1.「校門」と「出逢い」
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夢ノ咲学院、アイドル科。
放課後、校門前に水季はいた。
「そろそろか」
「あの~」
控えめな声が中から聞こえた。
「!」
声の方を見ると水季はギョッとした。
そこにはリスの着ぐるみがいた。
「な…な…」
(なんだコイツ)
リスはポテポテと歩いて水季に近付く。
「水季さん?」
リスが首を傾げながら聞いた。
スポッと頭をとる。
「智!」
リスは智だった。
智は水季をじっと見る。
水季は普通科の制服を着ていた。
髪は結わえずサラリと流していた。
着物の時とはまた違う雰囲気と美しさをまとっていた。
「普通科の生徒だったのですね」
「そうだ。ところで何故そんな格好を?」
そう聞くと智はハッとしてまたリスの頭を被るとドンと構える。
「不審者を驚かす為です!」
「お主の方が不審者に見えるぞ」
リスの頭を撫でる。
「許可はとっておる。もうすぐあんずが…」
「お待たせ、水季ちゃん」
あんずが出てきた。
そしてリスを見てギョッとした。
「智ちゃん?」
「はい!」
智は手を上げて返事をする。
水季とあんずを残して智は校舎に戻っていった。
「普通科の方でも智は噂になっておる」
「そう」
あんずは俯いて、暫し考える。
「とりあえず中に入ろう、水季ちゃん」
「うむ」
2人は校舎に入った。
「今日はどうしたの?」
あんずが水季に聞く。
「智が家に来たのだ。客として」
「そうなの?」
昨日、智が英智に連れられてきたことを話した。
「天祥院殿が大事にしている子故、少し気になってのう」
「……ああ」
あんずが気まずそうな声を出した。
「2人はどんな感じだった?」
「普段の2人を知らんからのう。智は大人しかったぞ。…ところであんず」
「何?」
「智は男か?」
「女の子よ」
あんずは答えた。
水季とあんずはガーデンテラスの一角に座った。
「英智さんが智ちゃんを妹みたいに大事にしているのは本当よ。……ただね」
「ただ?何だ?」
あんずは言いづらそうに水季から視線をそらす。
「……最近、智ちゃん、反抗期っぽくて」
「…………は?」
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