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「人1、影浦くんたちが…」
昼休みで騒がしい教室に、友人__加賀美倫の声が響く。
彼女の言葉の通り机に座ったまま目線を少し横にずらすと、見るからに重量感のある紙袋を提げた影浦くんとその隣で軽く手を挙げた村上くんがいた。
別にもう持ってこなくていいって言ったのに。
何度目か分からないやりとりを律儀に毎度請け負ってくれる加賀美倫 に、軽くお礼を言って席を立つ。
積りに積もった遠慮を気にも留めないで懲りずに私の元へやって来る影浦くんに、ため息をつきながら教室のドアをくぐった。
「村上くん。わたし次は影浦くんのこと止めるようにって……お願い、したよね」
「悪いな戸森、どうしてもって聞かなくてさ。それにこれはカゲなりに戸森のことを心配してるんだ」
「おいコラ鋼てめー、余計なこと言うんじゃねーよ」
「ほらな」
全く悪いと思ってなさそうな村上くんをどうしても睨む気にはなれなくて、代わりに影浦くんの持つ紙袋を悶々と見つめる。そんな様子に気付いたのか、影浦くんは有無を言わさず私に紙袋を手渡してきた。
重てぇから気を付けろ。
そう一言を添えてくれるあたり、私が影浦くんたちとの間に一線を引くにも引けない理由があった。
一気に加わった重みで、紙単丸紐が右手に食い込んでいく。
中身を覗き込んでみれば、限界まで詰め込まれた漫画たちが窮屈そうにその存在を示していた。
「前回は27巻まで渡したっけか?まぁそこからねぇからとりあえず続きの28巻から持ってきた」
「……このままだと私、影浦くんに返せてない漫画の冊数が十は超えちゃうよ」
ぽつりと呟いた反論に、影浦くんは構わねぇよと返した。
その顔があまりにもただ私に漫画を貸したいだけには思えなくて、けれども、そのことがどうしても我慢ならなかった。
もう持ってこなくていいって、ずっと言ってるじゃん。
腹から声を出したお陰で思ったよりも強く出た私の言葉に、二人の目が少し開かれたのを感じた。
「…悪い戸森。それでもオレは…」
「……続きが気になんだろーが」
「カゲ、」
村上くんの言葉の続きも制止も振り切って、影浦くんはまるで駄々をこねる子供みたいに口を尖らせた。けれどもそんな影浦くんに、私も意地になっていた。
「この間漫画の続きが図書館にあるの見たし……」
「巻が揃ってなかったりすんだろ」
「…朝、持ってくるの大変じゃない?」
「別に大したことねえ」
「……さっき凄い重そうにしてたけど、」
「うるせぇな、持ってくるったら持ってくるんだよ」
また貸しに来るから読める時に読んどけ。
そう残して、影浦くんはそのまま拗ねたようにその場を去っていく。
村上くんは大股でC組に帰っていく影浦くんを見つめながら「悪い」と一言呟いた。けれどもその様子が私の方を一瞥もくれないまま告げられたので、何に対しての謝罪なのか分からなかった。
昼休みで騒がしい教室に、友人__加賀美倫の声が響く。
彼女の言葉の通り机に座ったまま目線を少し横にずらすと、見るからに重量感のある紙袋を提げた影浦くんとその隣で軽く手を挙げた村上くんがいた。
別にもう持ってこなくていいって言ったのに。
何度目か分からないやりとりを律儀に毎度請け負ってくれる
積りに積もった遠慮を気にも留めないで懲りずに私の元へやって来る影浦くんに、ため息をつきながら教室のドアをくぐった。
「村上くん。わたし次は影浦くんのこと止めるようにって……お願い、したよね」
「悪いな戸森、どうしてもって聞かなくてさ。それにこれはカゲなりに戸森のことを心配してるんだ」
「おいコラ鋼てめー、余計なこと言うんじゃねーよ」
「ほらな」
全く悪いと思ってなさそうな村上くんをどうしても睨む気にはなれなくて、代わりに影浦くんの持つ紙袋を悶々と見つめる。そんな様子に気付いたのか、影浦くんは有無を言わさず私に紙袋を手渡してきた。
重てぇから気を付けろ。
そう一言を添えてくれるあたり、私が影浦くんたちとの間に一線を引くにも引けない理由があった。
一気に加わった重みで、紙単丸紐が右手に食い込んでいく。
中身を覗き込んでみれば、限界まで詰め込まれた漫画たちが窮屈そうにその存在を示していた。
「前回は27巻まで渡したっけか?まぁそこからねぇからとりあえず続きの28巻から持ってきた」
「……このままだと私、影浦くんに返せてない漫画の冊数が十は超えちゃうよ」
ぽつりと呟いた反論に、影浦くんは構わねぇよと返した。
その顔があまりにもただ私に漫画を貸したいだけには思えなくて、けれども、そのことがどうしても我慢ならなかった。
もう持ってこなくていいって、ずっと言ってるじゃん。
腹から声を出したお陰で思ったよりも強く出た私の言葉に、二人の目が少し開かれたのを感じた。
「…悪い戸森。それでもオレは…」
「……続きが気になんだろーが」
「カゲ、」
村上くんの言葉の続きも制止も振り切って、影浦くんはまるで駄々をこねる子供みたいに口を尖らせた。けれどもそんな影浦くんに、私も意地になっていた。
「この間漫画の続きが図書館にあるの見たし……」
「巻が揃ってなかったりすんだろ」
「…朝、持ってくるの大変じゃない?」
「別に大したことねえ」
「……さっき凄い重そうにしてたけど、」
「うるせぇな、持ってくるったら持ってくるんだよ」
また貸しに来るから読める時に読んどけ。
そう残して、影浦くんはそのまま拗ねたようにその場を去っていく。
村上くんは大股でC組に帰っていく影浦くんを見つめながら「悪い」と一言呟いた。けれどもその様子が私の方を一瞥もくれないまま告げられたので、何に対しての謝罪なのか分からなかった。
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