2.「甘味」と「嫌悪」
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創と智と別れた後、体育館に向かった。
(翠はいるかのう)
しかし、体育館に響く声に眉をひそめた。
(守沢がいる)
水季は体育館を覗かず、壁に寄りかかり、うずくまった。
「はぁ」
「具合でも悪いの?」
上から声がして顔を上げると、澄んだ青空のような瞳と目が合った。
(確か、…明星スバル)
「君、あんずの友達だよね?時々来てる」
「あ、ああそうだ」
「あんず呼ぼうか?」
「いや、いい」
水季は立ち上がる。
「おお!水季か?」
「!」
その声に、水季は眉間にシワをよせた。
声の方を向く。
「………守沢」
水季は千秋を睨んだ。
逆に千秋は笑顔で水季に近づいた。
「久しぶりだな、元気だったか?」
「今の今まではな」
水季はスバルにニコリと微笑む。
「邪魔したな」
そう言って立ち去った。
「相変わらずだな」
千秋は苦笑した。
「俺にも笑顔を向けてほしいな」
1-A教室。
「離してください!」
「ダーメー」
あんずは翠の腕にしがみついて離れない。
「今日こそは水季ちゃんと話をしてもらう~」
「水季と話すことなんてありません!」
あんずは水季と別れた後、翠を追いかけて教室まできた。
「何あれ?」
A組教室に来ていたゆうたが聞いた。
目が少し引いている。
「水季さん、来てるみたい」
ひなたが答える。
「ああ」
ゆうたは納得した。
翠が水季を避けているのを2人は知っている。
水季が翠を好いていることも知っている。
数分後。
教室に入ってきた創から水季が帰ったことを聞くとあんずはガッカリした。
あんずが教室を出ると翠は安心した顔をした。
「翠くんは水季さんが嫌いなんですか?」
創が遠慮がちに聞く。
水季に怖い印象を持たない創は、翠が何故、水季を避けるのか解らなかった。
周りも同じだった。
「…別に、嫌いなわけじゃないけど」
ぽつりと翠は言う。
ひなた、ゆうた、創は翠の顔をジッと見つめ、ため息をついた。
「あんずさんも大変だね」
ゆうたが言った。
「でも、黙ってようか」
ひなたが言うと、創も頷く。
3日後。
予報では晴天だったが、朝から雨が降った。
翠の顔は険しかった。
To be continued.
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