第1章 始マリノ謳
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30
「お待たせ」
そう声を掛けると壁沿いに立っていた麗は顔を上げた。
『レギュラス…全然待ってないわ』
顔を隠す様に掛けていた大きなサングラスを外すと、ニッコリ微笑む。
『それに貴方ずっと居たじゃない』
「バレてた?」
『何をしてたの?』
「待ってる麗も可愛いなぁって」
『まぁ、有難う』
「あー、信じてない」
『ふふ、有難う』
麗は可愛いし綺麗だ。
でも本人はそうは思ってないみたいだし、勿論鼻に掛ける事も無い。
こちらが褒めても本気にしていない様だった。
「じゃあ、行こっか」
=川のあるところ=
「本当にこれで良かったの?」
喫茶店の一角で紅茶を飲んでいた麗は、そう問われて首を傾げた。
「確かにどこに行きたいか聞いたのは俺だけど」
『えぇ、私はロンドン観光がしたかったわ。あちこち見て回れて嬉しい』
「マグルの作る物は綺麗だけど、つまらなくないか?」
『まぁ、魔法界と縁の無かった私からすれば魔法界の物の方が興味があるけど…これはこれで好きよ』
「なら良いけど」
人は美しいモノを作る。そして同時に壊す者でもある。
マグルも魔法使いも“争わない”何て無理だ。
『レギュラスはつまらなかった?』
「そんな事ない!」
『そう、なら良かったわ』
世界は違うがロンドンに来た事は無かった。
ネットを使わないし、勿論実際に見た事も無い。だからコレが元の世界と同じかどうかは知らないけど…見れて良かった。
例え違ったとしても、大事な思い出になったのは確かだ。
『一日じゃどうにも無理ね』
「それぞれの距離が結構あるよな」
『そうね』
バスやタクシーを使うのもお金が掛かるし、姿くらましを使うのもいただけない。
術は魔法省のセンサーには引っ掛からないかもしれないが、レギュラスに見せるわけにもいかないし…
『お買い物も出来たし楽しかったわ』
「いっぱい着て!俺が選んだんだぞーって自慢しまくって」
『ふふ、そうね。素敵なの選んでくれて有難う、いっぱい自慢しちゃうわ』
レギュラスはセンスが良い。それに私一人では目移りしてしまうだろうから、一緒に来てくれて本当に助かった。
「でも最後に買ったやつは次のデートで着てな」
『はいはい』
また一緒に出掛けてくれる様で嬉しい。
こちらの世界に来て友達が出来た。仲良くしてくれるだけでは無く、一緒に買い物にまで行ってくれる。何が似合うか一緒に選んでくれる。
あちらでは出来無い事が出来ているのが一番嬉しかった。
「麗、疲れてる?」
『ぇ…?』
「何か考え事してたでしょ?」
『あぁ…』
「仕事忙しい?何か週末に時々実家の仕事してるって聞いたけど」
え?何それ、どこから情報が漏れてるの?
『ぁ…えぇ、でも手に慣れたものだから大丈夫よ』
頭を抱えたい。心配されるからやらないけど、突っ伏したい。
どこから漏れたのその情報!
