8.「凛月」と「友也」
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今度、友也が演じる役は表情がコロコロ変わる。
そして、その人物は恋をしている。
喜び
悲しみ
どれも一生懸命だ。
「じゃあね、智。司くんにはそれとなく言っとくよ」
「ありがとう、ゆうたくん」
さっきまで『ひなた』として智といたゆうた。
智が不機嫌で『ひなた』のゆうたに愚痴を溢していても、それを楽しんでいた。
ひなたより、いつも以上に優しい表情で智を見ていた。
天真爛漫な少女。
あどけない、愛くるしい表情。
恋とは無縁そうに見える。
(…智は、恋をしたらどんな表情をするんだろう)
友也は智が変わってきたと感じていた。
初日の冷たい印象の表情。
その次に見せた笑顔も、作り物のように感じた。
今の、コロコロと変わる表情の方が自然に見える。
智が恋をしたら、その変化に気付くことはできるだろうか……
放課後。
「台本の読み合わせ?」
「そう。相手役の先輩が来るまでで良いから」
「うん、良いよ」
友也に誘われて、智は演劇部の部室に向かった。
演劇部部室。
「私と踊っていただけますか?」
「喜んで」
差し出された智の手に、友也は自分の手をおいた。
しかし、2人はそのまま動かない。
「………ごめん。私、ダンスできない」
智が白状すると、友也は苦笑した。
智は台本を見る。
「この台本はジェインとチャールズが中心なんだね」
「原作はエリザベスとダーシーが中心だからね」
「智はどの人物がお好きですか?」
背後から声がした。
「メアリーです」
応えてから、声に気付いた。
「げっ!いつの間に…」
友也が嫌そうに言った。
智が振り向くと目についたのは茶色とグレーのベストに緑色のネクタイ。
(3年生!?)
顔を上げて相手を見る。
同時に相手も智をよく見ようと顔を近づけた。
さらりと銀色の長い髪が智の頬に当たった。
To be continued.
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