3.「晃牙」と「創」
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「創くんは良い香りがするね。ラベンダー?」
智が聞くと創は頬を染め、ニッコリと頷いた。
「はい、そうですよ」
ラベンダーのサシェを取りだして見せた。
「可愛い!」
ハーブの話で盛り上がる2人はガーデンテラスでティータイムを過ごしていた。
それを少し離れた場所から葵兄弟がハラハラしながら見守っていた。
『紅茶部はNG』
あんずにそう指示されたにも関わらず、こうなってしまった。
「考えが甘かったぁ~」
ひなたは呻く。
「創くんとお茶すると必然とこうなるんだったぁ」
葵兄弟の心配をよそに智と創はお茶を楽しむ。
あんずに連絡すると、幸い問題無しという返事がきた。
「よかったぁ」
ゆうたはホッとした。
「あれ、あんずさんだ」
ずっと智と創を見ていたひなたが言った。
あんずが智と創に近付く。
暫く2人と話すとテーブルの上を片付け始めた。
一瞬、あんずは葵兄弟の方に顔を向け、笑顔でウインクした。
「2人供、レッスンの時間ですよ」
あんずは智と創に言った。
「はーい」
「すぐ片付けますね」
あんずも片付けを手伝う。
「お茶会は楽しかった?」
「はい、とても」
あんずが聞くと、智は柔らかく微笑んだ。
しかし、すぐに俯いた。
「あの、あんず先輩」
「何?」
「Ra*bitsのリーダー、仁兎なずなさんは3年生なんですよね?」
あんずは智を見た。
智の顔は前髪でよく見えない。
「不安?」
智は頷いた。
「大丈夫だよ、可愛い人だから」
「可愛い人?」
「あ、本人の前では言っちゃ駄目だよ」
あんずは悪戯っ子のような表情で言った。
ダンスレッスン室。
「お前が智かぁ。よろしくな!」
人懐っこい、愛くるしい笑顔でなずなが言った。
「よろしくお願いします」
「部活見学してるんだって?」
「はい」
「テニス部にも来てくれよな」
「是非」
なずなはニッコリした。
(……可愛い)
智はそう言いそうになり、必死で耐えた。