番外編2.one-sided love.Ⅱ
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【葵ゆうた編】
転生初日に来て以来、登校していなかった智。
ひなたから聞いたのは、とても冷めた印象。
『話しかけても全然応えてくれない』
あの時、半分泣きながら、ひなたは言った。
だけど、実際会うと、印象がかなり違った。
サラリと流れる黒髪、
白い肌に薔薇色の頬、
ぱっちりとした目。
「水色が似合うね」
智が言った。
控えめな、愛らしい笑み。
『可愛い』と思った。
ゆうたは自分の顔が熱くなるのを感じた。
「よろしく♪」
気付かれないように、とびっきりの笑顔を作った。
だけど、耐えきれなくて「忘れ物をした」と嘘をついて、部室に逃げた。
部室に誰もいなかったことに、ホッとした。
顔の熱が冷めるまでいようと決めた。
(ジャグリングの練習でもしよう)
カバンからジャグリングの道具を出すと同時に部室の扉が開いた。
ひなたと智が入ってきて、ゆうたは吃驚した。
智はゆうたが持っていたジャグリングに興味を示した。
軽く芸を見せると智の瞳がキラキラと輝いた。
トクン
落ち着いた筈の胸の高鳴りが、また騒がしくなった。
忍から夜の智の行動を聞いた時は驚いた。
智の行動はとても奇妙で、正直、恐怖した。
でもそれは直ぐに薄れた。
「ゆうたくん」
暖かい陽の下で微笑む少年のような少女。
その日の気分なのか、毎日違う色のリボン。
水色の時は嬉しかった。
気がつくと、智を見かけると、目で追いかけていた。
ある日、気づいた。
「アニキ、いつも智と手、繋いでる」
ひなたと行動している時、ひなたは必ず智の手を引いていた。
「歩幅に差があるみたいでさ、気がつくと智、小走りしてるんだよ」
だから、離れすぎないように繋いでるとひなたは言った。
それでも、ゆうたは羨ましかった。
ゆうたも智の手に触れたかった。
一緒に行動していて、何度かチャンスがあった。
でも躊躇った。
(拒まれたら、どうしよう)
そう考えてしまう。
初めて智に触れた時、智はリスの着ぐるみを着ていた。
元々そういう作りなのか、予算不足だったのか、手と腕の部分だけ生地が薄くて、感触がはっきりとわかった。
(思ったより小さい)
まるで「お手」をしているように、ゆうたの掌にポンと乗っている智の手。
(細いなぁ)
「くすぐったい~」
パタパタと智は暴れる。
気づかないうちに腕まで触れていた。
このまま流星隊のレッスンに行くと言うのでついて行くことにした。
その時、知ってしまった。
智が恋をしていることに。
でも相手は気づいてない。
ならば、智の意識をなるべく此方に向けさせよう。
そう考えた。
「可愛いよ、智」
ゆうたがそう言うと、智は首を傾げた。
「ありがとう、ゆうたくん」
智は穏やかに言う。
リスの頭からでは表情がわからない。
それでも良い。
きっと、まだ直接面と向かって言えないから。
ふと、ゆうたは思った。
(智は俺とアニキの区別、ついてるのかな?)
