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時は過ぎて、スモモは16になった。
力も落ち着いて、触れたくらいではあやかしの力をとることはなくなった。
泉とスモモは会えば挨拶から始まり、たわいもない話をする。
スモモは契約の話はしなかった。
泉もしなかった。
周りは薦めるが、お互いその気がないと解っていた。
ゆうたは泉によくなついた。
最初は警戒していたひなたも少しずつ泉に近づいた。
あんずは嵐を口説き続けたが、変わらず友人関係だった。
「新しいまじないです」
スモモはそう言い、泉の手首に新しい組紐を巻いた。
桃色、水色、雪色を2本ずつ使い、螺旋に編んだ、最初の組紐より細かく、強い力を感じた。
「腕をあげたね」
「やっと出来ました」
スモモは嬉しそうに微笑んだ。
16になったとは言っていたが、泉から見ればスモモは背は伸びたものの、まだまだ子どもだった。
「そろそろ陽が暮れる。もう帰りな」
「はい。あの、泉さん」
「何?」
「これからも、ひなたとゆうたと仲好くしてあげて下さい」
不思議に思ったが、2人のことは嫌いじゃなかった。
だから頷いた。
「良いよ」
スモモは笑みを深めた。
泉は手を引いてスモモを立たせた。
手がいつもより冷たく感じた。
「また会いましょう、泉さん」
「またね、スモモ」
変わらない、何もかも。
この関係が続くと思っていた。
その日は、何かおかしかった。
泉は朝から落ち着かなかった。
ザザッ
誰かが此方に走ってくる。
「あれは…」
「泉さ…!、っわ!」
その人物は泉の前で派手に転んだ。
見慣れた髪と飾り、耳と尻尾。
「……ゆうたくん、だよね?」
ゆうただった。
しかし、子どもの姿ではなかった。
背が伸びていた。
手足もすらりと伸び、顔つきも少年から青年といった感じになっていた。
「大丈夫?」
泉は転んだゆうたを起き上がらせた。
しかし、ゆうたは顔を上げず、何も言わず、泉の服を掴んだ。
その手は震えていた。
「ゆうたくん?」
「スモモが死んだ」
ゆうたの言葉が信じられなかった。
スモモが死んだ?
「………何で」
薄々わかっていた。
何故、強力な式神を2体も平気で扱っていたのか。
何故、スモモがとった妖の力がひなたとゆうたに流れるのか。
自信の力であっても耐えられない程、スモモの体は丈夫ではなかった。
スモモの体に負担をかけないのが、ひなたとゆうたの役目。
(……あれ?)
泉は違和感を感じた。
主人をなくした式神は力が弱まるか、消滅する。
なのに、ゆうたは逆だった。
以前より力が増している。
それに合わせるように体が成長している。
「……覚悟はしてたのに、一緒に消える筈だったのに」
ゆうたが震える声で言う。
手首に泉と同じ組紐が巻かれていた。