1.「校門」と「出逢い」
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ことの始まりはハロウィンイベントの準備が始まった頃、智に彼氏ができた。
あんずは相手の名前は伏せて話した。
「その告白現場を英智さんが見てしまって…」
英智は相手は断るだろうと思っていた。
だから付き合うことになった時、焦ったそうだ。
『智に彼氏はまだ早いよ』
『まだそんなこと言ってるのか』
そう言ったのは敬人。
「それで智ちゃんも怒っちゃって」
『英智には関係ないでしょ!』
「ほう、言うではないか」
水季は感心したように言う。
「そのような元気があれば大丈夫そうじゃな」
水季は立ち上がる。
「もう帰るの?」
「イベントの準備で忙しかろう。当日にまた来るぞ」
あんずは水季を校門まで送った。
「ではまたな、あんず」
「またね##NAME1##ちゃん」
暫く歩いて水季はふと気づく。
「私としたことが、あやつを探すのを忘れてしまった」
空を見る。
「翠は元気にしとるかのう」
あんずは昇降口で翠を見つけた。
「翠くん。今日はもう帰るの?」
「あ、はい」
「たった今、水季ちゃん帰ったわよ」
それを聞いた途端、翠は出したばかりの靴を下駄箱にしまった。
「まだ帰りません」
「え?何で?」
「水季に会いたくないからです」
「翠くんは…」
「あんず先輩~!」
『!?』
あんずが言おうとした言葉は智の声によって消された。
ボフッ
智はリスのままあんずに抱きついた。
「どうしたの?」
「これ脱ぐの手伝って下さい」
「いいけど、着る時はどうしたの?」
「それは……紅郎先輩が…でも先輩、今いなくて…」
モフモフ
「……あの、翠くん」
「何?智」
「何してるのかな?」
翠はリスの頭を抱えるように抱きしめ、撫でていた。
「ちょっと嫌なことがあったから、癒させて」
「?」
あんずはそっとため息をついた。
(翠くん、どうして君は、水季ちゃんを避けるの?)