ」
麗は涙を溢しながら恐る恐るシリウスの背中に手を回した。
それを確認するとシリウスは話を続ける。
「なぁ‥俺、麗の事好きだって言ったろ?
一人にする訳無い。
ずっと側に居る。
何があっても離さないで掴んでる。
だから…
だから一人で溜め込むなよ‥」
麗はシリウスの胸元に顔を埋めると小さく呟いた。
『たまたま‥』
震えた声が微かに聞こえた。
『私が眠っていたら‥
又夢を覗いて良いよ…』
知リタイナラバ‥
私の悪夢に入って来れば良い…
私は自分の口で話したく無い。
「‥分かった」
『きっと‥
過去の私が――…‥』
私は‥
罰に浸り…
罪に沈む…
麗…
そういえば‥
俺、爺さんに会ってきたよ…
一人だけいた気がする…
私に話しかけてきた同年代の者が‥…
私の大切な人だった筈なのに…
誰だか分からない――…‥
思い出せない自分に腹が立つ…
だってあの人は大切な人だった筈なのだから…‥
俺と―――してくれな‥
俺の大切な‥麗───…‥
貴方を思い出したい‥
貴方に…
貴方に会いたい――…‥
真夜中‥
目を覚ました麗は起き上がると、真っ青な顔色でジッと自分の両手を見据え、ホッと安心した様に息をついた。
両手にそれぞれついた金と銀のブレスレットが月明かりに照らされて光っていた。
「又‥起きてしまったのか」
『うん…』
部屋に現れた##NAME4##の言葉に、麗は頷いて返事をした。
##NAME4##はベッドに腰掛けると麗を抱き寄せ、優しく抱き締めた。
「落ち着け…
落ち着いたらゆっくり目を閉じろ…‥」
『ん…』
麗は言われた通りに目を閉じる。
何時からかは分からない。
何時の間にか##NAME4##は自分から私を抱き締める様になっていた。
私が抱き付いても赤くなったり、照れ隠しで叩いたりしなくなった。
『##NAME4##…
私‥汚れてるの‥』
「順番を間違えたな。
目を閉じろという前に口を閉じろと言うべきだった」
##NAME4##は麗の言葉を遮り話すと、耳元で囁いた。
「心を無にしろ。
ユメを‥見ない様にしてやる‥
だから再び眠れ…麗‥」
麗を眠気が襲う‥
寝てはいけない。
そう思うが身体は言う事を聞いてはくれ無かった…
私は‥
ユメを見なくてはいけないのに…
ユメを見ない‥
そんな意味の無い眠りについてはいけないのに‥
…‥あの日から‥
良い夢を見た事等一度も無い…
罪が私を覆い‥
罰が悪夢へと形を変えて私に取り憑いた…
そしてそれは此の世界に来て更に膨ランダ…
沢山の罪を犯した私は…
永遠に覚めない‥
永久に続く悪夢を見に…
“眠り”という名の牢獄に落ちるべきなのではないだろうか…
=汚れている手=
朝早く目が覚めた麗は、談話室の煖炉の前のソファに座り、ボーッと煖炉の火を見ていた。
蒼みがかった月‥
母様の拗ねた顔…
父様のちょっと疲れた笑顔。
暇そうなライ‥
トラックのライト…車を包む炎‥
自分の血…‥
朱イ月───…‥
悪夢の後に見る、更なる悪夢…
私の最後の記憶…
私の味わう苦しみ‥
それが私への罰…
それが私の罪の重さ…‥
「麗?」
名前を呼ばれて振り向くと、階段の近くにシリウスが立っていた。
シリウスは麗と目が合うと、麗に歩み寄り、そっと麗の頬に触れた。
「どうした?
顔色が悪い…真っ青だ‥」
『…‥何でも無い…』
麗はそう答え、それを聞いたシリウスは軽く溜め息を吐くと麗の隣に腰掛けた。
「何でも無く無いだろ…」
シリウスの手がゆっくりと私の頭を撫でた。
「一人で溜め込むなよ…」
『…‥眠れ無いの…』
「眠れ無い‥?」
『‥夢が…怖いから‥』
怖いから‥
コワイカラ…
夢の中の‥
幼い私が怖イカラ…
幼い私の罪がコワイ…
だから目が覚めてしまう。
朝まで眠れたとしても見るのはやはり何時もの悪夢に等しい…
幼い私の罪の夢‥
そして最後に見るは‥
私の最後の記憶…
大切な両親の最後の顔…‥
「夢を見ない様にする薬とか魔法は無いのか?
あるならダンブルドアに頼…」
『見なきゃイケナイの‥
見なきゃ‥見なきゃイケナイの』
「‥何でだ?」
シリウスは麗の腕を引くと、麗を真っ直ぐ見据えた。
『私は‥罪人だから‥
悪夢を見なきゃ‥イケナイ…』
「見るな」
『駄目、見なきゃ‥
私は罰を受け続けなきゃ…』
私は罰を受け続けなくてはならない。
血と闇の中で私は罰せられ続けなければならない。
そんな…
そんな綺麗な目で私を見ナイデ…
シリウスは驚いた様に目を見開くと、表情を歪め小刻みに震える麗の手を握り締めた。
「麗は罪人じゃない、唯の綺麗な女の子だ!」
『そ、そんなの…
私は普通じゃない。
シリウスが私を知らないから‥』
知らないから貴方は…
私と居る。
私と話してくれる。
私と笑い合ってくれる。
私を知ってしまったら貴方は…
「じゃあ、教えてくれ」
シリウスがそう呟くと、麗の表情がより一層歪んだ。
『…い‥嫌…
私を知ったら、シリウスは私を嫌いになる…
気味悪がる‥話してくれなくなる…‥笑ってくれなくなる…』
あの頃‥
私に近付く者などいなかった。
来るのは妖かしや霊、刺客…
勿論、同年代の者などいなかった‥
麗――…‥
顔を伏せた麗は、服の裾をギュッと握りしめた。
『そんなの嫌だ‥嫌だよ』
嫌…
絶対に嫌だ。
初めて出来たんだ…
折角、手に入れたのに…
トモダチ‥
手放したくない───…‥
麗の頬を涙が伝い、シリウスは麗を優しく抱き締めた。
「嫌いにならない。
気味悪がらない。そんな事するわけ無いだろ?
俺はいつも通りに話すし笑う…
リーマスやジェームズ達だって‥他の奴等だってそうだ」
麗は涙を溢しながら恐る恐るシリウスの背中に手を回した。
それを確認するとシリウスは話を続ける。
「なぁ‥俺、麗の事好きだって言ったろ?
一人にする訳無い。
ずっと側に居る。
何があっても離さないで掴んでる。
だから…
だから一人で溜め込むなよ‥」
麗はシリウスの胸元に顔を埋めると小さく呟いた。
『たまたま‥』
震えた声が微かに聞こえた。
『私が眠っていたら‥
又夢を覗いて良いよ…』
知リタイナラバ‥
私の悪夢に入って来れば良い…
私は自分の口で話したく無い。
「‥分かった」
『きっと‥
過去の私が――…‥』
私は‥
罰に浸り…
罪に沈む…
麗…
そういえば‥
俺、爺さんに会ってきたよ…
一人だけいた気がする…
私に話しかけてきた同年代の者が‥…
私の大切な人だった筈なのに…
誰だか分からない――…‥
思い出せない自分に腹が立つ…
だってあの人は大切な人だった筈なのだから…‥
俺と―――してくれな‥
俺の大切な‥麗───…‥
貴方を思い出したい‥
貴方に…
貴方に会いたい――…‥