壱
国木田は車の内燃機関 をかけ、車の扉を開ける
乗るようにと促され、エース、デュースは順に車の後部座席に乗り込むが、アヤ一人だけは一度立ち止まった
チラリと、どこか名残惜しむかのような視線を蛇王に向ける
その視線に気付いた蛇王も、僅かに首を傾げて、如何した?と問いかけてきているように見えた
多くの時間ではなかった
三人と蛇王が共に過ごした時間は、時間にしてみればまだ1時間も経っていない
そんなアヤの行動の意味が読めず、蛇王と国木田の二人は考え込む
幾許かの沈黙の後、ほんの僅かに口元を緩めた蛇王がじゃあねと伝えるかのように、小さく手を振る
その仕草にハッとしたアヤが、嬉しさと恥ずかしさを混ぜ込ませた顔になり、同じように控え目に手を振り返した
そしてするりと車の空いてる席に乗り込むと、気恥ずかしそうに全員から顔を背ける
その耳は少し赤く染まっている
少し驚きつつも、三人が乗り込んだことを確認し、蛇王と国木田がお互いに頷き合うと、国木田はゆっくりと車を走らせ始めた
チラリと扉鏡 を見遣ると、すぐに居なくなることが多い蛇王が、車が見えなくなるまでこちらを見送っているのが見える
大分離れた後、国木田はアヤに話しかけた
「…随分と奴に好かれたようだな」
「えっ?!な、何でそう思ったんですか?」
国木田の言葉に驚き、その意味を問いかける
視線は真っ直ぐに進行方向に向けたまま、国木田は質問に答えてくれた
「現在 迄、蛇王から一般人の保護を頼まれたことは何度も有るが、ごく僅かとは云え、別れ際に口許を緩ませて微笑むなんて…況してや誰かに手を振るなんて事は初めて出会した
余程、お前達…いや、お前の事が気に入ったんだろう」
その言葉に、そうですかね、と返しながらもアヤの口元は思わず緩んでしまう
どこか嬉しそうなアヤの様子に、後部座席に座っていたエースとデュースの二人は意地悪そうにニマニマと笑う
二人の表情に気付いたアヤはキッと二人を睨むが、照れくさそうな顔で睨まれてもあまり怖くは感じられない
大袈裟に、おー怖いと震えて見せるも、本心ではないのはバレバレだ
覚えておけよ、というアヤの呟きを耳にしながらも、国木田は安全に、丁寧に、車を探偵社へと走らせた
乗るようにと促され、エース、デュースは順に車の後部座席に乗り込むが、アヤ一人だけは一度立ち止まった
チラリと、どこか名残惜しむかのような視線を蛇王に向ける
その視線に気付いた蛇王も、僅かに首を傾げて、如何した?と問いかけてきているように見えた
多くの時間ではなかった
三人と蛇王が共に過ごした時間は、時間にしてみればまだ1時間も経っていない
そんなアヤの行動の意味が読めず、蛇王と国木田の二人は考え込む
幾許かの沈黙の後、ほんの僅かに口元を緩めた蛇王がじゃあねと伝えるかのように、小さく手を振る
その仕草にハッとしたアヤが、嬉しさと恥ずかしさを混ぜ込ませた顔になり、同じように控え目に手を振り返した
そしてするりと車の空いてる席に乗り込むと、気恥ずかしそうに全員から顔を背ける
その耳は少し赤く染まっている
少し驚きつつも、三人が乗り込んだことを確認し、蛇王と国木田がお互いに頷き合うと、国木田はゆっくりと車を走らせ始めた
チラリと
大分離れた後、国木田はアヤに話しかけた
「…随分と奴に好かれたようだな」
「えっ?!な、何でそう思ったんですか?」
国木田の言葉に驚き、その意味を問いかける
視線は真っ直ぐに進行方向に向けたまま、国木田は質問に答えてくれた
「
余程、お前達…いや、お前の事が気に入ったんだろう」
その言葉に、そうですかね、と返しながらもアヤの口元は思わず緩んでしまう
どこか嬉しそうなアヤの様子に、後部座席に座っていたエースとデュースの二人は意地悪そうにニマニマと笑う
二人の表情に気付いたアヤはキッと二人を睨むが、照れくさそうな顔で睨まれてもあまり怖くは感じられない
大袈裟に、おー怖いと震えて見せるも、本心ではないのはバレバレだ
覚えておけよ、というアヤの呟きを耳にしながらも、国木田は安全に、丁寧に、車を探偵社へと走らせた