2.「ゆうた」と「忍」
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日が暮れたのであんずと智は先に帰らせた。
「あのさ、アニキ」
「何?」
「あんずさん、何かおかしくない?」
「やっぱり、ゆうたくんも気づいた」
2人は向かい合って、話していた。
「なんかピリピリしてたし」
「ずっと考え事してるし」
うーん、と2人は首を傾げる。
合わせ鏡のように同じ動き。
「ゆうたくん」
小さい声で呼ばれた。
ゆうたが扉の方を向くと、忍が中を覗いていた。
「忍くん、どうしたの?」
「あんず殿と智殿はござらんか?」
「2人供、もう帰ったよ」
そう言うと忍は安心したように息をついて部屋に入ってきた。
「?」
忍は少し躊躇う仕草をしたが、やがて口を開いた。
「実は先週、智殿を見たでござるよ。……でも、今日とはまるで別人でござった」
「どうゆうこと?」
ゆうたが聞く。
「……噂通りだったでござる」
「噂通り?」
智の噂。
冷たい雰囲気。
ひなたと鉄虎を一睨みで泣かした。
智が通った後は物が散乱。
でも、実際は噂とはかけ離れていた。
「どういうこと?」
その場の全員が混乱していた。
「忍くん」
ゆうたは忍と目線を合わせる。
「教えて。智を見た時のこと」
忍は頷いた。
ポツリポツリと話した。
忍の話が終わると、ひなたは腕を組んだ。
「全然違うね。少なくとも、雰囲気は転校初日に似てるけど…」
「……朝からそんなだったの?」
ゆうたの顔は真っ青だった。
「確かに噂は恐いイメージでござるが、それとは違ったでござる」
忍の話は不思議な話だった。