6.「真緒」と「司」
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(何故、そんなに悲しい顔をしてまで……)
司は智の肩に触れ、その小ささに驚いた。
肩を掴まれた智は、驚いて後ろにさがった。
「!…っあ」
すぐ後ろは壁だった。
前には司がいて、肩をしっかり掴まれて、逃げたくても逃げられなかった。
肩が震えた。
「何故、嘘をつくのですか?」
「!」
智は司を見上げる。
お互いの額がつきそうだった。
『約束、守れる?』
司の顔が、瞳が、あの人と重なった。
「いやぁ!」
智の手が司の頬を打った。
お互い会いたいと思っているのは確かだった。
だけど、智は会うことを怖れている。
智は何かに怯えている。
なのに理由を言わず、ただ会うことを拒む。
それでも先輩は智を大切に想っている。
だんだん腹がたった。
打たれた頬が熱かった。
司もまた、智の頬を打った。
「あなたは勝手です!」
智は司を睨んだ。
打たれた頬が赤くなっていた。
「……何も知らないくせに」
「もう!信じられない!」
「まあまあ、あんずちゃん」
廊下であんずが声をあらげていた。そんなあんずを嵐が宥める。
「泉先輩は仕事だから仕方ないけど………あとの2人!」
泉→仕事の為、早退。(連絡有)
凛月→昼休み以降、行方不明。
レオ→上に同じ。
あんずがそれを知った時、表情が変わった。
後に『2年棟に鬼が出た』と騒ぎになった。
「凛月ちゃんは真緒ちゃんに任せたけど、王様は何処に行っちゃったのかしらね」
「気紛れ過ぎる!」
レッスン室に着くと、あんずは深呼吸をして気を落ち着けさせた。
可愛い後輩に八つ当たりをしない為に。
「よし!」
カチャ
「この分らず屋!」
「そっちこそ!」
パタン
あんずは扉を閉めた。
今見聞きした光景が信じられなかった。
頭が混乱した。
「私、疲れてるのかなぁ?」
「疲れてるのは確かだけど、見間違いじゃないわよ」
再び扉を開ける。
嵐の言うとおり、見間違いではなかった。
司と智が取っ組みあいをしていた。
To be continued.