※主人公の「水季」は「みずき」と読みます。
EPILOGUE
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日和が帰ると、水季は祖母の部屋に向かった。
「おばあちゃん、今大丈夫?」
水季は『彼女』のことを相談した。
普通科とプロデュース科のカリキュラムは大きく異なる。
朝、同じように登校しても、昼には校内で昼食をとるか、仕事で校外にいるかわからない。
その度、連絡をとるわけにはいかない。
「それでも、あの子が助けを求めたら匿えるようにしたい。だから、あの離れを私にください」
敷地内にある小さな小屋。
祖母が幼少期、ひとりで過ごした場所。
最低限の灯りと家具。
来るのは使用人と祖父母だけだった。
今思えば隔離だったが、使用人は必要の物以外にも季節の花、流行りの菓子をくれたし、祖父母も愛情をくれた。
祖母にとって良い思い出も多かった。
だから、今も時々修繕して残していた。
「好きにしなさい」
きっと『彼女』の助けになると信じて。
天祥院家にもこのことを話した。
『困ったら必ず巴家と天祥院家を頼ること』
を約束させられた。
「心配はしてないけど、皆、水季と『彼女』を甘くみてるよね」
英智は言った。
暫くして『彼女』が水季を訪ねて来た。
「水季姉さま、お久しぶりです」
「此方こそ、冬休みは世話になった」
水季は冬休みの間、療養の為、『彼女』の実家にいた。
「中学卒業おめでとう」
「ありがとうございます」
2人は客間ではなく、縁側に座る。
「ところで、どうして夢ノ咲学院のプロデュース科に?まるっきり畑違いだと思うが」
水季が聞くと、『彼女』は笑顔を崩さず、真っ直ぐ水季を見つめた。
「畑違いだからです」
視線を庭にむけ、『彼女』は語る。
「私の家は何代も前から変わってません。地元の高校を卒業すれば家の会社に就職。遠くの大学に行っても同じ。学ぶのは会社の為になることだけ」
水季は静かに聞く。
「時代は変わっていきます。今のままでも問題はありませんが、必ず壁にぶつかります。私も親族も外の世界を知らなすぎます。・・・・・・弟も」
水季は『彼女』の手に自分の手を重ねた。
『彼女』は無意識に手を強く握っていた。
「皆、忘れてる。いえ、知らない。今までの当主がどんなに頑張ってきたか」
「そうだな。知らなすぎる」
水季は同意する。
『彼女』は親族の中で孤立していた。
親族は弟ばかり持ち上げる。
男という理由だけで。
親族は知らない。
弟より『彼女』の方が優秀なことを。
