3.「教室」と「環境」
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翠は3年生になった。
(高校、どうしようかな~…)
「翠!」
「!」
下校中、進路の事を考えながら歩いていたの耳に水季の声が聞こえた。
夢ノ咲学院、普通科の制服を着た水季が笑顔で翠に手を振っていた。
久しぶりの声に、水季の笑顔に、翠は胸が熱くなった。
水季。
そう言おうとしたが、出来なかった。
口の中がカラカラに渇いて、声が出なかった。
もうずっと、水季の名前を呼んでないと、この時気付いた。
あんなに熱かった胸が冷えて、苦しくなった。
水季の呼び掛けに応えず、翠は走り去った。
高校受験が終り、卒業式の日、初めて水季からメールが来た。
『夢ノ咲学院合格、中学卒業おめでとう』
学科は違えど、次に会えたら挨拶くらいはしようと翠は決めた。
だけど、上手くいかなかった。
夢ノ咲学院に入学して暫く経った頃、水季から連絡がきた。
『放課後、校門前で待ってる』
翠はどうしようか、放課後になっても迷っていた。
会えば話をした。
下校のタイミングが合えば、その時お互い1人だったら一緒に帰った。
今まで会うことに約束などしたことなかった。
結果、『会いたくない』と返信した。
送った後、もう少し言葉を考えればと後悔した。
暫くして水季から着信があった。
でも出なかった。
すると今度は写真が送られてきた。
その写真を見て、翠は吃驚した。
「なんであんず先輩が…、というか水季、本当に何してんの?」
一緒に送られてきた喫茶店の住所を確認していると…
「あ、この喫茶店、今スイーツフェアやってるよね?」
ひなたが携帯を覗きこんで言った。
「翠くん、行くの?」
「う、うん。…ちょっと用事で」
ひなたは眼をキラキラさせる。
一緒に行きたいと目が言っている。
結局ひなたを含め数人で喫茶店に向かった。
「いた」
喫茶店の窓越しに水季とあんずを見つけた。
「あれ、あんずさん。と、誰?」
「普通科の人ッスね」
ひなたと鉄虎が言い、ゆうたと忍も2人に気づく。
翠が喫茶店の扉を開くと強い、甘い香りがした。
To be continued.
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