「何してるか知らないけど…歌手の仕事もしてるんだろ?大丈夫?」
『レギュラ…』
「第一何してるの?危ない事じゃ無いだろうね」
危ない事と言えば危ない事だ。
昔からの事であまり重くは考えていなかったが、私がしている事は場合によっては命に関わる。
「危ない事ならダンブルドアに言っ」
『本当に大丈夫だから、レギュ』
「お待たせ致しました。紅茶のシフォンケーキです」
不意にそう声を掛けられて顔を上げると、店員が立っていた。
ケーキの皿とフォークを一本テーブルに置くと“ごゆっくり”と言って下がって行く。
『あの…』
「俺が頼んだの。さっき麗が席離れた時に…紅茶好きだろ?」
頬杖をついたレギュラスは、フォークを手に取るとケーキを刺して一口大に切り取った。
「麗は忙しそうだから、甘い物で栄養補給」
ニカッと笑ってフォークを口元へ差し出され、麗は嬉しそうに笑った。
『有難う』
場合によっては、彼等にもいつか話さなければいけないかもしれない…
『美味しいわ、レギュラス』
そうならない事を祈るけど──…
「お待たせ」
そう声を掛けると壁沿いに立っていた麗は顔を上げた。
『レギュラス…全然待ってないわ』
顔を隠す様に掛けていた大きなサングラスを外すと、ニッコリ微笑む。
『それに貴方ずっと居たじゃない』
「バレてた?」
『何をしてたの?』
「待ってる麗も可愛いなぁって」
『まぁ、有難う』
「あー、信じてない」
『ふふ、有難う』
麗は可愛いし綺麗だ。
でも本人はそうは思ってないみたいだし、勿論鼻に掛ける事も無い。
こちらが褒めても本気にしていない様だった。
「じゃあ、行こっか」
=川のあるところ=
「本当にこれで良かったの?」
喫茶店の一角で紅茶を飲んでいた麗は、そう問われて首を傾げた。
「確かにどこに行きたいか聞いたのは俺だけど」
『えぇ、私はロンドン観光がしたかったわ。あちこち見て回れて嬉しい』
「マグルの作る物は綺麗だけど、つまらなくないか?」
『まぁ、魔法界と縁の無かった私からすれば魔法界の物の方が興味があるけど…これはこれで好きよ』
「なら良いけど」
人は美しいモノを作る。そして同時に壊す者でもある。
マグルも魔法使いも“争わない”何て無理だ。
『レギュラスはつまらなかった?』
「そんな事ない!」
『そう、なら良かったわ』
世界は違うがロンドンに来た事は無かった。
ネットを使わないし、勿論実際に見た事も無い。だからコレが元の世界と同じかどうかは知らないけど…見れて良かった。
例え違ったとしても、大事な思い出になったのは確かだ。
『一日じゃどうにも無理ね』
「それぞれの距離が結構あるよな」
『そうね』
バスやタクシーを使うのもお金が掛かるし、姿くらましを使うのもいただけない。
術は魔法省のセンサーには引っ掛からないかもしれないが、レギュラスに見せるわけにもいかないし…
『お買い物も出来たし楽しかったわ』
「いっぱい着て!俺が選んだんだぞーって自慢しまくって」
『ふふ、そうね。素敵なの選んでくれて有難う、いっぱい自慢しちゃうわ』
レギュラスはセンスが良い。それに私一人では目移りしてしまうだろうから、一緒に来てくれて本当に助かった。
「でも最後に買ったやつは次のデートで着てな」
『はいはい』
また一緒に出掛けてくれる様で嬉しい。
こちらの世界に来て友達が出来た。仲良くしてくれるだけでは無く、一緒に買い物にまで行ってくれる。何が似合うか一緒に選んでくれる。
あちらでは出来無い事が出来ているのが一番嬉しかった。
「麗、疲れてる?」
『ぇ…?』
「何か考え事してたでしょ?」
『あぁ…』
「仕事忙しい?何か週末に時々実家の仕事してるって聞いたけど」
え?何それ、どこから情報が漏れてるの?
『ぁ…えぇ、でも手に慣れたものだから大丈夫よ』
頭を抱えたい。心配されるからやらないけど、突っ伏したい。
どこから漏れたのその情報!
「何してるか知らないけど…歌手の仕事もしてるんだろ?大丈夫?」
『レギュラ…』
「第一何してるの?危ない事じゃ無いだろうね」
危ない事と言えば危ない事だ。
昔からの事であまり重くは考えていなかったが、私がしている事は場合によっては命に関わる。
「危ない事ならダンブルドアに言っ」
『本当に大丈夫だから、レギュ』
「お待たせ致しました。紅茶のシフォンケーキです」
不意にそう声を掛けられて顔を上げると、店員が立っていた。
ケーキの皿とフォークを一本テーブルに置くと“ごゆっくり”と言って下がって行く。
『あの…』
「俺が頼んだの。さっき麗が席離れた時に…紅茶好きだろ?」
頬杖をついたレギュラスは、フォークを手に取るとケーキを刺して一口大に切り取った。
「麗は忙しそうだから、甘い物で栄養補給」
ニカッと笑ってフォークを口元へ差し出され、麗は嬉しそうに笑った。
『有難う』
場合によっては、彼等にもいつか話さなければいけないかもしれない…
『美味しいわ、レギュラス』
そうならない事を祈るけど──…