2.「ゆうた」と「忍」
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智が席を外している間、3人は一覧を見直した。
あんずから受け取った一覧には細かい指示が書かれていた。
「陸上部、空手部はOK、
弓道部はNG、
バスケ部、テニス部はOK、
手芸部、海洋生物部はOK、
紅茶部はNG、
ゲーム研究部はOK、
演劇部は、部長がいない時ならOK、かぁ」
『日々樹先輩は絶対駄目!』
赤ペンで力強く書かれていた字。
見た時、忍とゆうたは驚いた。
ひなたもドン引きした。
智に見せた一覧はOKと表記された部活をゆうたが書き写した物。
ゆうたはひなたに忍が思っていることを話した。
「会いたくない人ねぇ。となると、やっぱりNGが出てる部に所属してる人?」
「でもプロデューサーの仕事を始めたら会わざるえなくなるし…」
「それはあんず殿の方で暫く調整するみたいでござる」
「……いずれは再会かぁ」
「うーん、せめてユニットが解ればなぁ」
「考えてみる?」
ゆうたが白紙にユニット名を書いていく。
「……日々樹先輩のは別枠で考えようか」
「失礼だけど、あの人の場合、人柄だよね」
忍も頷く。
「2winkは俺達だけだし」
「陸上部、海洋生物部もOKが出てるでござる。UNDEADも違うでござる」
「流星隊も違うね」
2wink、UNDEAD、流星隊に線を引く。
「ValkyrieとRa*bits、Switchも違うかな」
「残るは…」
Trickstar
fine
Kinghts
紅月
「Trickstarも違うと考えて良いね」
ゆうたがTrickstarに線を引く。
「1年がいるからって、考えは甘いかなぁ?」
「……多分」
今のところ、智は1年生とは問題なく接している。
ならば、その人物は2年か3年だということになる。
「暫くは様子見だね」
智が戻ってきたので、話し合いはそこまでになった。
智と葵兄弟は軽音部に行く為、忍とは廊下で別れた。
忍が昇降口に着くと、あんずがいた。
「あんず殿!」
あんずは忍に気づき、笑顔を向けた。
「忍くん、今帰り?」
「そうでござる」
「じゃあ、途中まで一緒に帰らない?」
2人は並んで歩いた。
「あんず殿」
「何?」
「……智殿は何者でござるか?」
あんずは足を止めた。
忍を見て、首を傾げる。
「どういうこと?」
忍は話した。
手裏剣を教えていた時、##NAME1##に感じた違和感を。
「まるで、背中に板が入っているかのように、姿勢が真っ直ぐだったでござる」
「そう」
あんずは昼休みと同じように、静かに聞いた。
「そうだったの」
あんずが呟くと、サァッと風が吹いた。
落葉がカサカサと音をたてる。
(……あ!)
忍はポケットに手を入れ、1枚の紙切れを出した。
「あんず殿、これ解るでござるか?」
あんずは忍から紙を受け取る。
「英文?」
「あの夜、智殿が破っていた本の一部でござる」
「あのこが?」
あんずは紙をジッと見る。
「これ、預かっても良い?」
「どうするでござるか?」
忍は首を傾げる。
あんずは紙を畳んでカバンにしまう。
「直接関係があるか解らないけど、何の本か調べてみる」
(家の辞書で足りるかな?)
あんずは真っ直ぐ忍を見つめた。
「忍くん、智ちゃんを守ってあげてね」
「守る?」
あんずは頷く。
「私も詳しくは知らないから、ちゃんとは話せないけど、忍くん達と一緒なら大丈夫だと思うから」
(……やっぱり)
「智殿が恐れているのは……」
忍は言った。
ゆうたにも、ひなたにも言っていない、その人物の名前を。
(そこまで解っちゃうなんて)
「お願いだから、あんまり深入りしないで」
あんずは困ったように笑った。
「全てを覚悟で私達は動いてるの。もう少し、時間が欲しいの」
夕暮れの空を見上げる。
「もう季節が変わろうとしてるけど、それまでには決着をつけるから。だから、……ひなたくんとゆうたくんにも内緒よ」
忍はただ、黙って頷いた。
何も言えなかった。
To be continued.
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