2.「ゆうた」と「忍」
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(2人には悪いことしたなぁ)
あんず、反省。
「あ、あともう1つあるでござる」
「何?」
忍はあんずの耳元に口を近付けた。先週の夜に智を見かけたことを話した。
あんずは今度は本当に目を丸くした。
「忍くん、詳しく聞きたいから場所を変えようか」
あんずと忍は空き教室に移動した。
そして詳しく話を聞いた。
「その事、誰かに話した?」
「ゆうたくんと、ひなたくんにだけ話したでござる」
「そう」
(2人の状態、状況からして、まだ誰にも話してないのは確かね)
あんずは机に腰かけた。
(あんず殿、やっぱり様子がおかしいでござる)
あんずはいつもは椅子にきちんと座るが、考え事に集中していた。
やがて忍を見た。
「忍くん、皆には内緒にしてね?」
「わ、わかったござる」
「智ちゃんにもよ」
忍は頷く。
「教えてくれて、ありがとうね」
あんずは微笑んだ。
1-B教室。
忍はゆうたにメモを渡した。
「あんず殿からでござる」
「あんずさん、まだ怒ってた?」
ゆうたの問いに忍は笑顔で首を横に振った。
そして声をひそめる。
「ただ、やっぱり様子がおかしかったでござる。夜の智殿のことも秘密にしてほしいと…」
「わかった。ありがとう」
ゆうたはメモを見た。
そこには謝罪の言葉と、智に部活案内をしてほしいと書かれていた。
一覧には忍が立ち上げた「忍者同好会」も入っていた。
「忍くん、ご指名だよ♪」
忍にメモを見せた。
放課後、空き教室。
ストン
忍が投げた手裏剣が的に当たる。智が拍手した。
「お見事!」
「智殿もやってみるでござるか?」
「え、できるかなぁ」
智は不安げだ。
「忍くんは教えるの上手だから大丈夫だよ」
ゆうたが言った。
まだ身体は痛むが朝より大分ましになっていた。
一方、ひなたは未だにグッタリとしていた。ゆうたに寄り掛かって動かない。
「ひなたくん、大丈夫?」
「……駄目」
ひなたは呻くように言った。
声がガラガラだった。
「ずっと叫んでたもんね」
ひなたは顔を上げて睨む。
「誰も助けてくれなかった」
「俺だって動けなかった」
「拙者はゆうたくんの看病を……」
「ひなたくんがそんな人だって、知らなかったのよ」
「智、言い方がひどいよ」
「えいっ!」
ストン
智が投げた手裏剣が的の端に当たる。
「お見事!」
「お見事でござる!」
ゆうたと忍が言った。
智は照れた笑みを見せた。
「やっと当たったぁ。手裏剣って難しいね」
忍と智は手裏剣を片付けた。
「次は何処に行きたい?」
ゆうたは一覧を見せた。
ひなたも横から一覧を見る。
「あ、軽音部も入ってる♪」
「朔間先輩、もう起きてるかなぁ?」
「昨日言ってた、朔間…零さん?」
(…………サクマ…?)
「どうしたでござるか?」
忍が聞く。
「…ううん」
(何処かで聞いたような…何処だろう。会えばわかるかな?)
「軽音部に行ってみたいな」