9.「夢の中」と「夕立切」
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水季が終の舞を行った翌月、水季の家に1本の電話があった。
その翌日、
「神崎!」
水季は颯馬を見つけ、声をかけた。
「水季殿」
「昨日、連絡があった!」
水季の声が弾んでいた。
その理由を颯馬はすぐわかった。
「おお、ついにできたのだな」
水季はコクコクの頷く。
「それでだな、是非、神崎にも見てほしいのだ。予定はお主に合わせるのでな」
2人は予定を確認した。
『ではこの日に!』
満面の笑みで別れ、角を曲がった途端、囲まれた。
「ザッキー!水季と何処行くの?」(スバル)
「颯馬くん、まさかデート?」(薫)
「高峯知ってるのか!?」(真緒)
「水季ちゃん、デート!?」(嵐)
「何処行くの?」(あんず)
「参考に教えて下さい!」(智)
颯馬も水季も一瞬ぽかんとしたが、正直に言った。
以前、水季が颯馬に刀鍛冶を紹介してほしいと頼んできたこと。
水季がある刀の再現を依頼したこと。
刀が完成したと連絡がきたので一緒に見に行くこと。
全てを聞いた人々は明らかにガッカリした顔をした。
水季と初めて会話をした時を颯馬はよく覚えている。
『神崎、お主に頼みたいことがある』
刀鍛冶を紹介してほしい。
『何故?』
『再現してほしい刀がある。今は短刀だが、元は太刀だった』
日を改めて、刀を見せてもらった。
短刀と、元は太刀だったという折れた刀。
『夕立切と言う。この太刀から打ち直された。衝撃で折れたのか、わざと折ったのかはわからない』
水季は目をまっすぐ反らさず言った。
『私は知りたいのだ。元の姿を』
知りたいと言うより、知らなければいけない。
そう感じた。
夕立切を見た刀匠は驚いた。
『・・・丸』
『?』
ぽつりと呟いたが颯馬には聞こえなかった。
『昔はそう呼ばれていました』
『噂は聞いております。本当だったとは・・・』
『架空の刀として有名ですから』
水季は一緒に持ってきた風呂敷
をとく。
古い紙の束が包まれていた。
『資料はこちらに。引き受けて下さいますか?』
刀匠は水季の依頼を承けた。