ヨコハマ…アヤの生まれ故郷であり、大きな港街である
ポートマフィア…ヨコハマを拠点として、裏社会に君臨する多くの異能力者を囲う大犯罪組織
異能力者…ツイステッドワンダーランドでいうところの、ユニーク魔法のように強力な、特別な力を持つ極少数の人達の総称
蛇王…それは昔、ポートマフィアに所属するとある人の恐れられた名であり、アヤの母親の異名だった


「えっ!?!?」


蛇王という名がアヤの母親の異名と知り、思わずデュースが大きな声を出す
だが、蛇王と呼ばれていた少年は微動だにしていなかった
アヤの説明を受け、再び少年をしっかりと見てみるが、やはり腑に落ちないところがある
まずは性別だが、仮面をつけ、声も聞いていないので断定はできないが、立ち振る舞いは少年と呼ぶのが相応しいものだった
そして最大の謎は年齢だ
現在のアヤの年齢と、近くに座る少年の年齢はあまり変わらないように見える
そして、彼の母だというのならば、何故、アヤに何も反応しないのか
だが、アヤだけは一つの可能性を考えていた
それは今が、アヤが生まれるよりも過去のヨコハマであることだ
そんなことがあり得るわけがないと二人は言うが、そうであれば先程の疑問も納得出来る話ではある
そもそも、アヤの母親が蛇王という恐れ名で呼ばれていたのはアヤが生まれるよりも前の時代に、たったの数年呼ばれていただけなのだ
母親本人からはその頃の話はほとんど聞かなかったが、姐さんだった人や首領、同じ組織に所属していた人から聞いた話なので、大きくは間違っていないはず
まだ謎は残ってはいたが、ひと通りの情報共有が終わったかと思い、顔を上げると、そこには蛇を模したかのような半面が目の前にあった
わぁと驚きの声をあげて後退りをすると、少年は声には出さなかったが、くすくすと笑っているようだ
なおもドキドキとなり続ける、心臓の高鳴りが鎮まるのを待っていると、少年は開けっ放しになっていた扉の方を指差す
不思議に思いながらも見遣るが何もない
少年が扉に近づき、手招きをする
ゆっくりと近付いてみると、再び少年は指を遠く、道の先を指し示す
するとまだ小さいが、こちらに向かってくる車が見えた
どうやら先ほどの電話口の男が到着しそうなことに気付き、自分達を呼んだらしい
どうやって知ったのかはわからないが、どんどんと近付いてくる車に、三人は逸る気持ちを抑えられずにいた
その為か、少年が下を向き、シューと息を出していることに誰も気付かなかった
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