あんずを除けば智と一番行動しているのは、ひなただった。
最初に頼まれた責任感からか、ひなたは積極的に智の世話をやく。
確かめたくなった。
「ねぇアニキ、智は俺たちが入れ代わったら気づくかな?」
それを聞いたひなたはニヤリとした。
「試してみる?」
数十分後。
智は入れ代わりに気づかない。
「聞いてる?ひなたくん」
「うん、聞いてるよ」
司と気まずくなったことを話す智。
理由は言わない。
周りは2人の距離感に気づいていたが、何となく聞けなかった。
仲直りしたくて凛月の所に相談に行ったが、相手にしてくれなかった。
「なんだか、ゆうたくんみたい」
そう言った時はドキリとした。
結局、忍の乱入(?)によって漸く入れ代わっていることに気づいた智は顔を赤くした。
「気づかなかった」
悔しそうに言った。
これで少しは意識してくれるかなと期待した。
転生初日に来て以来、登校していなかった智。
ひなたから聞いたのは、とても冷めた印象。
『話しかけても全然応えてくれない』
あの時、半分泣きながら、ひなたは言った。
だけど、実際会うと、印象がかなり違った。
サラリと流れる黒髪、
白い肌に薔薇色の頬、
ぱっちりとした目。
「水色が似合うね」
智が言った。
控えめな、愛らしい笑み。
『可愛い』と思った。
ゆうたは自分の顔が熱くなるのを感じた。
「よろしく♪」
気付かれないように、とびっきりの笑顔を作った。
だけど、耐えきれなくて「忘れ物をした」と嘘をついて、部室に逃げた。
部室に誰もいなかったことに、ホッとした。
顔の熱が冷めるまでいようと決めた。
(ジャグリングの練習でもしよう)
カバンからジャグリングの道具を出すと同時に部室の扉が開いた。
ひなたと智が入ってきて、ゆうたは吃驚した。
智はゆうたが持っていたジャグリングに興味を示した。
軽く芸を見せると智の瞳がキラキラと輝いた。
トクン
落ち着いた筈の胸の高鳴りが、また騒がしくなった。
忍から夜の智の行動を聞いた時は驚いた。
智の行動はとても奇妙で、正直、恐怖した。
でもそれは直ぐに薄れた。
「ゆうたくん」
暖かい陽の下で微笑む少年のような少女。
その日の気分なのか、毎日違う色のリボン。
水色の時は嬉しかった。
気がつくと、智を見かけると、目で追いかけていた。
ある日、気づいた。
「アニキ、いつも智と手、繋いでる」
ひなたと行動している時、ひなたは必ず智の手を引いていた。
「歩幅に差があるみたいでさ、気がつくと智、小走りしてるんだよ」
だから、離れすぎないように繋いでるとひなたは言った。
それでも、ゆうたは羨ましかった。
ゆうたも智の手に触れたかった。
一緒に行動していて、何度かチャンスがあった。
でも躊躇った。
(拒まれたら、どうしよう)
そう考えてしまう。
初めて智に触れた時、智はリスの着ぐるみを着ていた。
元々そういう作りなのか、予算不足だったのか、手と腕の部分だけ生地が薄くて、感触がはっきりとわかった。
(思ったより小さい)
まるで「お手」をしているように、ゆうたの掌にポンと乗っている智の手。
(細いなぁ)
「くすぐったい~」
パタパタと智は暴れる。
気づかないうちに腕まで触れていた。
このまま流星隊のレッスンに行くと言うのでついて行くことにした。
その時、知ってしまった。
智が恋をしていることに。
でも相手は気づいてない。
ならば、智の意識をなるべく此方に向けさせよう。
そう考えた。
「可愛いよ、智」
ゆうたがそう言うと、智は首を傾げた。
「ありがとう、ゆうたくん」
智は穏やかに言う。
リスの頭からでは表情がわからない。
それでも良い。
きっと、まだ直接面と向かって言えないから。
ふと、ゆうたは思った。
(智は俺とアニキの区別、ついてるのかな?)
あんずを除けば智と一番行動しているのは、ひなただった。
最初に頼まれた責任感からか、ひなたは積極的に智の世話をやく。
確かめたくなった。
「ねぇアニキ、智は俺たちが入れ代わったら気づくかな?」
それを聞いたひなたはニヤリとした。
「試してみる?」
数十分後。
智は入れ代わりに気づかない。
「聞いてる?ひなたくん」
「うん、聞いてるよ」
司と気まずくなったことを話す智。
理由は言わない。
周りは2人の距離感に気づいていたが、何となく聞けなかった。
仲直りしたくて凛月の所に相談に行ったが、相手にしてくれなかった。
「なんだか、ゆうたくんみたい」
そう言った時はドキリとした。
結局、忍の乱入(?)によって漸く入れ代わっていることに気づいた智は顔を赤くした。
「気づかなかった」
悔しそうに言った。
これで少しは意識してくれるかなと期待した。