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『じいちゃん!』
ひなたとゆうたが祖父の部屋に飛び込んだ。
丁度お茶とお菓子が3人分用意されていた。
「この間の蛇が来た!」
「スモモが組紐あげた!」
『占いの通り!』
「先ずは座るがよい」
若い声がした。
祖父の声だ。
祖父に言われ、2人はお茶の前に座った。
元占い師のあんずとスモモの祖父。現役は退いたが、力は衰えていない。
祖父の部屋に行くと何時も温かいお茶と美味しいものが先に用意されている。
祖父は実年齢より若すぎるくらい若く見える。
一切染めていない艶やかな黒髪。シワもシミもない白い肌。
熟した石榴のような瞳。
思わず見とれてしまう程、美しい顔。
かれこれ二百年生きてると言われても、妙に納得してしまう程、落ち着いた雰囲気がある。
周りが驚いてしまうので、外では「じいちゃん」ではなく「零さん」と呼んでいる。
「まあ、悪い奴じゃあなさそうじゃのう」
「スモモもそう言ってた」
ひなたはずっと不機嫌だった。尻尾で畳をバシバシ叩いていた。
一方ゆうたは尻尾を左右に揺らしていた。
「ゆうたは、奴が恐かったか?」
祖父が聞くと、ゆうたは首を横にふった。
「そうかそうか」
祖父は微笑み、ひなたとゆうたの頭を撫でる。
「なら大丈夫じゃ。しかし……」
『?』
「あんずもそうじゃが、一途過ぎるのもどうかのう…」
『!』
ひなたとゆうたはポカンとした。
「じいちゃんだって、現役の頃ずっと同じ鬼を口説いてたじゃない」
「絶対じいちゃん譲りだよ」
祖父は、その鬼とは結局契約できず、隠居生活に入った。
泉と嵐は並んで帰路についていた。
「スモモちゃんと契約したの?」
「するわけないでしょ」
嵐の問いに泉は即答した。
「まだ子どもだし、俺と契約なんて生意気~」
「でも、あんずちゃんもアタシに声をかけてきたのは、あのくらいの時よ?」
泉は絶句した。
聞けばスモモの歳は13だという。
「……くまくんの件も含めて、あの一族って怖いもの知らずだよね?」
「ほんとね」
嵐は苦笑した。
「ええ!?」
「契約しなかったの?」
スモモが泉と契約していないと聞き、ひなたとゆうたは驚いた。
「なんで?」
ゆうたが聞く。
「なんでって聞かれても」
スモモは困り顔で首を捻る。
「契約なんて、考えてないもの」
「でも会う約束はしたんでしょ?」
「そうよ」
スモモが泉に渡した組紐の呪いは効き目が弱い。
知識はあるが実践はまだまだ浅い。
だから力をつけて、より良い呪いを約束した。
「あれ程度じゃ、その場しのぎにもならないもの。お姉ちゃんくらい丈夫に作らなきゃ」
いつになくスモモはやる気に満ちていた。
「私の力を見せ付けてやるんだから!」
((無自覚だ!))